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公開講座で話した [日常]

今日は大学の開学記念日で休講。朝一番は卒研調査で大学ビオトープの植物の開花・結実フェノロジーの調査につきあう。現段階では、特に珍しい植物は出現していないけど、ビオトープ内に出現した植物の写真、標本、スケッチを残す予定。最初の1時間だけつきあって、残りの区画は学生に任せて、午後の公開講座の練習。スライドはほぼ完成していたけど、30分で話しきれるかどうかの確認。結局、二時間ほどかけて、練習と修正を繰り返す。

今日の公開講座は先日の植樹祭との関係もあり「森林と人や生き物とのかかわり」というテーマ。基調講演は東北大学の清和さん、その続きは県立大学から森林に関係する3名が講演した。

「多種共存の森」1000年続く森と林業の営み(東北大学 フィールド科学センター 清和研二)
森の外でクマさんと出合わぬ方法教えます(石川県立大学 環境科学科 大井 徹)
動物たちがつくる熱帯の森(石川県立大学 環境科学科 北村俊平)
森と水-森林がもつ緑のダム機能-(石川県立大学 環境科学科 藤原洋一)

会場の防災センターはできて1年の新しい建物。はじめて利用したけど、大学の近くにこんなに良いスペースがあるんだなあ。ただ、東側がすべて大型のガラスになっており、午前中は日除けを付けておかないと温室になりそう。今日も5月にしては暑い日だったけど、会場は空調がきいていて、寒いくらいだった。会場の定員は160名だけど、余裕をもって座席を配置。平日だし、50名くらいくればと思って準備していたけど、最終的には、50名では足りず、椅子を追加していたので80名くらいは来ていただいた様子。

わたしの講演タイトルは動物にしたけど、実際はほとんどサイチョウの話をして終わってしまった。まあ、植樹するだけではなくって、動物もいる森のほうが楽しいでしょ?というメッセージが伝わったかな。ただ、日本の場合は、動物が増えすぎて困っているという問題もあるので、その辺は難しい。一番難しかったのは、どのような聴衆がメインになるのかさっぱり読めなかったところ。休憩時間後で眠くなる人が多いかと思い、音声ファイルを持ち込んだけど、会場が広すぎて音が小さかった。スピーカーも準備しておくべきだった。今の職場に来て4年目なので、そろそろこちらの研究成果も紹介したいところだけど、まずは論文化してしまわないとなあ。

とにかく無事に終了。来週はFSD2015の準備に取りかからねば。

シランの花粉塊でしたか [日常]

午前中は卒研生二人と金沢大学の角間キャンパスに出かけて、調査地の整備作業。100mほどを1時間ほどで作業する。暑すぎずすがすがしい天気。先週はサンショウクイやホトトギスの鳴き声が多かったけど、今日はカッコウの鳴き声が多い。切り株にキノコが生えていたので、ヤマナメクジはこんなキノコが好きなんだよなあと思って近づくと、すぐ近くで大型個体が休んでいた。これは立派、伸びると20cm級だな。角間では雨上がりのキノコでヤマナメクジを見かけることが多いけど、シェルターで休んでいるところを見つけたのは初めて。まあ、これだけ痕跡が残っていれば見つけやすい。

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予定よりも整備作業が早く終わったので、たくさん咲いているギンリョウソウの訪花昆虫を観察してもらう実習。今年の卒研生は送粉系を対象にしているわけではないけど、開花フェノロジーを調査しているので、訪花昆虫を見かけることはあるだろう。1時間くらい観察しても何もやってこないこともあるから、野外調査は忍耐力が必要だよと話すつもりが、開始5分でトラマルハナバチがやってきた。えー、なんとラッキーな。トレイル沿いのギンリョウソウを順番に訪花していく様子をじっくり観察することができたのは良かった。

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午後は定例の開花フェノロジー調査。その際にハルジオンに訪花していたハチが不自然だったので、よくみると背中に花粉塊がついていた。一度は飛んで行ってしまったけど、しばらく待っていたら戻ってきたので、粘って写真撮影。フェノロジー調査中に咲いていたのはサイハイランだったけど、後からSさんに教えてもらったところによるとシランの花粉塊らしい。近くに薬草園があるし、大学キャンパス内の花壇にシランが植えられていても不思議はないか。講義資料に使える写真が一枚増えたのでよかった。

