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ウガンダ調査17日目 [研究]

今回のドバイの乗り継ぎではミールクーポンがもらえたので、適当なお店を探して4人でウロウロする。それほど空腹ではなかったので、フルーツサラダとコーヒーをいただく。この4人で話す機会はしばらくないので、今回の調査で帰国後にすぐに対応する必要があることを確認しておく。まずはEMSがきちんと届くかが問題。しばらく雑談して、滞在中のお金を清算して、成田組と関空組にわかれる。

ドバイで乗り換えるときに満月を見る。時差ボケのことを考えるとあまり眠りすぎるのは良くないのだけど、まだ真夜中なのでとりあえず眠る。帰国後にやる仕事はいろいろあるのだけど、今日は着陸後にまだ長時間の移動が待っているので、機内ではのんびりとして過ごす。しかし、このフライトだと自宅周辺の真上を通過するんだなあ。

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ドバイの月

ドバイで少し出発が遅れたけど、着陸はそれほど遅れなかった。入国手続きも比較的スムーズに進んだけど、荷物の受け取りにかなり時間がかかる。ドバイで積まれたときに奥の方に入れられたのだろうか。スーツケースの回収ミスを注意するアナウンスが流れていたけど、わたしのスーツケースは比較的珍しい色合いなので安心。同行者のスーツケースはありがちな白だけど、たまたまほぼ新品の白いスーツケースと並んで出てきたら、汚れっぷりが見事だった。

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ぐるぐる巻きの調査用具

大量の荷物を抱えて税関を通過し、調査道具を空港から宅急便で送付。その後、ATMで現金を確保して、解散。わたしは上野まで移動して、そこから新幹線に乗る。上野での乗り換え時間に夕食。その後、新幹線の車内は雑誌でも読みながらと思っていたけど、うつらうつらしている間に終点に到着。新幹線が開通したおかげで、最終電車が遅くなったのはこういう時には便利か。ほかのメンバーも無事に帰宅した様子。

明日から通常業務に復帰。まずは出張書類を片付けないと。久しぶりに自分の本来の研究に近い調査で楽しい出張でした。

ウガンダ調査16日目 [研究]

5時に起床して、NHKワールドを見ながら、ネットに接続してみる。遅いながらもメールの受信はできたので、急ぎで返信する必要があるものにだけ、返信しておく。その後はシャワーを浴びて、ストレッチをして、7時の朝食。昨夜、蚊はいなかった様子。朝食後にマラロンをのんで、チェックアウト用に荷造りをして、オリビアさんを待つ。

相変わらず道路が混んでいたらしく、予定の8時よりも20分ほど遅れて到着。オリビアさんに預ける荷物とEMSで郵送する荷物について説明し、大雑把な代金を教えてもらう。どうも手持ちのお金では足りそうにないので、まずは両替に行って日本円をすべて両替してから、EMSの送付に向かう。EMSの料金は事前に調べたくらいの金額だったが、送付手続きには、相当な時間がとられた。これは現地の人がいないと対応するのは難しかっただろう。日本に送付する荷物に怪しいものが含まれていないかを大型犬ににおいをかがせて探知する儀式にも立ち会う。そんなこともするんだなあ。2箱分の荷物を900,000シルほどで送付。その後はホテルに戻り、マケレレ大学に依頼する標本同定の代金を仮払いして、オリビアさんとお別れ。どーも微妙に彼女とは会話に食い違いがあるようだったけど、私たちを大学院生だと勘違いしていた様子。いくらなんでもそんなに若く見えたかな?

