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追加データを発見 [研究]

昨日の夕食はピライチームで大学近くのMuso Yakiniku & Shabuへ出かけた。Musoの意味がわからんけど、無双なのか?注文したのは焼肉食べ放題。7人で3000バーツだから一人400バーツくらいなので、結構なお値段。アルコール飲んでいないからなあ。夕方5時半にオフィスを出たので到着時は1組しか客がいなかったけど、食べている間に家族連れや若い女性グループなどがやってきた。ピライさんの同僚も学生を10人以上連れてきていた。

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午前中に発芽実験の写真とデータの確認作業をしていると覚えのない種子が使われていた。播種日を確認すると動物園の飼育個体に与えたものらしい。そんな体内滞留時間のデータは入力した覚えが無いので、スタッフに確認すると昨年5月末から6月にかけて4日間のデータが出てきた。ピライさんが日本に来ていた頃か。

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今回の発芽実験

これを加えるとリュウガンが400、Horsfieldia amygdalinaとBhesa robustaが200サンプルを超えているので、よさげなデータになりそう。今年の繁殖期にもう少しサンプル数を増やすことができると種子サイズや果肉の状態などに着目した解析まで持ち込めるだろうから、他の動物のデータをレビューしておけば、独立した論文でまとめることもできるだろう。

午後はこのデータの入力で終了。てっきり昨年5月以降に追加データを取っていないとばかり思っていたので、ちょっとうれしい。その後は昨日が締めきりだった査読レポートをもう一度読みなおして送信。コメントに対して詳細な返信が書かれていないとどこが修正されているのかわからないので困る。今日は早めに帰宅して、帰国準備をしてから夕食へ。まあ、必要最低限の調査はできたかな。

夕食後にタクシーで空港へ移動。今日はあまり混んでいなかったので1時間もかからずに到着。Tree Flora of Malaya全4巻やFlora of Thailandの過去3年間に発刊された5巻を持ち帰ったので荷物は8キロ増えていたけど、25キロに収まっていたので問題なく通過。出発ゲートでなかなか搭乗が始まらず、結局、予定の23時15分を大幅に遅れて離陸。日本人以外の旅行者が結構目についた。

動物園は混雑していた [研究]

今朝はタクシーにすぐに乗ることができたので、渋滞に捕まることなくスムーズに動物園まで移動することができた。朝から動物園で開催されるイベントにたくさんの人が来ており、園内は車でいっぱい。この時間帯にこれだけの人がいるということは、何時に出発しているのだろうか?

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園内は渋滞中

今日は飼育係さんも普通に出勤していたので、すぐに給餌実験を開始。昨日よりも1時間以上早い時間帯に実験を開始することができた。よく食べるオオサイチョウの1羽に残りのBhesa、シワコブサイチョウと他のオオサイチョウにはリュウガンを与えて追加データを収集。リュウガンのデータは全個体で同じくらいのサンプル数を稼ぐことができたから、簡単な個体間比較をするくらいのデータにはなったかな。

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右が食べ慣れていない個体が吐き戻したリュウガンで果肉が残っている

2時間ほどで予定の調査を終了。このくらいの時間で終わってくれると午前中に別の仕事をすることができる。今回も種数は多くはないけど、貴重なデータを収集することができました。問題は来月以降のデータでどのくらいの追加データを収集することができるかにかかってくる。今年の5月にも昨年と同じくらいの期間調査に来ることができると良いのだけど、難しいかなあ。

自動撮影カメラデータのメンバーからタイ東部のTaphraya National Parkで撮影されたとある哺乳類の同定依頼のメールが流れてきた。確かにその種に見えますが、私は自分のカメラで撮影されたことがない種なので、しばらく様子を見ていると1時間ほどで他のメンバー数名から返信が戻ってくる。かなり分布情報が限られている種なので、Small Carnivore Conservationとかに掲載したいらしい。

わたしがデータ入力をしている横でピライさんは新しい共同研究の打ち合わせ。バナナの熟度をデジタル写真から判別するような仕事もしている人らしい。すでに別の動物を対象にした研究がScienceやNatureに掲載されているので、全く新しいわけではないけど、悪いネタではない。

明日は大学で経過報告書を確実に仕上げて、その勢いで査読レポートも仕上げてから帰国したい。

朝からあたった [研究]

今日から平日なので、昨日より少し早い時間帯にスタートして渋滞を避けるつもりが、結局、タクシーがなかなかつかまらず、昨日と同じくらいの時間帯になってしまった。しかもいつもと同じようにタクシーを待っているとビチャっという音と共に生暖かい感触。マンションの一番上に止まっていたドバトの落し物がリュックに直撃して、一部が耳にあたったらしい。