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シランの花粉塊をつけたハキリバチの一種

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帰学後は大学業務でインターンシップの受け入れ先にメールを書いたり、電話で担当者の問い合わせなど。20人ほど希望者がいるので、いろいろと調整する必要があるのでちと面倒。途中、現実逃避して、学生実習の予備調査で捕獲された地上徘徊性の甲虫類を専門家に見ていただく。さすがに専門家のコメントを聞きながら、顕微鏡で観察すると同定ポイントがわかりやすい。ただ、学生が見てすぐわかるかといわれると難しいだろうな。オサムシはオオオサムシ、クロナガオサムシ、マヤサンオサムシなので、この辺は実習でも十分に使えるだろう。ついでに私の写真に含まれていたゴミムシを見ていただく。ゴミムシ図鑑を見比べて、これかなあと思っていた種で妥当そうなので安心する。なるほど樹液にもあつまるグループですか。

今週末は来週の公開講座の準備を終わらせてしまいたい。

久しぶりニホンザルが撮影された [日常]

午後から天候が悪化する予報だったので、朝一番で林業試験場の自動撮影カメラの交換にでかける。風が強くなる予報だったし、GW中にはかなり登山客が山道を歩いたと思われるので、電池が消耗してしまっているだろう。あと展葉が進んできたので、木漏れ日の状況がどうなっているのかも気になった。

貯水池がすっかり干上がってしまっていた。クロサンショウウオは無事に孵化したのだろうか?もう一つの貯水池では、モリアオガエルが4匹、竹の上で休んでいた。ただ、水の中にいたアズマヒキガエルは水深が低くて這い上がることができないのではないだろうか?同じ貯水池の中を泳いでいたシマヘビはモリアオガエルの竹から上ることができるかな。

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一番標高の高いところに設置中の自動撮影カメラにニホンザルが撮影されていた。1匹だけなので、離れオスだろうか。この時期には時々、撮影されるけど、林業試験場での撮影頻度は決して高いわけではなく、年に数回程度。今日は車で移動中に道路を横切るアナグマを見かけたけど、自動撮影カメラにも複数回撮影されていた。去年はあまり撮影されていなかったけど、別の場所にでも行っていたのだろうか?

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4月にたくさん咲いていたコチャルメルソウはすっかり種子散布シーズン。雨滴散布とされるけど、これだけたくさんあるし、一度、調べてみようかとも思う。ただ、就活シーズンと重なってしまって、卒業研究で取り組むには、ちと難しいんだよなあ。同じころに咲いていたカタクリもすっかり葉が枯れて、果実が大きくなってきた。種子散布までもう少しかな。講義用にアリが種子を運んでいる写真を撮影したいのだけど、今年はこまめにチェックしておこう。

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今年の田植え終了 [日常]

5時に起床して、朝市で朝食の買出し。普段は6時過ぎに出かけることが多いのだけど、この時間帯だとまだ売り切れていない食材が多い。バイ貝の煮付け、朝食用のたけのこご飯を購入。さらに元気そうなスイカの苗木を2つ購入。GW中に植えつけた苗がアブラムシでだめになりそうなので、植え替えように購入。近所のホームセンターで購入したものよりもずっと元気そう。

帰宅後は町内会イベントで自宅周辺のゴミ拾いをしてから、朝食。昨日までよりは肌寒く感じるけど、外の作業がつらいほどではないので、田植えも問題なさそう。朝食後、8時ごろから自宅の隣の田んぼで田植え開始。といっても私は苗箱を運んで、畦の草むしり程度なので、それほど仕事があるわけではない。区画整理後にかなり作付面積が減ったので、ほとんどイベントのようなもの。

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カラスビシャクが咲き出した

次の田んぼへ移動した際に実家の庭のキンモクセイの中に鳥の巣を確認。ムクドリかな?車庫のツバメの様子を確認するとヒナの口が見えたので、孵化した様子。昨年よりは少し遅いくらいだろうか。田植え中にもツバメが泥を集めに来ていたので、まだ巣作り中のペアもいる様子。同じ車庫内のもう1ペアはまだ孵化していないらしい。

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こちらはヒナがいるペア

その後、久しぶりにトノサマガエルを確認。写真撮影しておくのを忘れてしまったけど、立派なメス個体でした。自宅の横の水田にも来てくれないかな。

ツキノワグマの親子がウロウロしていた [日常]