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EMS送付の交渉中

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EMSの宣伝

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結構、重い

かなり余裕を持ってスケジュールを組んだつもりが、最終的にはほぼ時間ギリギリの11時にホテルから出発。わたしは手持ちの現金がほとんどなくなってしまった。4人分のスーツケースと調査用具を積み込んだバンに乗って、エンテベ国際空港に向けて出発したまでは良かったけど、カンパラ市内で大渋滞につかまる。市内を抜け出るのに1時間以上かかった。おまけにエアコンが付いていないバンだったので、暑くてなかなか大変だった。2時間近くかかって、エンテベ空港の手前にある動物園のそばのレストランで昼食をとる。空港でのチェックインの時間まで1時間以上あったので、余裕だと思っていたら、私たち以外客がいないのに注文してから料理が出てくるまでに50分近くかかる。ただ、ロティやバーガーはどれもおいしくいただきました。飲み物を含めて一人30,000シルほどの支払い。

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昼食はバーガー

レストランから空港までは数キロ程度だけど、チェックインがはじまる時間帯にようやく空港に到着。空港前のセキュリティーチェックで微妙に時間をとられる。運転手にタクシー料金を支払って、空港内へ移動。さすがに大量の調査用具は、空港検査官の目に留まって、いろいろと説明を求められる。チンパンジーの発音アクセントの置き方が間違っていたので、検査官になかなか通じなかった様子。開封された調査用具は大型ラップでぐるぐる巻きにされて、30,000シルを支払う。微妙にお金が残っていて助かった。チェックインカウンターで成田へ向かう3人分をまとめてチェックインしたら、今回は超過料金を支払わなくてもよかった。出国時はシリカゲルとか大量に持ち込んだからなあ。そのまま出国審査場へ向かったけど、出国書類の記入を忘れていた。入国書類とほぼ同じものを記入して提出。ウガンダには15日間滞在した。ほぼ搭乗ゲートがオープンする時間帯に到着。まったく余裕がないスケジュールでしたが、無事に飛行機に乗ることができた。

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ウガンダ調査15日目 [研究]

昨日の午後に荷物の積み込み練習をしたので、今朝はのんびりと起床。スーツケースは既に荷物を詰め込んであるけど、昨日の夜も乾ききっていなかった標本は乾燥し続けたので、朝のうちに標本を片付ける。今回は灯油ランプで乾燥させたけどきちんとダンボールで挟み込めばほとんどの標本は3日間ほどで乾燥させることができた。もちろん、不必要な葉は切り落とすなど、乾燥しやすいような工夫は必要。こんな風に標本を作成して、種名の同定に頭を悩ませたのは久しぶり。ただ、アフリカのサイチョウや霊長類が利用する果実として論文で名前しか知らなかった植物の実物をいろいろと見ることができたのはよかった。でも本当はColaとか、Balanitesとか見てみたかった。

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最後の朝食も大きなアボカド

朝食後に荷造りの最終確認を行い、車に荷物を詰め込む。当初は車の上にも荷物を載せるつもりだったけど、すべて車内に詰め込むことができた。これなら多少揺れても安心。昨日の雨で幹線道路までの道がぬかるんでいたけど、問題なく幹線道路まで移動することができた。カンパラからの迎えの車もほぼ時間通りに到着。荷物を詰め替えて、カリンズとお別れ。昼食まではほぼノンストップでの移動。ただ、途中で角の大きなウシの写真撮影。ウガンダで有名な牛らしい。ゴミがなければもう少し雰囲気があったけどなあ。

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調査基地の車

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立派な角

11時半ごろに昼食のために短時間の休憩をとる。金欠気味の私たちのためにお弁当のサンドイッチを持たせていただき助かった。さすがに昼からビールというわけにもいかず、クレストソーダを注文して、サンドイッチをいただく。結構なボリュームでした。休憩後もひたすらカンパラを目指して移動。といっても私たちは座っているだけだけど。途中、かなり激しい雨が降った地点もあったけど、カンパラ市内に近づいてくると晴れていた。ただ、市内への道は渋滞中。

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サンドイッチ

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移動中の車からの風景

結局、3時過ぎにカンパラに到着。ホテル近くの両替にでかけて、日本円をすべて両替してから、街中のスーパーでお土産を購入。ここに売られている植物の本は日本でチェックした時の評価がいまいちだったけど、ないよりましなので購入しておく。店頭には1冊しか並んでいなかったけど、お店の人に聞いてみると棚の奥から追加で2冊出してくれた。こんな本が一度に3冊も売れることはめったにないだろう。

