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卒論用のデータ収集終了 [日常]

午前中は定例調査で、林業試験場にでかける。本当は卒研生と一緒に行くのだけど、来週のゼミの準備が終わっていないようなので、今日は一人で回収作業。卒論に使うデータは今月末までの情報を使えば十分だろう。一部のカメラは回収して、残りは新しいものに置き換えておく。この2週間、新しい撮影記録はほとんどないし、果実も減少していないので、調査データとしても問題なさそう。

一通り、回収作業をして、野帳をもう一度見直して回収漏れがないことを確認。三脚やペグは明日にでも掃除しておこう。時間があるので、去年、クマ糞がたくさん落ちていたイチョウを訪問してみた。すでに落葉しているので、林床が埋まっていることもあるけど、まったく見つからなかった。今年は結実がいまいちだった様子なので、あまり訪問しなかったらしい。今年はイチョウのデータはとらなかったので、去年までのデータでさっさとまとめてしまわないと。

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一旦研究室に戻り、月曜日に発表する学生のゼミ資料にコメントしてから、角間に移動。雲が少し多くなってきたけど、雨が降ることはなさそう。急な階段を登ると息が切れるけど、下りの方が膝にくる。ここしばらく右ひざの調子が思わしくないので、あまり無理な動きをしないように気を付けておかねば。普段よりも遅い時間に歩いているせいかもしれないけど、今日はあまり鳥の鳴き声が聞こえなかった。こちらも林業試験場と同様であまり撮影記録には変化なし。ただ、一度、データを回収しておくため、自動撮影カメラのSDカードだけ入れ替えておく。プレビュー画面で確認しているけど、パソコン画面でも確認はしておきたい。

研究室に戻ってから、久しぶりに写真データの入力作業に取り組む。データ入力用PCを立ち上げて、フォトで画像を開いて、マウスホイールを回して、次の写真に移動しようと思うとなぜかズームになってしまった。はて?と思っていろいろ触ってみたけど、どうにもならない。ネット検索してみると、前回のOS更新にともなって、どうもフォトの仕様が変更された様子。おいおい、せっかく使い慣れたのに…。とりあえずは、まだ更新していない自宅PCでデータ入力するか。

共著者に入っている論文が二つ旅立って行った。その一方で今月引き受けた査読仕事がまだ終わっていないので、明日の午前中に片づけてしまいたい。

12月の予定が埋まった [日常]

木曜日は野外調査に出かけるので、今日の晴れはありがたい。冷え込んでいるけど、午前中は林業試験場での卒研調査に3年生を同行させ、落葉した林内を歩く。林床草本が枯れてきたので、ホウチャクソウ、ヒヨドリジョウゴ、アマチャヅルなどの果実がちらほら見える。お、フユイチゴが熟してきた。学生たちに食べてもらったけど、まだすっぱかった様子。もうちょっとたくさんあるのなら、ジャムにするのだけど。

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ヒヨドリやヤマガラなどの鳴き声も聞こえるので、できる限り教えていく。きちんと双眼鏡で見ないと覚えられないだろうなあ。調査中のマムシグサはあまり減っていないようす。一部の果実はオレンジ色のまま変化しないらしい。自動撮影カメラのチェックなど2時間ほど林業試験場内をウロウロして調査終了。卒研用データは今月末まで収集すれば十分だろう。

研究室に戻って昼食後、午後は角間にでかける。今年生まれのちびっ子たちの里親が見つかったので、先にそちらの研究室にでかける。角間はキノコが少し増えてきたか。先週とほぼ同じ時間帯で移動しているけど、今日は学生たちも一緒にウロウロしているせいか、あまり鳥を見かけない。まあ、4人いるといろいろ目立つか。こちらも自動撮影カメラをチェックして、一部はデータを回収。それにしても日陰は風が冷たい。風邪を引かないように気を付けねば。

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研究室に戻ると結構、重たい学位論文の審査依頼が2件。1年以上前に依頼があってその後、音沙汰がなかった南アフリカのサイチョウ関係の学位論文。ようやく11月末に提出できそうなので審査して欲しいとのこと。1月からは卒論で忙しくなるけど、12月中旬の集中講義を終えれば、正月明けまでは時間を作れそうなので引き受ける。1つは種子散布関係で問題なしだけど、1つはジサイチョウの話なので、結構、勉強する必要がありそう。まあ、そんな仕事が回ってくる年齢になったということなので、しっかり働きます。

