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ようやく前期終了 [日常]

今日の午前中でようやく前期の講義と実習が全て終了。あとは来週の試験問題を作成して、提出されたレポートの採点をしなければいけない。1年目ということもあり、どのくらいのレベルに試験問題を設定すれば良いのか、判断に困るところもある。ただ、講義中に考えてもらった問題などの正答率を見る限り、スラスラとけている人はそれほど多くはなさそう。週末にゆっくり考えよう。

午後は学生を連れて金沢大学で開催された研究会に参加。県立大学の学生たちはほとんど金沢大学と交流する機会がないので、キャンパス内に入るのは初めてらしい。あまりの規模の違いにちょっと驚いている様子だった。研究会の内容自体はちょっと卒業研究を始めたばかりの学生たちには難しい内容もあったけど、かなり関連している話題もあったので、よい刺激になったのではないだろうか。

今週号のNatureに世界の熱帯、亜熱帯の主要な保護区での過去30年間ほどのさまざまな生物多様性の増減のトレンドをまとめた論文が掲載されている。調査サイトの一つにはわたしの調査地でもあるカオヤイ国立公園が含まれている。スミソニアンのポスドクから、世界中の主要な保護区の過去20-30年間の生物多様性のトレンドについてインタビューしているので、カオヤイについてインタビューしたいとのメールで連絡を受けたのが、わたしがまだ立教大学でポスドク中だった2008年1月15日。

わたしは大学院の5年間しかカオヤイに関わっていないので、より長期間にわたってカオヤイで仕事をしている人がいるからとマヒドン大学のピライさんとブロッケルマンさんを紹介した話がようやく論文化されたらしい。ピライさんはさらに若い人を紹介したので、結果的に共著者には含まれていないけど、タイで長期間の調査を行なってきた3名の研究者が共著者に入っている。ただ、ピライさんが外れたので、結果的に3人ともタイ人ではないのが微妙といえば微妙。

紹介記事はこちらがわかりやすい。
http://news.mongabay.com/2012/0725-hance-tropical-parks-biodiversity.html

日本人研究者で含まれているのは、メンバー構成から推測するにランビルかな?

それにしても今夜は暑い。熱帯林の涼しい夜が懐かしい。論文を読んでいたらカオヤイへ逃亡したい気分になってきた。週末に査読仕事も片付けるのでもうしばらくお待ちください。

意外に入っていた [日常]

朝から先週設置した種子トラップの確認作業と自動撮影カメラの交換作業のために林業試験場へ出かける。今日も朝から暑いけど、昼間に出かけるよりは随分マシ。中学生のような子どもが作業を手伝っていたけど、トライやるウイークのようなものか?

止まり木付きの種子トラップを確認してみると、リターがほとんど入っていない。スギ林ってそんなものだろうか?中に明らかに鳥の糞と思われるものが入っており、昆虫の残骸も多数見られた。ほー、いきなり入っていましたか。もう一箇所の止まり木付きのところでは、クロモジの種子のようなものが入っていた。管理されたスギ林のように林床植生があまり発達していないところにはちょっとした止まり木がある効果が結構大きいのか?今後のデータに期待。

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トラップ内を確認中。

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やたらとハエがたかっていた。

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キノコ

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ハクビシンかテンの糞だろうか?

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いつものトノサマガエル

自動撮影カメラに撮影されていた動物たちは先週と同じようなものだった。ニホンカモシカはかなり頻繁に撮影されているけど、同一個体のように見える。何か確認ポイントがないか、時間をかけて見比べてみよう。アナグマは4頭が同時に撮影されていた。午前中に予定の作業を終了し、大学へ戻る。

午後は学生に自動撮影データの整理のやり方を伝授。デジタルカメラなので、写真のExif情報から撮影時刻はそのまま取り込めるはずなので、色々とフリーソフトを使ってみて、何が便利かを検討。エクセルのマクロを利用する手もありそうだけど、結局はF6 Exifというフリーソフトを利用して、フォルダ毎にデータを抽出することにした。

メモ帳やエクセル上で少し置換作業が必要だけど、て入力するよりは圧倒的にデータの入力ミスが少ないので、こちらの手順を一通り覚えてもらうことにする。カメラを設置しているとそれだけ情報量が増えてくるので、毎週、着実にデータの整理をしておいてもらわねば。時刻データが置換作業だけでエクセルのセルごとに入力できるのだから便利だなあ。ハラバラで毎晩、フィルム写真をにらめっこする作業も嫌いではなかったけどね。

明日でようやく講義が全て終了。

ようやく調査開始 [日常]