ホテルに戻り、夕食はホテルに併設した中華料理店でいただく。今回の滞在期間中に誕生日を迎えたメンバーのお祝い。今夜は少しご馳走をいただきました。

ウガンダ調査14日目 [研究]

今朝は5時40分に起床。最近は朝、あまり動物の鳴き声が聞こえないせいかぐっすりと眠ることができている。6時に朝食を済ませて、予定通り、わたしは標本整理のために宿舎に残り、他のメンバーはMusanga林での毎木調査。私たちが森に出かける最終日ということもあり、現地スタッフのみなさまと集合写真を撮影。その後は宿舎でひたすら完走した標本のパッキングとナンバーの確認作業。こんなに採集するつもりではなかったので、荷札とか全く準備せずに来たのが失敗だった。しかたがないのでビニールテープでナンバリングしたけど、新聞紙についたりするので、あんまり好きではない。それにしても最初の頃はきちんと同定できていなかったので、同じものをいくつもサンプリングしている。うーん、道端で採集されたクスノキ科は間違いなくアボカドだろうなあ。

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採集番号順に並び替え

毎木調査組が戻ってきたので昼食をとり、その後も標本の確認作業を続ける。データ入力を行いながら夕方にはようやく荷造りできる状態にまで持ち込めた。その間、他のメンバーはカリンズから持ち帰る荷物を整理して、車に積み込む練習。当初は明日の朝に幹線道路まで2往復する必要があるかと思ったけど、1回でなんとかなりそう。となると7時15分頃に調査基地を出発すれば十分に間に合う計算なので、明日の朝はのんびりできそう。カリンズに来る前はどの程度、データを集めることができるのか不安だったけど、ほぼ予定通りの調査を行うことができた。

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調査後のお湯浴び

夕食後は滞在中のお金の精算やカンパラに移動してからのスケジュールの確認などをして就寝。カリンズ滞在中は毎日よく働きました。毎日森に出かけたので、多少、体重は減った感じがする。

ウガンダ調査13日目 [研究]

早朝に星空の写真を撮らねばと思っているのだけど、最初の頃は満天の星空だったのに最近は曇りがち。見た時にすぐ撮らないとダメだなあ。朝食後、チンパンジーの鳴き声を頼りに群れを探す。昨日は追跡調査を行っていないので、すぐに見つかるかどうかは運次第といった感じ。ただ、今は発情した雌が群れ内にいるそうで、それをめぐってかなり雄が騒ぎ立てるので、比較的発見しやすい時期らしい。カリンズに来てからほぼ毎日調査で少なくとも午前中は森に入っているけど、何度か遠くから鳴き声が聞こえたくらいで、姿は見ていない。ブルーモンキーやシロクロコロブスは何度も遭遇したので、それらと比べると遭遇頻度は低いかな。

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現地スタッフの点呼風景

歩き始めて20分でチンパンジーの鳴き声を確認。これはラッキー。声の方向に向かって歩き、7分後には群れと遭遇。これならじっくり観察できそうだ。グループの構成メンバーの名前を教えてもらいながら、群れと一緒に移動しながら観察。しばらくして新葉を展開中の巨大なイチジクのところで移動が止まり、落ち着いた様子。このイチジクの新葉を食べているらしい。食べながら大量によだれ?を垂らしていて、美味そうには見えない。ただ、飲み込んでいるのではなく、口の中でぐちゃぐちゃ噛んで、葉は捨てている様子。

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チンパンジーの食べ残しのイチジクの新葉

イチジクの林冠で雄が集まっていると思ったら、一頭が巨大な果実を抱え込んでいた。野生のジャックフルーツと呼んでいたけど、クワ科のTreculia africanaだった。これは大きい。今までの調査では、あまりアフリカらしい果実を見ていなかったのだけど、これには大興奮。ヒトの頭と同じくらいの大きさの果実を片手で抱えて持ち運んでいた。すごい腕力。これで曇り空でなければなあと思いながらバシバシ写真撮影しているとバッテリー切れ。一昨日かなり撮影して、その後も練習撮影したあと、充電していなかった。この日のために購入したようなカメラだったのに…。その分、自分の眼にしっかり焼き付けておこう。

