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花粉媒介と種子散布の総説 [論文]

2013年に日本鳥学会の年次大会のシンポジウムに招待された際に話題提供した鳥類の花粉媒介と種子散布に関する総説が公開されました。学会員でもないのに大会シンポジウムに招待していただき(2008年も大会シンポジウムで話しているので2回目)、論文まで掲載していただきありがとうございました。お前は鳥学会の会員ではないのかと思われる人も多いかと思いますが、本人はあくまで植物生態学が専門だと思っているので…。こちらの職場に来てから書きはじめて、公開された初の筆頭論文になります。区切りの30本まであと一つ。自分の年齢を超えるのはまだまだ時間がかかりそうだけど、今年はもうちょっと頑張りたい。

特集1:鳥類がもたらす生態系サービス
序文 鳥類がもたらす生態系サービス
 風間 健太郎, 日野 輝明 p.1-2
総説 鳥類がもたらす生態系サービス:概説
 風間 健太郎 p.3-23
総説 鳥類による生態系サービス:特に花粉媒介と種子散布に着目して
 北村 俊平 p.25-37
原著論文 日本に飛来する夏鳥の渡りおよび繁殖時期の長期変化
 出口 智広, 吉安 京子, 尾崎 清明, 佐藤 文男, 茂田 良光, 米田 重玄, 仲村 昇, 富田 直樹, 千田 万里子, 広居 忠量 p.39-51

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjo/-char/ja/

PDFが必要な方はメールで連絡してください。

和菓子のような物体 [日常]

朝一番に大学の委員会仕事。のどの調子は相変わらずなので、あまりしゃべらずにのど飴をなめて過ごす。会議は予定よりも早く1時間以内に終了したので、予定を変更して、午前中に林業試験場の哺乳類モニタリングカメラの交換に出かける。GWで登山客が多くなる前に一度、カメラを交換しておいたほうがよいとの判断。もう一つは共同研究中の実験処理がうまくいっているかの確認。

それにしても暑いくらいの天気。スギ花粉がすっかりおさまったようなので、マスクなしで調査地を歩くことができる点もよい。ようやく展葉が進んできたので、カメラの設置ポイントもずいぶんと日陰になってきた。4月中にカメラを設置しても陽だまりの影響ですぐに電池が終わってしまうことが多いので、本当はGW以降くらいに設置すればよいのかも。

さすがにほとんどカタクリは終わってしまっていたけど、少し標高が高いところで1株だけまだ開花中の個体を見かけた。残りは結実しているか、葉だけになっている個体がほとんど。先日の実習中に教えてもらったカタクリさび病なるものも見えるようになると時々見かける。ふと、足元にギフチョウがやってきてオオタチツボスミレに訪花していたので、しばらく観察。結構ふらふらしているようで、きちんとスミレを狙って移動するので、行動が読みやすい。比較的まとまって咲いている場所だったので、あまり一度に遠くまで移動しない点もよかった。ただ、一番のチャンスでフラッシュがたかれてしまったのが失敗。

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カタクリ

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オオタチツボスミレとギフチョウ

貯水池の水位が下がり、クロサンショウウオの卵のうが一部、水上へ出てしまっていた。和菓子みたいでおいしそうだ。今日はほかにも交尾中のタゴガエルらしきものやアズマヒキガエルなど、普段、あまり見かけないカエルたちにも出会うことができた。ヒキガエルはたまたま道路を横切ろうとしていた。

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和菓子?

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交尾中のタゴガエル?

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山道を横断中のアズマヒキガエル

月初めに咲いていたコチャルメルソウやネコノメソウはすでに結実して、種子散布時期が近い。ネコノメソウなんてほとんど訪花昆虫は見かけなかったけど、どの個体もかなりの種子が詰まっているので、不思議。

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ネコノメソウ

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ニリンソウ(小)とイチリンソウ(大)

夕飯は嫁さんがもらってきたコシアブラのてんぷらをいただく。春ですなあ。木曜日は水曜講義日で、一日しゃべる必要があるので、早く喉を治したい。

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コシアブラのてんぷら

ヒメアオキにカメラを置いてみた [日常]

午前中は1年生向けの生態学の講義。今日は進化の話なので、最初に今年のセンター試験の問題を提示。イワサキセダカヘビの写真を見せたら130人くらいの学生の中で1人だけ名前を知っている人がいた。なかなかのいきものマニアかも。大学図書館のフィールドの生物学を調べてみると、だれか借りて読んでいる様子。興味を持ってくれた学生がいるのであれば、うれしい。

水曜日の講義と実習中に痛めたのどの調子が回復していないので、今日の講義はいまいちの講義だった。前期は風邪ひかないように細心の注意を払わなければいけないことは、一年目に失敗して気を付けていたのだけど、ちょっと気が緩んでしまったかもしれない。