といっても自分の調査ではなく、先週から講義の合間の時間を見つけて、卒業研究の学生の調査をボチボチと開始している。先週末から準備を始めていた種子トラップをようやく調査地に持っていけそうになったので、朝から林業試験場へ向かう。今日は午前中にある程度仕事のめどを付けてしまいたかったので、9時頃に大学を出発。これまでは昼食後の時間帯に出かけることが多かったので、その時間帯に比べれば暑さはマシ。もっとも週末の殺人的な暑さを体験してからは、かなり体が慣れて動きやすくなっている。

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こんな道具立て。タイで使っていたものよりも随分と軽くて便利。

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実際のトラップ。

卒研生3人とわたしの計4人で種子トラップの設営作業。ツキノワグマが出る可能性があるとのことで、一人は熊鈴をつけて調査をしてもらう。一応、クマにあったらどうするかなどの基礎知識だけは知っておいてもらったけど、実際に出会った時に知識を活かせるかどうかは、個人の資質が大きく影響するので、できるだけ出会わないような方向に努力してもらう。

最初はちょっと時間がかかったけど、途中から作業が慣れてきたので、後半の設置は人数が少なかったにもかかわらず、前半と同じくらいの作業量をこなすことができた。残りは本来の調査である自動撮影カメラの確認作業に行ってもう。こちらも少しずつ動物が撮影されていた。ニホンカモシカ、アナグマ、テン、クロツグミ、山歩きの人などが撮影されていた。先週、カメラを設置した時には、動物の気配をあまり感じなかったのだけど、少なくとも設置箇所を複数の動物種が利用しているのは間違いなさそう。全く撮影されていないカメラはなかったので、ちょっと安心。しばらく様子を見て、同じ場所で継続するか、場所を変更するかなど検討しよう。

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調査後の帰り道で、こんなものにも出会った。

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こちらは捕獲して観察した。

さすがにちょっと動いたので、帰宅後に体重を測るとかなり減少していた。あまり暑くなかったとはいえ、かなり汗をかいたらしい。

耳かき一杯 [日常]

調査用の自動撮影カメラが届いたので、学生と一緒にその設定準備。既に大学キャンパス内で試運転してみたけど、スズメくらいでも十分に撮影されているので、林業試験場内の哺乳類相を記録するには十分だろう。来週中に調査を開始して少なくとも半年は継続する予定。

今週、学生向けのキノコのDNA実習に参加した時に衝撃的だったのは、サンプルの分量として、耳かき一杯という量がわからないという学生がかなりいた事。耳かきを普段使うことがないといっても綿棒で耳垢とっているのなら、大体の量は想像できるだろうに…。

大学業務関係の締切の仕事を無事に終えたので、査読期限が少し過ぎているレポートをまとめる。明日の午前中にもう一度、見なおして、問題がなければ送付してしまって、別の査読にとりかからねば。明日は家族サービスで3年ぶりに地引網に出かける予定だったけど、大雨の影響で中止になったので、集中して閉め切りが近い分から査読仕事を片付けてしまわねば。

委員会仕事に初参加 [日常]

今日は大学関係の委員会仕事に初参加。図書関係の仕事なので、まあ、そんなにめちゃくちゃ大変ではないらしいということで引き受けたけど、誤算だった。確かに会議は1時間ほどで終了した。会議がサクサク進んで、無駄話をする人が少ないのは、良い。

だけど、今度、大学出版会から出す本の内容をこの委員会メンバーで査読する事になるらしい。今回の原稿は大部分がわたしの所属学科のメンバーが書いているということで、必然的にわたしが読まねばならないことに…。しかも週末までに読む必要があるから、よろしくなんて、急に言われてもなあ。まあ、各スタッフの研究内容について知るいい機会ではある。ということであきらめてざっと目を通しているけど、これ編集作業しているのか???明後日までに終わらせたい業務がいくつかあるので、今夜と明日は頑張らねば。

そういえば、ピライさんの新しい論文が出たので、ブードーのサイチョウの繁殖履歴については、今度からこちらの論文を引用すればよさそう。ちょっと相談してくれれば、もうちょっとマシな解析方法が使えそうな気がするのだけどなあ。Biological Conservationに2005年に掲載された論文の続きで2009年までの繁殖履歴についてまとめてある。まあ、論文化されたのだからよしとしよう。

Poonswad et al. (in press) Basic conservation approaches and the fate of hornbills in Thailand: a prototype for future bird–people relationships. Journal of Ornithology.

http://www.springerlink.com/content/wh851188771326n0/