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食べ残したTreculia africanaの果実

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たまたま見かけた鳥の巣

同じイチジクでしばらく過ごしたあと移動モードにはいる。ゆっくりと移動する群れを追跡しながら、こちらも移動する。11時頃に昼食をとり、11時15分から再び追跡を開始。今度は幹生果のイチジクFicus surを食べている。まだほとんど熟していないように見えるのだけど、緑色の果実の中からなにやら選んで食べている様子。

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チンパンジーの糞

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Musangaの種子がいっぱい

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メモをとる現地スタッフ

昼過ぎまでチンパンジーはオスメス、大人から子どもまで一通り観察することができたので、その後は調査基地の近くでブルーモンキーとレッドテイルモンキーの観察を行う。チンパンジーを見たあとなので随分と小さく見える。その後、しばらくして雨が降ってきたので、調査基地に戻る。チンパンジーが落としたTreculia africanaの果実の写真撮影などをしているうちに夕方になる。

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果実サンプル

夕食後、今日の写真を整理して終了。明日はカリンズの森に出かける最終日。ただ、わたしは調査基地に残り、これまでに採集した標本を整理することにして、残りのメンバーは先日の毎木調査の続きを行う予定。

ウガンダ調査12日目 [研究]

今朝も白い卵焼き。調査手法の教科書用に今回のサンプリング調査に使っている道具を一通り並べて撮影。今回の調査でわたしも成長錘をかなり上手に使えるようになった。軸を固定して力を加えるのがポイントですな。まあ、自分の研究で使うことは多分ないだろうけど…。

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今日は巻いてあった

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サンプリング道具

今日の毎木調査では、伐採後にMusangaが優占した場所と伐採を受けていないParinari excelsaが残存する場所を比較する形で調査区を設定した。この1週間でカリンズの主要な樹木は見れば仮同定できるくらいのレベルにはなったけど、学名がすぐにでてこない。標本を採集した木は覚えているけど、キョウチクトウ科やアカネ科が多いので、ごちゃごちゃになっている。この森は鋸歯がある葉が結構多く、全縁互生の熱帯らしい感じの葉が少ない気がする。2チームにわかれて調査沿いの適当な場所に調査区を設定して、毎木調査を続ける。昼食前までにParinariについては、十分な調査区を確保したけど、Musangaは適当な場所が足りない。

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林床で咲いていたラン

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地上に咲く寄生植物の花

このまま進んでもあまり適当な場所はなさそうなので、とりあえず昼食を食べる。調査基地の方へ戻ってきたところで、雨が激しく降り出した。今日はあまり無理をする必要はないので、ここで野外調査は終了。今回の滞在中、雨は午後1時から2時過ぎくらいに降り始めることが多い。早朝から調査していれば、森でサンプリングする時間は稼ぐことができている。雨期でこの程度の雨なら、調査しやすいなあ。ヤマビルもいないし。まあ、サルの調査だと雨も関係なく追跡すると大変だけど。

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雨宿り

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Carapaの果実と種子

午後は採集サンプルを処理して、標本整理などして過ごす。明日はこちらでチンパンジーを調査中の大学院生と一緒にチンパンジーの追跡調査。

ウガンダ調査11日目 [研究]

今日はカリンズの森での調査はお休みにして、カリンズの北にあるQueen Elizabeth国立公園に向かってドライブして、幹線道路沿いの森の様子を見ることにする。時間とお金に余裕があれば、国立公園内も見学したいところだけど、今回は両方共に余裕が無いので、エドワード湖とジョージ湖をつなぐ水路あたりで引き返す予定で出発。調査グループの車で幹線道路まで移動して、そこで今日の運転手がやってくるのを待つ。長距離移動は地元のドライバーを雇って対応しているらしい。ガソリンは基本、ギリギリにしか入れていないので、移動前にまずガソリンスタンドで今日の移動分を給油。下手に満タンにしておくと抜かれることもあるそうな。ディーゼルで3,100シル/リットル。