午後は卒研生を連れて林業試験場へ調査に出かける。それとは別の共同研究のネタも確認して、ヒメアオキの結実状況をチェック。すでに一部の果実では持ち去りが見られているけど、まだ少ない。ビークマークがついた果実も落ちている。このあたりで騒いでいる鳥だとすれば、犯人はヒヨドリだろうか?花序内の果実数と持ち去られた数を数えてみるとまだ5%以下なので、ここ数日中にカメラを設置すれば、どうにか調査できるか?ただ、本来は1か月前から準備しておきたいネタ。今後、ヒメアオキの果実が食べられない可能性もあるので、別のネタも準備しておいたほうがよいだろう。とりあえず、カメラを設置できそうな10個体に、果実持ち去りを記録する予定。アオキは先行研究があったと思うので、探しておかねば。

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なぜかネズミが3頭浮かんでいた。飛び込んだのか?


今年の講義が始まった [日常]

朝は卒研生と大学横の調整池内をうろうろする。開花している草本はほとんどいないので、10日に一度くらいのペースで確認する予定。今日見かけたのは、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、スズメノカタビラ、スギナ、ミチタネツケバナなど。もう一か所の調整池内は完全にコンクリートで固められた場所だけど、コケ植物が侵入して、パッチ状に分布している。両方をしばらくモニタリングして、面白そうなことを探してもらおう。

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今日から前期の講義がスタート。イントロとして、自分の研究紹介をして、サイチョウの映像を見てもらう予定だったけど、うまく画像が動かない。すぐには対応できないので、映像を見せるのは来週に変更して、普通に講義をして終了。でも時間通りに終了したので、映像を見せる余裕はなかったか。

午後は林業試験場で調査中の共同研究者のお手伝い。あまり雨がひどくは降らなくてよかった。晴れ男と雨男の組み合わせだけど、今のところ晴れ男パワーがまさっている様子。普段は車で通り過ぎていて、気がついていなかったのだけど、こんなところにもそれなりの個体数がいた。道沿いしか歩いていなかったから、気がついていませんでした。1ヶ月くらい集中して作業に取り組むことができれば、いろいろと面白いデータをとることができるシステムになるかも。個人的には、種子散布に関連したデータをとることができると良いのだけど。

おお、ここにも大量にナメクジがいる。夕方の時間帯にこの辺にいたことがないのだけど、雨が降っているからかもしれないな。ただ、これだけの個体数をまとまってみたのは初めて。もし、どうしても見つける必要があるのなら、この場所が確実そう。でも、こんなにたくさんいるのに交尾したりはしていない。

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コチャルメルソウでお食事中

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この写真の中に5匹

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周辺で目に入った個体を集めるとこのくらい

天気が悪化してきたので、早めに調査を切り上げる。宿でインターバル撮影カメラのデータを確認しながら、雑談と打ち合わせ。明日は二人でがんばってもらって、明後日はわたしも合流して観察する予定。日曜日は晴れる予報で、気温も少し上昇するようなので、活発な昆虫の活動に期待。

カタクリが咲いてきた [日常]

朝から学生二人を連れて調査。曇りの予報だったけど、時折、日も差し込む良い天気になった。来週以降の本格調査に向けての予備実験と開花前の花序への袋がけ。昨年度も予備実験をしたシステムだけど、なかなか難しい。複数処理を考えていたようだけど、ちょっと考え直してもらおう。調査システムとしては面白いし、インターバル撮影や実験処理、結実種子数の評価まで行うことができれば、学生実習のネタとして使えるようになるかも。

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このナメクジたちは朝に良く見かける

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カタクリの開花が進んできた

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複数の個体群を対象として、同じような処理を行い、午前中は終了。道の駅で昼食をとり、午後も別の個体群を対象として、同じような作業。私はその間に開花中の個体に設置しているインターバル撮影用の自動撮影カメラの交換。WG-1とWG-3とWG-20を使っているけど、同じような条件でもWG-20の撮影枚数が少ない。

最初は半年ぶりに使うので、バッテリーが低下しているのかと思ったけど、明らかに機種依存。継続的に使っていてもWG-20では、700枚以下で終わっていることが多い。まあ、昨年からそんな気はしていたのだけど、日中に使っていたのであまり気にならなかった。最近は天気が悪いので、朝夕のうす暗い時間帯にフラッシュがたかれる頻度が高いことも関係しているのだろう。同じ時間帯に設置しているWG-1やWG-3は800枚以下で終わることはまずないので、2分間間隔にすれば、24時間をカバーできるそう。

調査地内の貯水池に浮かんでいるクロサンショウウオの卵のうが増えた気がする。昨日は中央の白い卵のうはなかったと思うのだけど。本体もウロウロしているので、まだ産卵期間なのだろうか?

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