早起きして、近所の朝市へ。今日はゲンゲや生ホタルイカが売られていた。夕食のおかずにサワラの刺身を購入。朝食後は予定通り白山自然保護センターの中宮展示館へ春植物を見に出かける。こちらに来てから、ブナオ山観察舎へ行きたいとは思っていたのだけど、ようやく実現することができた。まずはカタクリが見ごろとなっている中宮展示館へでかける。途中、道の駅でトイレ休憩。センナという名で葉ワサビが売られていた。これで100円なら買ってもいいなあと思ったけど、クーラーボックスがないのであきらめる。今度から遠出するときには車に一つクーラーボックスも積んでおこう。他の山菜もこれくらいの値段なら買ってもいいなあ。

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予定よりも少し遅れて9時過ぎに中宮展示館に到着。たまたまお会いした保護センターのスタッフにご挨拶。今日はこの後、ブナオ山観察舎に出かけるそうなので、後でまたお会いすることになりそう。まずは中宮展示館内の見学。以前、積雪でつぶれた後に再建した建物なので、内装も新しい。ハクサンの名前がついた植物の展示模型は良くできていたけど、つい値段を考えてしまう。その後は裏山の散策。まだ、積雪が残っている場所もあるし、普段、調査に出かけている林業試験場よりも3週間程度、開花フェノロジーが遅い感じ。トレイル沿いでは、カタクリ、キクザキイチゲ、キンキエンゴサク、ミヤマキケマン、イワウチワなどが咲いていた。川沿いではワサビやネコノメソウが開花していたけど、コチャルメルソウが見当たらない。何が違うのかな?

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中宮展示館から少し戻って、ブナオ山観察舎へ。最寄の駐車スペースは山登り客で全て埋まっていたので、少し離れた林道に駐車して歩く。私たちのほかにも1家族が来ていたけど、それほどお客は多くないらしい。ただ、TVで紹介された影響なのか、昨年から今年にかけての訪問者数は例年よりも多いらしい。10台ほどの望遠鏡と双眼鏡で観察するようなスペースがあった。確かにここからだと斜面を利用する動物が良く見えそう。ただ、あと、双眼鏡を使ってもいまいち距離感がつかめない。

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わたしはほとんど斜面を眺めて過ごす。早春の山はいいですなあ。今日は適度な気温で、風も気持ちよい。ハンモックでもつって寝転びたいところ。クマはともかく、近くに鳥でも来ないかと思っていたけど、なかなかやってこない。お昼ごはんを食べる時間も考えて、そろそろ帰ろうかと思っていたところで斜面にツキノワグマの親子がやってきた。思っていたよりも小さくしか見えない。ただ、一度見えると肉眼でも識別できるようになる。親子で草本を食べている様子。すぐにあきらめずに粘って観察してみてよかった。来年はもっと寒い時期に研究室の学生たちを連れて来て見たい。

GWに入ってメールが来ないと思ったら、どうも大学アドレスに届いたメールがうまく転送されていないのか、転送先で削除されているらしい。そういえば、先週くらいから、MLメールや知人からのメールが急に迷惑メール扱いされたり、なにやら挙動不審な様子だったか。とりあえず転送先のメールアドレスと別のものに変更して様子を見ることにする。まあ、GWはメール読まないという手もあるのだけど。

ヒメアオキも食べられる [日常]

早朝に畑の草むしりを済ませて、オクラの種子をまく。今年は十分に地温が高いから、きちんと発芽するだろう。朝食後は先週から調査を始めたヒメアオキの果実持ち去り状況の確認にでかける。今日は最初からマスクなしで調査してみたけど、問題なさそう。もう花粉症は気にしなくてよい時期らしい。マーキングした個体の残存果実数の確認と自動撮影カメラの稼働状況のチェック。やはり林床低木を対象とした自動撮影は効率が悪い。ほとんど風や日差しが差し込んだ写真ばかりのものもある。

場所によっては、ほとんどの果実がすでに持ち去られている様子。先週、あわてて卒論用の準備をしたけど、タイミング的にはぎりぎりだったらしい。それにしてもこんなに急に食べられるようになるのか。春先はほかにあまり目立つ果実もないし、そのタイミングで結実することに意味があるのかもしれない。その辺はもう少し持ち去りデータを収集して、だれが食べているのかをしっかり確定させてから、考えてもらいましょう。アオキを食べる鳥はいろいろいるけど、山の中で実際に食べている情報を確認した研究はあまり多くはないだろう。

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ヒメアオキの果実

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果実を食べた犯人

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ヒメアオキの果実と種子

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あまり果実サイズに変異はない

明日は白山自然保護センター関係の施設が始まる時期になったので、春植物の見学と運が良ければツキノワグマを狙いたい。明後日以降はたまっている宿題を少しでも進めたい。学内プロジェクトの申請書が最優先か。