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朝食はいつもの白い卵焼き

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調査基地内で営巣中のハタオリドリの仲間

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舗装道路を北上する

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バナナ畑

1時間もかからずにCrator Camp Siteという展望台に到着し、休憩。草原の合間に灌木がポツポツと生えている環境が眼下に広がっている。写真では見えないけど、双眼鏡でようやく見えるサイズのアフリカゾウが2頭いた。小さく見えるけど、決して小さいアフリカゾウではない。展望台周辺で20分ほど休憩して、さらに北上して湖を目指す。おやつの焼きバナナは観光地価格で3本1,000シル。調査地の周辺なら3本500シルくらいらしい。

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展望台

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大地溝帯

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焼きバナナ

そこから折り返し地点の湖までは、道路際でも大型哺乳類に出会う可能性が高く、動物を見つけるたびにストップして、観察していく。上から見て色が変わっていたところは、草本層が完全に枯れていたところだったのか。緑色のところはチガヤのような植物が生えていた。時々、アリ塚があったり、トゲトゲのアカシアやトウダイグサが生えているのがアフリカっぽい。大型有蹄類も少しだけ観察することができた。10時頃に予定の折り返し地点に到着。晩のおかずとして魚の干物を購入。市場で肺魚を探したけど、ナマズやティラピアしか売られていなかった。肺魚見たかったなあ。

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橋の周辺の道路際のパピルス

帰り道は調査地を通りすぎて、Ithacaまで足を伸ばして、昼食にマトケを食べる。注文してからの待ち時間が長く、50分経過してようやく料理が届いた。その間はネット接続を試みたけど、どうも調子が悪く、結局、おしゃべりして過ごした。6人で豚肉3キロ(骨を含む)を注文して食べたらしい。

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今日のランチ

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ビールが安い

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バナナ

その後は夕食用のバナナビールとバナナ焼酎を購入し、調査地への分岐点まで戻る。森林局内にある環境教育センターを視察し、道路の反対側の村の見学。細い道が延々と続いていたが、この道沿いに転々と家が立ち並んでいた。バナナ畑を基本として、バナナの下にはコーヒー、インゲン、キャッサバ、タロなどが植えられていた。この村では、バナナ畑以外には、茶畑が多かった。バナナの花にタイヨウチョウのペアが訪花していたのに写真を撮り逃がしてしまった。雄は金属光沢があり美しい。

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バナナ満載の自転車

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バナナ畑と茶畑

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写真を撮る人々

夕方前に調査基地に戻る。明日は森で毎木調査。

ウガンダ調査10日目 [研究]

今日は再び5人でEastロードへ採集にでかける。二日目にも訪れているけど、今回は採り逃した種やこれまでに見逃していた種を探して歩く。連日、歩き回っているので、見かける樹種の大部分は採集済みの個体ばかりで、レアな種はなかなか見つからない。まあ、そりゃそうだ。途中、調査路を横断中のサスライアリに遭遇。昨日、宿舎の近くで見た種よりは小型で、土壁を作るタイプ。昨日よりも行列がぎっしりしている感じがある。写真撮影してもうまくいかないので、ビデオ撮影してみたらいい感じに撮れていた。

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道路脇はImpatiensが多い

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オオホザキアヤメの一種

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Macarangaの果実

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Brideliaの果実

Eastロードにそって歩き、森が茶畑に変わるところで折り返して宿舎に戻る。カリンズのこちら側は茶畑で、その先にはユーカリの植林地が広がっていた。カンパラから移動してきたときに見えていた茶畑だな。

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茶畑

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ユーカリ植林地

昼食後はいつものとおり、サンプル処理。今日は見つけた果実をすべて採集してきたので、今日の森の果実の集合写真を撮影。初日に拾ったイチジクとか残しておくべきだったな。

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今日の果実

夕方、食堂でパソコン仕事をしているとすぐ近くからチンパンジーの騒ぎ声が聞こえてくる。かなり近いようなので、見に行くと宿舎のすぐ近くを群れが通過していた。それにしても騒がしい。動物園で鳴き声は何度も聞いていたけど、森の中で聞くと一段と騒がしく感じる。