カキの実を食べるムクドリ [日常]

寒いけど、雲一つない晴天。午前中は卒研生と一緒に林業試験場へ。場内が工事中だったので、入り口に車を止めて、のんびりと歩いていく。月曜日に訪問した際にいくつかマムシグサが食べつくされていたけど、きちんと記録できているようで何より。さすがに南に移動する冬鳥たちはそろそろいなくなったのだろう。今日はヒヨドリの鳴き声が良く響いていた。

今まであまり食べられていなかった道端のマムシグサも少し食べられていた。あんまり気にしていなかったけど、マムシグサの果実って、熟すと真っ赤になるパターンとオレンジ色に近いパターンがあるのだろうか。さすがにこれから色が変わるとも思えないし。まあ、今月末までデータを収集しておけば、卒論には十分なデータになりそう。今年は早めに果実がなくなってくれてよかった。帰るころにはポカポカした陽気で、カモシカ親子がのんびりと草を食べていた。

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研究室に戻って昼食を食べてから、今度は一人で角間へ移動。こちらも自動撮影カメラの確認。先週とあまり変化はないけど、林業試験場と同じ動物が訪問している様子。この辺の鳥たちはもっと前から確認されていたけど、今頃になってからようやく果実を食べているのだろうか?間伐跡地のヨウシュヤマゴボウなどはすっかり枯れていたけど、ゴンズイ、ガマズミ、カラスザンショウ、ムサラキシキブなどの果実はまだまだ残っていた。

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研究室に戻って、カメラを持って再び大学近くのカキの木で果実を食べる動物を撮影。しばらくいい天気の日はなさそうなので、いろいろ撮りたかったけど、ヒヨドリやハシボソガラスはやってこず、ムクドリのみ。まあ、講義用には十分な写真がとれたかな。

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コタキナバル三日目 [研究]

今朝もキナバル山は見ることができず残念。開会イベントはないので、招待講演でも座れないことはないだろうと思っていたけど、それなりの人が参加していた。会場外の展示には、中高生の団体も来ていた。招待講演の最初のGregory Asnerさんは、さまざまな測量機器を積んだ飛行機でサバ中を飛び回っている研究。どうやって小型機を運んできたのかと思ったけど、ハワイとかグアムとか経由してきたらしい。まだ予備的なデータしか得られていないけど、レーザー測量の結果、樹高90mを超える木が50本はあるらしい。すげーな。ダナムバレーに多いらしいけど、今まで見つかっていなかったのか、大きいと思われていたけど、測定したことがなかったのかどちらだろうか?

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コーヒーブレイクの時間にオランウータンを研究しているNGOグループの代表と打ち合わせ。採食生態で学位論文をまとめるつもりの方にわたしの別刷りを渡したら読んだことがあるとのこと。ほう、サイチョウ類まで目を通していましたか。その後、展示ブースも見て回ったけど、植物はともかく哺乳類や鳥類の学名ラベルは結構間違えていた。いったいどうしてそうなっているわけ?ラフレシアの花を切断した液浸標本はなかなかよかった。

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昼食は街で簡単に済ませて、その後は野生生物局で打ち合わせ。今回の最大のミッションでしたが、無事に終了。これで今回の会議中にお会いすべき人たちには、一通り挨拶することができた。短期間で、まったく森に行かなかった海外出張だけど、次につなげることはできそうでよかった。夕飯は何故か森林局のお偉いさんのディナーに参加。世界は狭いということを知る。空港まで送り届けてもらって、予定の飛行機で帰国。さすがに0時50分発はちょっと眠い。

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コタキナバル二日目 [研究]

日の出前に目が覚めたので、NHKをつけて情報収集。残念ながらキナバル山は見えず。少し雲があると見えないらしい。昨夜はネット接続がいまいちだったけど、今朝はスムーズにつながった。夜はネット接続する人が多くて、つながりにくいのだろうな。バイキング形式の朝食後、会場に移動。今日は観光客にパンをもらったササゴイが魚とりにチャレンジしていた。うまくいくかどうかしばらく観察していたけど、集まってくる魚が大きすぎて、パンをとられてばかりで、結局、捕まえることはできなかった様子。ただ、とても慣れている感じだったので、普段からよく餌を使った魚採りをしているのだろう。

