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哺乳類モニタリング再開 [日常]

今日から林業試験場での哺乳類のモニタリング調査を再開。卒研生を連れて、自動撮影カメラを設置して歩く。ああ、久しぶりの調査だったので、カメラを固定するねじを忘れてきてしまった。調査中の札は忘れずに持ったのだけどなあ。まあ、固定されていないくても特に問題はないので、とりあえずカメラを設置。自動撮影カメラの固定用のベルトも長いものと短いものを準備して、少しでも調査効率を上げる努力をしておく。大したことないけど、毎回、ちょっとずつ時間が無駄なんだよね。

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林床には、スギの花序も落ちていたけど、雨上がりだったので、あまりスギ花粉が飛んでいなかったようす。林業試験場でもオウレンが咲きだした。3月上旬に降った雪が一部残っていただけど、さすがにほとんどが溶けていた。沢沿いではコチャルメルソウが開花していた。去年よりは遅く、おととしと同じくらいか?まだ花粉を持ち去られてはいなさそう。開花したばかりかな?それにしてもイノシシの掘り返し跡が目立つ。貯水池のクロサンショウウオの卵の数はずいぶんと増えていた。

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哺乳類モニタリングは再開したので、その後は10月から半年設置していた自動撮影カメラの回収。さすがにもう食べられない様子。3月上旬にヒヨドリに食べられて、この時期に食べられないのはどうしてだろう?他に食べるものがあるということなのだろうけど、果実以外のものを食べているのか?ツバキの花蜜とかだろうか?

一旦、大学に戻って昼食をとり、その後は角間に移動して、同じくカメラの回収作業。こちらのオウレンにはハネカクシの仲間らしきものが花に来ていた。花粉を食べるようだけど、ついでに花粉媒介もするらしい。ショウジョウバカマはまだつぼみだった。ヒメアオキが熟してきたようだけど、角間は虫害を受けているものが多いので、あまり食べられないんだよね。ジャノヒゲやヤブコウジはこの時期になるともう食べられない様子。タヌキのため糞には新しい糞が追加されていたけど、種子は入っていなさそう。古いカキノキやケンポナシの種子がちらほら。

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生態学会の執行部仕事もようやく少し落ち着いてきた。当初はあまりのメールの多さに戸惑っていたけど、実際に対応するべき仕事を整理してしまえば、時間をうまく使えそう。さすがに生態学会から、ぶっ続けていろいろな仕事があったので、今週末は少し休みをとろう。来週は講義資料の修正作業と2カ月間放置していた論文を完成させて、投稿してしまいたい。

ESJ64五日目 [学会]

のんびりと起床するつもりが結局、6時に目覚めてしまった。査読依頼が1件あったので、ざっと中身を確認する。チェックアウト用に荷物を整理して、7時に朝食。今日はヒヨドリだけではなく、メジロがツバキに来ている様子を見ることができた。荷物はコインロッカーに預けようかとも思ったけど、目白駅で降りるのが面倒だったので、結局、大会会場までもっていく。今日は9時半開始なので、あまり人がいない。卒業する学生たちのお土産を探して、鳥はいくつか手に入ったけど、ナメクジは見つからず。財布に意外とお金が残っていたので、クモ図鑑とヘビイチゴ本を購入。ヘビイチゴ本は最後の一冊だったので確保できてよかった。そんなにヘビイチゴが人気なのか?

朝は送粉の企画集会に参加。勝原さんのツユクサとケツユクサの話を真面目に聞いたのは初めて。セイタカアワダチソウの話は以前、大学ビオトープで観察したこともあるのでイメージはつかみやすかった。ただ、あそこまで実験系に持ち込むのは簡単ではなさそう。こちらのセイタカアワダチソウのアブラムシも減ってきている気がする。次のモデルの話は非常に単純化された系なので、なかなか応用できる場面は少ない気はする。ただ、普段、あまり聞かない話なので、違った切り口でよかった。最後は最近、論文が掲載されていた伊豆諸島の海浜植物を利用した研究。大型のハナバチがいなくなると、中型ではなく小型種が大型種不在時に空いた花を利用するのは面白い。最後は石井さんのコメント。送粉系といっても関連する相互作用は膨大。まあ、私たちにできることはその一つ一つを丁寧に調べていくことしかないんでしょう。

お昼は学会大会の改革フォーラムに参加。参加者はそれほど多くはなかったけど、自由集会は貴重な場であると考えている人が多い様子。シンポジウムと企画集会を一本化して、自由集会の開催時間を短くするとかして、全体の労力を減らしながらも、自由集会という形式は残していくことになりそう。それにしてもこれだけの規模になってしまうと、大会を開催できる会場で制限されてしまうなあ。