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今夜もヤギの串焼き

ウガンダ調査9日目 [研究]

今朝も5時40分に起床。いつも通り6時に朝食を済ませて、標本乾燥用のランプを4台に増やして、標本を連続乾燥できる体制を整える。不調な灯油ランプの芯を切り取って新しくしてみると、うまく連続点灯するようになってきた。灯油ランプって使ったことはなかったけど、ススがついたホヤを磨くときれいになるのは単純に楽しい。

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ランプで乾燥中

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今日は大部隊での調査

今日は草本の標本採集があるので、シャベルをもってでかける。ここ数日、森の中を歩いていたけど、ショウガの花は一度も見ていない。昨日、オオホザキアヤメの仲間のつぼみは見かけたけど、多くはない。ツユクサの仲間はそこそこ見かけたけど、ここのチンパンジーはあまり食べていない様子。現地のトラッカーに現地名を聞きながら、ショウガやクズウコンの仲間を中心にサンプリング。昨日までに採集できていない樹種も見つけた際にはサンプリングしたので、そこそこの採集量になった。

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透明感のあるシロアリ

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Costaceaeの花

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プロの技

宿舎に戻ってきた際に道端で何やら怪しげな種子を見つけた。バナナの種子らしいけど、タイで見たことがある種子よりもずいぶんと大きい。Musaとは異なる属のバナナらしい。ただ、この花はインドネシアのボゴール植物園で見たことがある。昼食後は再びサンプル処理。ただし、草本は写真を撮影して、標本を作製するだけなので、比較的早く終了。問題はカンパラに戻る時までに標本をどの程度しっかり乾燥させられるかだな。

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巨大なバナナの花

いつもよりも早めの水浴びをしてゆったりしているとサスライアリ属Dorylusが宿舎の前に出現。おー、真っ黒な道になっている。とても大きい個体がいる。少し離れた位置からじっくり観察。宿舎の中に入ってくるようなら灯油をかけろと言われていたけど、とりあえず安全な方向に移動中。大型個体にかみつかれると結構痛い。アリ好きの方々は延々とアリの行列を撮影していた。今夜はボリューミーなコロッケ。

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サスライアリの黒い道

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いろいろなサイズが混じる

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今夜はコロッケ

ウガンダ調査8日目 [研究]

今朝は5時40分に起床。6時に朝食を済ませて、今日は全員でWestロードでの採集。二日前にも採集しているけど、今回はさらに奥まで歩いてみることにする。この二日間でかなり標本を採集したので、ある程度、同定できる種も増えてきた。今日はこれまでに見たことのない種や見逃していた種を中心に採集を進める。今日のサンプリングで、フェノロジー調査リストで疑問があった点が一つ解決した。同定後に種名が入れ替わってしまっていたのだろう。それで納得。午前中はひたすらWestロードを歩いて採集を進め、お昼過ぎにノウゼンカズラ科の古い果実を採集して終了。

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セキレイの仲間

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調査基地のネコ

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ナスの仲間

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Alcorneaの花

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昼食後はいつものようにサンプル処理を行い、夕方には終了。3日目になるとサンプル処理も手馴れてきた。乾燥しきっていない標本が増えてきたので、布団乾燥機を夏用にして稼働してみたけど、どうも電力不足のようすで連続運転は難しそう。さすがに太陽光パネルが電力源なので、連続稼働は無理か。夕方に時間ができたので、観光客用の高台スペースの屋根の下に行ってみると20頭ほどのコウモリがねぐらに利用しており、大量のペリットがあった。FicusやMusangaの小さい種子だけではなく、StrombosiaやParinariと思われる大きな種子も落ちていた。シードトラップを設置して、継続観察すれば、ある程度の食性を記録することはできそう。

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夕食後に残りの日程での調査スケジュールの確認。明日は今日と同じトレイルを歩いて、林床植生のショウガやクズウコンなど霊長類が食べるといわれている林床草本を中心に採集することにする。明後日は別のトレイルで採集を進めて、調査が順調に進めば、1日は調査地周辺の見学にも出かけることにする。