動物園についてからも予定外に飼育担当の人が捕まらず、ケージの前で30分ほど待ちぼうけ。バイクが調子悪くて出勤するのが遅れたらしい。今日はシワコブサイチョウにTernstroemia、オオサイチョウにBhesaを与えて観察。Ternstroemiaはアリルが非常に少ないので、食べるかどうか不安だったがシワコブサイチョウはバンバン食べた。一度に40個食べたけど、あまり栄養にはなりそうにない。オオサイチョウは昨日と同じ調子で、くちばしですぐに受け取るものの、気に入ったアリルの状態のものだけ飲み込んで、残りは捨ててしまう。

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ツバキ科Ternstroemia wallichianaの果実

思っていた以上に吐き戻すまでの時間が早く1時間以内でほとんどを履き戻してしまった。それだけアリルが外れやすいのだろうけど、こんなものを食べてもあんまり腹の足しになるとは思えない。野外で朝一番に何を食べるとかきちんとわかると面白いのだけど。

結構食べた [研究]

今朝は大学オフィスに立ち寄ってカオヤイから運んできた果実を受け取り、動物園へ。今日は週末なので道路はガラガラ。20分くらいで大学に到着。普段もこのくらいの時間で移動できると良いのだけど、平日は下手すると1時間以上かかる。Bhesa robustaが200個、Ternstroemia wallichianaが40個ほどあったので、まずは傷みやすいBhesa robustaを持って動物園へ。

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ニシキギ科Bhesa robusta

2日前に採集した果実なので、古いものは少し傷んでいる。アリルがまだしっかりしているものを選んで、オオサイチョウとシワコブサイチョウに与えてみる。くちばしで受け取りはするものの、最初のうちは飲み込まずに捨てていたが、あきらめずに繰り返しているとアリルが柔らかくなりかけている種子を飲み込みだした。アリルがぐちゃぐちゃでも硬くても嫌らしい。なかなか好みがうるさいなあ。くちばしの先端で挟んだ時の微妙な感覚が決め手になっている様子。

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シワコブサイチョウのペア

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吐き戻されたBhesa robustaの種子

アリルが外れやすいので、そんなに吐き戻すまで時間がかからないと思っていたとおり、ほとんどが1時間程度で吐き戻された。ただ、サイズが小さくて沢山食べたせいか、2時間を超えてポロッと吐き戻されるものもある。極めつけは糞として排泄された事例が2個だけ見つかったこと。このサイズの種子は基本的に吐き戻しだけど、場合によっては糞として排泄されることもあるらしい。糞として排泄される方が吐き戻しよりも体内滞留時間が長くなるので、散布距離も長くなる可能性が高い。この辺は野外で収集することが難しいので、しっかり記録しておく必要がある。

オオサイチョウは新しく来た若い個体は食べ慣れていないのか、暇なのか、吐き戻し後の種子をくちばしの先端で繰り返し挟んでいるうちに種子を破壊してしまうことがある。体内通過で破壊されたわけではないけど、こういった行動も記録しておく価値はある。

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オオサイチョウが吐き戻し後、破壊した種子

明日は残りのBhesaとTernstroemiaを与える予定。

カビたものが多い [研究]

ピライさんは大学勤務の最終年。今年は講義がないので、朝は渋滞を避けてのんびりと出勤しているらしい。今日も8時半頃にのんびりと大学へ出勤。大学でバンコク滞在中のケンプ夫妻にご挨拶して、近況を報告する。ケンプさんは娘さんがジサイチョウのプロジェクトリーダーとして活動し始めたらしい。去年、お孫さんも産まれたらしく、嬉しいそうに写真を見せてくれた。バンコク滞在中はピライチームの論文作成を支援しているらしい。ピライさんは一度は投稿したけど、リジェクトされたままになっている論文が結構あるからなあ。

サイチョウプロジェクトは今までCSR事業の一環でサイチョウ類の衛星追跡で支援してもらっていた研究を3年間、継続する新しい予算を獲得できたらしい。今年からムジサイチョウをGPSで追跡調査して、HKKのグループが非繁殖期にどこに行っているのかをきちんと調べるらしい。ムジサイチョウはマレーシアとタイ国境周辺の移動が有名だけど、多分、そこまでは移動していないでしょう。

今日はまず昨年5月にお願いしていた初が実験の追跡調査のデータとそれ以降のデータを見せてもらい、整理する作業を進める。やはり毎回デジカメで写真を撮影しておいてもらって正解だった。Horsfieldiaはかなりカビにやられていたけど、まあ予想通り。野外でもカビていることが多いけど、これ土に埋めないと発芽実験がうまくいかないかも?事前にアルコールでさっと拭いてみるか?