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会場に少し遅れて到着したら、座る場所がなかった。まさか満席になるとは思っていなかった。ただ、主賓の到着も遅れているらしく、時間がおしていた。開演自体はマレーシアらしいというか、東南アジアらしいというか、派手な演出でスタート。その後はいくつか招待講演を聞く。ダナムバレーでの植物生態学の研究ってこんな感じで継続されているのか。しかし、このデータを見て楽しんでいるのは、私を含め会場内のごく一部の植物生態学者だけだろうなあ。いや、質実剛健といった感じの研究でよいのだけど、プレゼン資料は正直わかりにくいものが多かった。

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その後は先に現地入りしていた方と合流して昼食へ。街中でラクサをいただきながら、いろいろとこちらの情報を仕入れる。夕方にサバ大学のカウンターパートに挨拶に行くことになったので、それまでの時間はセッション別の講演のうち、比較的興味が近い分野のところで話を聞く。

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夕方、サバ大学を訪問して、ご挨拶。2011年にボルネオジャングルスクールで訪問した場所なので、ところどころ記憶が残っている。研究室の実験機器などを見せていただき、できることできないことを話し合う。日本に留学していたそうで、日本語ペラペラなだけではなく、日本からの留学生もいる様子。そもそもサバ大学には日本人の教員も何名かいるらしい。

夕飯は街でバクテーをいただく。なんだかあっさり風味だなあ。でもおいしい。明日は朝一番の招待講演を聞いて、その後は打ち合わせが2件。

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コタキナバル初日 [研究]

5時半に起床して、荷物を詰めなおして、空港に移動する準備。朝がかなり冷え込んでいるので、ギリギリにホテルをチェックアウトして、高速バス乗り場へ移動。結構、たくさんバスに乗る人がいるらしい。この辺の道路を車で走ることはあまりないので、周囲の風景を楽しんでいるうちに1時間ほどで成田空港に到着。ほぼ、予定通り。待ち合わせ場所のマレーシア航空前で残り二人と合流。チェックインを済ませてからは、お土産を購入して世間話などしている間にあっという間に搭乗時間。結構、ゲートが遠いなあ。

機内では査読の続きとその後は機内映画でのんびりと過ごす。あまり新しいものはなかったけど、植物学者が主役となっていると聞いていた火星の映画を見る。なるほど、こんなストーリーでしたか。それにしても直行便は便利。コタキナバルの空港に到着してから、荷物を受け取るまでがやたら早くて、スムーズだった。出入国カードがなくなって、パスポートにはシールが張られた。個の方が落とすことがなくていいなあ。

タクシーで宿泊先のホテルに移動。海沿いのホテルでわたしの部屋からはゴルフコースが見える風景だった。まあ、熱帯で海の近くに宿泊することはめったにないので、珍しい経験。しばらく部屋で休憩してから明日の会場へ移動。ネット接続はまあまあ早いか。う、機内で査読を片づけたのに別の査読依頼が2件来ている。まあ、面白そうなので引き受ける。

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夕方に会場に移動する途中の海岸沿いでゴイサギが魚を採っていた。よく見ると海に浮かんでいるゴミを拾って、投げている。へー、ルアーフィッシングですか。ササゴイが有名だけど、ゴイサギもやるんだ。しばらく観察してから会場に移動。えらく暗いなあと思っていたら、どうもすでに登録時間が終わってしまったらしい。おっと、登録開始時間と終了時間を見間違えていたか。ただ、まだ終わったばかりらしいので、受付業務をしていそうな人をつかまえて、いろいろと話を聞いてみると要旨集とか、無料昼食券とかは今から出せないけど、参加登録はOKしてもらえた。きちんと資料みておかないといけないな。

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その後は優雅に海に沈む夕日が見える場所で、ビールとつまみをいただきながら、明後日までの二日間の打ち合わせ。調査許可関係のお役所の方もかなりたくさん参加しているようなので、適宜、お会いできるとよいのだけど。

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公開シンポジウム「鳥の眼で見る自然展」 [日常]