公開講演会は休憩時間前の4題を聞いてから、大会本部へ移動。大隈講堂の椅子は気持ちが良いので、暗くされるとウトウトとしてしまった。大会本部も撤収作業が行われていた。実行委員会の皆さま、お世話になりました。新執行部も事務局と口頭で打ち合わせできることは済ませてから帰路につく。会員向けのアンケートのたたき台とか、寄付の受け入れ手続きのたたき台とか宿題はいろいろとありますが、週末は査読業務と不在時のメールに返信することを優先しなければ。

ESJ64四日目 [学会]

朝一番で査読依頼した人からお引き受けできませんとのメール。至極まっとうな理由が書かれていたので仕方がない。おとなしく次の候補者に依頼を送る。今朝も窓際の席でのんびりとヒヨドリを観察しながら朝食を食べて、早めに会場に移動。最初は科研費の説明会。特に大型科研費では審査区分が変更されて、より幅広い分野の審査員にアピールできる文章が必要だとのこと。生態、分類、人類学などが同じカテゴリーになるので、どの分野に対してもアピールできる文章が必要ということですな。

総会はほぼ定刻通りに開始。参加者は100名もいないくらいか。あまり大きな議論もなく、粛々と報告事項と審議事項が進んでいく。地区会ごとに地区会費が異なるのは、年会費支払いシステムを導入する際に面倒なので、少しでも簡素化してしまいたい。特に大きな反対もなく新執行部も承認されたので、今日から代表理事なるえらそうな肩書を持つことになってしまった。裏方として、2年間、生態学会を支えていきます。その後は各章の授賞式。一人間に合わないのではないかと思ったけど、ギリギリセーフだった。まあ、そんなこともありますわな。

受賞講演までは大隈講堂の立派な控室で第一回の理事会。まずは顔合わせと簡単な報告事項について。次の理事会は7月でそれまでに検討しておくべき事項をまとめておく。7月中旬は結構忙しい時期なので、時間をうまく使わねば。その後は次回の北海道大会への引継ぎ打ち合わせに参加。次は大学ではなく、コンベンションセンターなのでまた実行委員会の仕事は微妙違うのだけど、前回の北海道大会と同じなので、その辺の情報は流用できるかな。その後はウェブ選挙システム打ち合わせに参加。これで次回の選挙の開票作業は軽減されそう。さすがにこちらは他の学科胃の方がややこしいシステムを作っているので、細かいところを詰めるくらいで対応してもらえそう。

夜は会場から少し歩いたところで執行部のみなさんの打ち上げ。法人化の過渡期に担当したので、通常よりも少し長い任期になって、いろいろ大変だった様子。みなさんとても楽しそうに会話が弾んでいましたが、対照的に新執行部のメンバーはどちらかというとおとなしくしていました。

ESJ64三日目 [学会]

朝食は窓際の席を確保できたのでのんびりとツバキを訪問するヒヨドリを観察。今の時期、ピンクの方が好きなのか?今日は自分のポスター発表だけど、お昼に野外安全管理委員会のフォーラムがあるので、コアタイムにポスター前にいる時間はなさそう。会場到着してすぐにポスターを張り付けて、大会本部に移動。

午前中はフェノロジーのシンポジウムに行きたかったのだけど、中部地区会の年次大会開催打ち合わせ会議に参加。石川県は金沢大学が主担当で地区会の情報はほとんど知らなくって、わたしは地区会の会議には初参加。中部地区だと大会開催できる会場がかなり限られているので、愛知県を中心に会場を探すことになりそう。金沢でもちょうど循環器学会が開催されているけど、金沢駅周辺のホテルくらいしか会場がなくって、金額的に生態学会では無理。年次大会に必要な情報を提供して、執行部の皆さんは退場したけど、わたしはそのまま残って地区会関係の情報収集。若手向けの助成金は大学院生がいるなら、考えようかな。

大会本部で早めに昼食を済ませて、お昼は野外安全委員会のフォーラムに参加。あまり参加者は多くはなかったけど、30名を超えるくらいの人が参加していた。去年も同じような人数で、以前と比べると参加者が少ない。マニュアルが完成したら、もっと講習会的なアプローチを考えてもよいかもしれない。その後はちょっとだけポスター会場でポスター発表。10年以上前のネズミの話だったのですが、わざわざ来ていただきありがとうございました。解析はこんなものなので、参考文献もうちょっと真面目に読んで、サクッと論文化したい。