動物園での調査は洪水の影響もあり、ほとんど進んでいない様子。明日はまずはリュウガンでデータ数が足りていない個体の追加のデータを収集して、明後日はカオヤイから運んできたニシキギ科Bhesa robustaとツバキ科Ternstroemia wallichianaを給餌する予定。

バンコクは暑い [研究]

昨夜はついついサッカーを最後まで見てしまったので、ちょっと睡眠不足気味。6時に起床して、すぐに荷物を確認して、出発。昨日、職場にデジカメの交換用電池と充電器を忘れてきたのが痛すぎるけど仕方がない。このデジカメ、アメとか全くきにしなくて良いので便利だけど、マクロ以外はいまいちうまく写真を撮影できていない。

三宮で予定よりも1本早いバスに乗ることができたのだけど、これは失敗だった。補助席で、あまり休むことができなかった。10分待って予定のバスにするべきだった。ただ、かなり余裕を持って関空に到着したので、チェックイン後におみやげを購入して、朝食を済ませる。さっさと出国手続きを済ませて、ラウンジでのんびりとコーヒーをいただきながらメールをチェック。

今日はフライトが予定よりも10分早くなるはずだったけど、出発便が混んでいたのか、雨の影響なのか、結局、11時20分ごろに離陸。さすがにレフリー仕事を終えずにバンコクで調査を開始するわけには行かないので、機内ではコメントをまとめる仕事に集中。リバイス後のほうが圧倒的に読みやすくなったと思うので、細かいコメントをするくらいで済みそう。ただ、学名のスペルミスが散見されるので、その辺は注意して欲しい。

昼食を食べながら、機内映画のBig Yearを見る。こんなテーマで映画を採るくらいアメリカの鳥好きは多いということだろうか?アメリカ国内で1年間に何種の鳥を見ることができるか?という競技会に参加しているバーダーたちが主人公の映画。当然、普通種は全てカバーして、珍鳥をどのくらい見ることができるかどうかにかかってくる。カワラヒワって、アッツ島とかで見られることがあるんですな。わたしはライフリストをつけたりはしていないけど、あらゆる手段を使って、珍鳥情報を収集して確認していく過程は楽しんで見ることができました。

バンコクに到着時点での気温は34度。入国審査で並んだところが外れで、手続きがやたらと遅く30分近くかかった。空港からマヒドン大学までは久しぶりにタクシーで移動。マヒドン大学はバンコク以外にも別キャンパスがあるので、いつも隣の病院の名前を出すのだけど、そうすると日本から機体者だと思われることが多い。まあ、スーツケースを持って、健康そうな人がタクシーに病院名を告げるのだから、病人には見えんわな。

17時過ぎにマヒドン大学に到着して、荷物を確認。洪水の被害を受けたスタッフも多いけど、既にだいたい復旧しているらしい。明日は大学でデスクワーク。

明日からバンコク [日常]

昨夜は少し遅くまでリバイスを続けていたので、今朝のジョギングはお休み。でも明日からタイでどのくらい運動できるかわからないので、本当は走ったほうが良かったのだけど仕方がない。せめてストレッチで体をほぐしておこう。

朝から査読依頼のメールが一件。過去に査読した論文の再投稿で、指摘した点については修正してありそうなので、ほっとする。これならあまり時間はかからないだろう。ついでに担当編集委員に自分の論文のリバイス状況についても連絡して、締め切りを月末まで延長してもらう。タイにいる間にリバイスを仕上げて、バンコクに滞在中のケンプさんに読んでもらう時間があると良いのだけど。結局、タイへ行くまでに仕上げる予定だった昨年の研究成果の経過報告書は飛行機の中で書くことになるかな。

午前中は報告書の最終仕上げ。プリントアウトしたものを確認して、微修正を続ける。どうしても原稿が一つ間に合いそうになかったのだけど、印刷屋さんに提出する直前でぎりぎり間に合った。これでちょっと安心してタイへ行くことができる。帰国後に校正作業を行い、3月末には送付することができそう。それよりも自由集会のイントロ部分のスライドを作ってしまわねば。これはマヒドン大学にいる間にちょっとWeb of Scienceで探しものをしてからかな。

午後は広報誌に書いた記事の修正と写真の選択。うーん、もう少し大きくしたい写真もあるけどレイアウト上、仕方が無いかな。途中、カエルの名前を訪ねに出かけてその辺の系統の最新情報を教えていただく。かなり広範囲で調査をしていて、明らかにハラバラと考えられるようなデータポイントもある。となるとこのサンプルを採集しているのは知り合いだろうなあ。