肌寒い中、朝市に出かけて朝のおかずを購入。その後は駅に移動して、金沢に向かう。新幹線までの乗り換え時間があまりなかったけど、昨日のうちにお土産を購入してあったので、そのまま新幹線ホームに移動。新幹線の車内ではひたすら査読。上野駅での待合時間に軽い昼食を済ませて、秋葉原駅を経由してつくばに到着。6月に宿泊したホテルだったので、スムーズに移動して、荷物を預けてピックアップ場所へ移動。ほぼ予定通りの時間に到着。しかし、天気が良くて暑いくらい。

会場の実験植物園へ移動して、館内をウロウロしている間に他の講演者の方と合流。会場に移動したら、すでにかなりの人で埋まっていた。うーん、会場はもっと広くしておいてもよかったのではないかな。結局、定員の倍くらいの人数が来ていたのではないだろうか。わたしは最後の演者なので、前半はのんびりと他の講演を聞く。二人目の講演者の論文は読んだことがあったけど、お会いしたのは初めて。日本でもこの時期にこういった仕事をしていた人がいたんだなあ。メジロは走って追いかけられるのか。

わたしはいつものサイチョウの話を30分ほどの予定だったけど、時々、脱線してしまったので、多少、時間をオーバーして34分ほどしゃべってしまった。まあ、全体としての終了時間はほぼ守られていたので、いいでしょう。その後は相互討論という形で、会場からの質問を受け付け。なぜか講演者ではない人にも遠慮なく質問がふられる。まあ、こういった会場では、より適切な解答ができる人がいる可能性もあるし、私も以前、そんなことがあった気がする。花粉媒介と種子散布を同じ動物に依存する植物は新熱帯のヤドリギの仲間で知られていたと思うけど、正式名称を思い出せなかった。なんだったかな。最近の勉強不足が露呈してしまった。

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その後は植物園内を案内していただき、企画展示の様子を見て、珍しい植物などを見て楽しむ。講義資料用にいろいろと写真を撮ってみたいところだなあ。有名なショクダイオオコンニャクとか、こんな感じで育てられていたのか。ゾウコンニャクとか、もうスケールは草本ではなく、低木ですな。もっとゆっくりと時間を作って見学に来たいところだなあ。家族連れてきても楽しそう。

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夜はつくば市内のイタリアレストランでいただく。楽しい時間を過ごすことができました。へー、オオコウモリの論文は受理されたのですか。めでたい。みなさん着々と論文化しているようで頼もしい限り。実験植物園のみなさま、お世話になりました。

いろいろ出張準備 [日常]

朝一番に来週からの出張書類を準備して、事務局に届ける。お金の出所が違うところを組み合わせて出かけるので、ちょっとだけ手続きが面倒。その後は定例の角間調査へ。去年までのデータは今年の卒論生がまとめている最中で、4年目になっていろいろと見えてきたこともある。自動撮影カメラの撮影記録から、親鳥か今年生まれの個体かまでがわかると面白いのだけど、写真だけだと簡単ではないだろうなあ。

今日は金沢大学のキノコグループも野外調査にでかけるらしく、朝から学生たちが山に入って行った。わたしはカメラを確認して、果実の状況をチェック。林業試験場はスギ林で調査しているので、見かける果実は林床のホウチャクソウ、ヒヨドリジョウゴ、ヤブコウジ、マムシグサくらい。角間は間伐した影響か、林床の低木がずいぶんと元気で、ムラサキシキブ、ガマズミ、シロダモとかいたるところで結実している。ちょうど渡り鳥がたくさん来ているのか、いたるところで鳴き声がする。シロハラかな?2時間ほどで予定の調査を終えて、研究室に戻る。

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日曜日は国立科学博物館の実験植物園での公開シンポジウムで話すので、夕方に一度、練習でしゃべってみた。去年、大学の公開講演会で話した内容に最新情報をつけたしたもの。余計な話を全くしないで30分きっかり。これはちょっと削ったほうが良いだろうなあ。聴衆は鳥好きな人が多そうだから、野生のアカハシハシリカッコウの写真とか、鳥の写真はできるだけ見せたいので、どうしたものか。最後に話すので、その辺は全体の時間配分を見て考えよう。

明日は出張用の荷物を準備してしまわねば。