午後は明日の総会と受賞講演で使う大隈講堂の下見、その後は学会の財政状況について、いろいろと情報交換。懇親会ぎりぎりになって、会場へ移動。生態学研究センター出身のみなさまにご挨拶。みなさん元気そうで何より。

ESJ64二日目 [学会]

朝一番に大会本部で今日のスケジュールを再確認。余裕があるのは午前中だけなので、ざっとポスター会場を見てまわり、種子散布の企画集会T03「森林の哺乳類・鳥類による種子散布システム~最新の定番ツールでどこまで読み解けるか~」に参加。シンポジウムも並列開催された時間帯だったけど、会場はかなり埋まっていた。

企画者の正木さんから企画趣旨の紹介後、最初は永光さんが花粉と種子の移動についてSNP、SSR、microsatelliteなどの遺伝標識やParentage analysis、Gene pool analysis、SGS analysisなどの解析手法について紹介。私は自分で遺伝解析する予定は今のところないけど、論文の査読が回ってくることもあるので、基本的な知識を復習することができてよかった。ただ、英語スライドだったので、うちの学生たちはほとんど理解できなかった様子。

小池さんはタヌキやクマの種子散布の研究について動物側の視点から紹介。体内滞留時間には個体差や性差がある場合もあるけど、結局は動物側の行動パターンに大きく依存して種子散布先が決まる。大量の追跡データがあれば、体内滞留時間のデータは近縁種のデータで代替したとしてもまあまあシードシャドウの推定はいけるのかもしれない。

直江さんは最近の酸素安定同位体を利用して標高方向の種子散布を解明した研究の紹介。広い範囲の標高帯に分布する植物なら、お金を気にしなければ使えそうな手法だけど、ミズキの検量線がイマイチだったのはサンプル数の問題だろうか?それとも結実に明確な年変動がある樹種ではうまくいかないのだろうか?テンが意外と垂直移動しているのだけど、これまでに知られている行動圏サイズから矛盾しないくらいの距離なのだろうか?あと、正木さんからのコメントにもあったけど、垂直移動した先での種子の運命を追跡したいところ。同じ糞から出現した種子が同じ標高帯の種子であれば、一部をサンプリングして、残りを追跡することはできるのではないかな。

最後は吉川さんが森林景観レベルでの種子散布について、最近Biological Conservationに掲載されたばかりの小川で鳥の動態と果実の動態を調べた研究を紹介。謝辞に書いてあるけど、査読者6人に対応するのは大変だったのではないかな。果実資源量の定量化に使っている手法を角間でも使ってみるかな。一度、学生と一緒に練習してみるか。あと最後にちらっと体サイズと体内滞留時間のレビューデータも紹介。しっかりナメクジの体内滞留時間も掲載されていた。

最後にコメントするのを忘れてしまったのだけど、動物による種子散布の研究は非常に沢山の要因が絡んできて、結果もクリアーにはでないことも多いけど、うまい切り口でアプローチできれば、大学院での研究テーマとして十分成り立つと思います。吉川さんや直江さんより下の世代の研究者の参入をうまく取り込んでいけるとよいのだけど。どの発表も自分の研究を紹介するだけではなく、最新の研究成果も紹介していたので、必死にメモを取っていた参加者が結構いた。わたしももうちょっと論文メモ書きの更新頻度を高めたい。

その後はポスター会場で種子散布絡みのポスターと集中講義でお邪魔した大阪市大の学生のポスターをざっと見る。まだシンポジウムが行われている時間で発表者が少なかったのは残念。ただ、今年は種子散布絡みの発表はあまり多くはなかった様子。動物と植物の相互作用分野では、送粉分野のポスターに面白そうなものが多かった。

お昼はEcological Research、Journal of Plant Research、Journal of Ethology、Population Ecology、Plant Species Biologyの編集関連の方々の情報交換会にオブザーバーとして参加。どの雑誌からも査読依頼来るんだよな~。小さい学会だと雑誌を維持するのがけっこう大変らしい。熱帯生態学会ともかなり高齢化が進んでいるので、ちょっと気にしておこう。その後は今大会のメインである執行部の業務内容の引き継ぎ打ち合わせ。うう、貰った情報が多すぎて処理しきれていない。

今日は夜の自由集会には参加せず、総会資料の準備作業のお手伝い。来年は自分たちがやるんだものなあ。8時に終了したけど、飲み会には参加せず、ホテルで早めに休む。

ESJ64初日 [学会]