明日からのバンコク滞在中はメールにアクセスすることはできるけど、日中は調査に出かけることが多いので、ちょっと連絡がつきにくくなります。

ようやく回復 [日常]

先週はずっと風邪気味で体調不良だったのだけど、土曜日にゆっくりと休んでから回復傾向。インフルエンザではなかったらしい。昨日は軽く20分間のジョギングで体をほぐしたので、今朝は40分まで時間を伸ばす。昨日よりは寒さが和らいだ感じ。まあ、昨日よりも走る時間帯が遅いというのもある。体重は前年度よりも1キロほど少なく、2009年と同レベルで、比較的身軽な状態で篠山マラソンに望むことができそう。でも本当は先週中にもっと距離を踏むつもりだったので、結局、今回も10キロ以上の距離を一度も走ることなく終わりそう。そんなんで完走できるのか?

今日は集中してニクズクか論文のリバイスに取り組む。1ヶ月くらいで返却してね!と言われているので、そろそろ返さねばいけない。通勤電車の細切れ時間でリバイスしていたけど、この方法はちょっと無理だな。昨日の午後と今日の午前に集中してリザルトを大幅に書き直し、それに対応した形に考察を修正。

植物側の情報をかなり追加したので、それに沿った形で今後の研究の方向性を提言する必要がある。フタバガキ科で行われているような遺伝情報を用いての種子散布距離の推定や実生の追跡調査、LTERサイト間での比較調査などの優先順位が高いだろう。もう一日はかかるけど、明日・明後日は報告書の編集作業があるからなあ。でもタイへ行く前には再投稿してしまいたい…。

木曜日からタイへ今年度最後の調査に出かけてきます。というか、今年度はほとんどタイへ調査に行くことができなかったのが痛い。帰国は3月1日の早朝ですので、しばらくメールの返信などが遅くなる可能性があります。

フィールドの生物学シリーズ6巻と7巻 [本]

東海大学出版会からフィールドの生物学シリーズ6巻と7巻が出版された。いずれもかなりの長期間の野外調査を含んだ研究内容を紹介している。

フィールドの生物学シリーズ6巻
右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化
著者 細将貴
体裁 B6判 194頁 並製本
定価 2100円(税込)
出版社: 東海大学出版会
刊行 2012/02
ISBN-13: 978-4486018452

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フィールドの生物学シリーズ7巻
テングザル 河と生きるサル
著者 松田一希
体裁 B6判 146頁 並製本
定価 2100円(税込)
出版社: 東海大学出版会
刊行 2012/02
ISBN-13: 978-4486018469

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まず7巻が届いたので、しばらく通勤電車での読書を楽しむことができそう。

下宿に篠山マラソンの引換券が届いた。この1週間、いまいち体調不良で練習ができなかったけど、この週末はちょっと練習できるかな。

まだまだ編集中 [日常]

今日も朝から報告書の編集作業。原稿が集まらないことには編集作業を進めることができないのが悩ましいけど、かなり時間ぎりぎりでお願いしている原稿もあるので、なんとも言えない。

フェノロジー研究会の会報が送られてきた。今回はツル植物の特集で、あまり知らない世界を垣間見る。温帯地域のツル植物の研究の現状をよく知らなかったので、ちょっと勉強になった。ただ、それ以上に面白かったのが、巻頭の天野さんのフェノロジー論文の解説文。会員だけが読むにはもったいない内容だと思うのだけどなあ。論文が出た時にざっとは目を通していたけど、著者本人が論文を書くきっかけとなった背景まで含めて書いてあるのが良い。

4月からはTREEにアクセスできる環境になるはずなので、昨年末で個人購読していたTREEをやめたのだけど、なぜか2月号が届いていた。1月号はFreeとか書いてあったけど、今後も購読しろということか?何気なく開いてみるとEcological and evolutionary informaticsの特集号で、なかなか読み応えのある論文が多い。さまざまな手法が生態学分野に応用できるようになって、大規模データがお手軽?に手に入るようになってきたけど、それをどう扱うのかということをまじめに検討しておく必要があるのは間違いない。

今週中にニクズク科論文のリバイスを終えないといけないのだけど、なかなか進まない。フィールドの生物学の続巻が刊行されたらしい。ボルネオと西表の話なので、どちらも熱帯生態学会NLで書評を取り上げたいところ。

サイチョウ研究者間のMLで、Best Management Practices for Hornbill Conservation in Logging or Mining Concessionなるテーマでレビューを書こう!みたいな感じになってきた。うまくまとまると良いけど。4月以降の環境では、こういったML上のつながりも大事になりそうなので、シッカリ貢献していきたいところ。