朝から微妙に頭痛。昨日の夜に油断して、何も花粉症対策をせずに寝てしまったのがいけなかったかもしれない。空気清浄機とかつけたほうが良かったか。シャワーを浴びたらちょっとすっきりしたので、朝食へ。学習院のツバキにヒヨドリが来ている様子がよく見えた。写真撮りたいけど、TG-4では距離がありすぎるので難しそう。明日はもう少し窓側に座ることにしよう。意外と雨が降っていたので、折り畳み傘をもって大会会場へ移動。思っていたよりも寒い。山手線、東西線と乗り継いで早稲田大学へ。人の流れについていったら、会場に到着。大会本部で腕章とスタッフ名札を受け取り、まずは大会企画委員会に参加。今年もいろいろとトラブルはあったけど、どうにか大会にこぎつけることができた。わたしも大津のEAFESから6年間かかわった運営部会からは卒業。

お昼は野外安全管理委員会。来年度こそ野外安全マニュアルを完成させることになる予定。和文誌への見積もり依頼を忘れずにしておかねば。この委員会もかなり長い間、関わってきたので、次年度の更新の際に後任候補を考えておきたい。続いてエコリサの編集委員会に参加。相変わらずたくさんの論文が投稿されてきている様子。特集号もいくつか進んでいるので、来年度も充実した雑誌になりそう。その後は大会本部で執行部の代議員会の準備の見学とお手伝い。

夕方は代議員会にオブザーバーとして参加。代議員会は予定の3時間はかからなかったけど、朝からずっと会議でさすがに疲れた。今日一日で入ってきた情報が多すぎて、優先順位をつけておかねば。今日の自由集会には参加したいものがあったけど、あとで感想ツイートなど探して見よう。

その後は場所を移動して関西地区での年次大会についての情報交換。ずいぶんと情報が整理されてきたので、大変だと思いますがよろしくお願いします。帰りに都電に初めて乗って、駅から目白に向かうつもりが、きちんと確認していなかったら池袋についてしまった。おとなしく山手線で帰る。

久しぶりに車で入った [日常]

午前中は天気が持ちそうだったので、林業試験場の自動撮影カメラの確認に出かける。スギ花粉におびえていたけど、今日は大したことなさそう。林業試験場でもようやく雪が減ってきて、久しぶりにいつもの場所まで車で行くことができた。先週、一部で果実が減りだしたので、ちょっと期待していたけど、この1週間でずいぶんと減少した。もう食べ残されてしまうのかと思ったけど、まだ食べるらしい。まあ、他に食うものなさそうだものな。一部はカメラを回収して、残った果序も持ち帰って、果実数を計数する。

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カメラを確認して、貯水池の中を確認。お、アカガエルが何匹もいる。クロサンショウウオの卵塊はまだ1つだけだった。これから増えてくるのかな。水路沿いのコチャルメルソウはまだ花序を立ち上げてはいなかった。最近、ちょっと気温が高かったけど、来週はまた雪になりそうだから、もうしばらくかかるだろう。そのまま角間にもでかけて、カメラの確認。こちらは食べつくされたものが多いので、カメラを回収する。ジャノヒゲってなかなか食べられないなあ。フキノトウやオウレンが咲いていた。春は近い。

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研究室で昼食を食べていると学内にハトが落ちていると連絡があり、拾いに行く。しっかりと窓ガラスにぶつかった跡が残っていた。とりあえずビニール袋に詰めて冷凍しておこうかと思ったら、足輪がついていた。レース鳩でしたか。残念ながら、死亡しているけどネット検索して、連絡先に届けておく。石川県内で飼育されていた個体だった様子。その後、ハクビシンの胃内容物から出てきた生物の同定依頼。いや、これ見せられてもナメクジとは断言できんな。とりあえず解剖してみると、ナメクジっぽい雰囲気だった。

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週末のESJ64用のポスター作成の準備で、Rを使ったnMDSの解析方法をざっと調べてみる。2004-2007年に収集したネズミの捕獲調査データで一度、立教大学にいたころにゼミで話したあと放置していたもの。Rarefaction curveで明らかに果樹園のデータは他よりも高い種多様性を示している。同じ手法を用いて捕獲調査をしていたランビルデータと比較してみると天然林や伐採林の捕獲数は同程度で、果樹園がやたらと高い数値を示しているので、まあ餌資源が多いんだろうけど、餌のデータはないからどう説明したものか。