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能登島実習2019三日目 [日常]

5時頃から明るくなってきて目が覚める。6時30分からのカメラ回収にあわせて、6時10分ごろに起床して、外に出かける格好に着替える。学生たちも比較的早くから起きていた様子で6時25分に学生4人と一緒に出発。風は強いけど、雨が降っていなかったので何より。10分ほどでカメラの場所に到着して、4台を回収。そのまま次のところに移動して4台を回収。最初の場所は調査中の学生ばかりで、2つ目の場所で夜間に撮影記録が合ったので、そちらに期待。ただ、4台中2台は全く撮影されていなかったので、あまり動物がウロウロしていた気配はない。

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7時からの朝食後、ポスター発表に備える学生たちの指導はTAに任せておいて、わたしは昨日までの調査用具を整理して、帰る準備。本当は森林の毎木調査だけではなく、それに絡んだ環境要因も調べることができるとよいのだけど、そこは3年生になってから、学んでもらえばよいだろう。昨日は雨が降りだす前に野外調査を終えることができたので、調査用具を濡らすことがなく終わったのはよかった。10時からは、それぞれのグループが簡単に前日の調査内容について成果発表。まだ野外調査でデータを取った経験は少ないので、図表の作り方にはいろいろと改善点はあるけど、毎年、プレゼンは上手になってきている気がする。

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プレゼン終了後は例年通り、記念撮影を行い、帰学の準備。昼食は例年通りの親子丼。今回は食べすぎないように気を付けているので、1杯でやめておく。出発するバスを見送ってから、宿を出発。途中、研究室と自宅用のお土産を購入して、大学に戻る。こちらも小雨程度で、荷物を運びいれるには問題なかった。今年のデータなどを忘れないうちにPCに保存して、来年用のメモを作ってから帰宅。明日は天気が悪そうなので、自宅仕事になりそう。

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水、金、土、日の実習があった実習ウイークも無事に終了。さすがに明日は少しのんびりして、明後日から科研費書類を書き進めよう。
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能登島実習2019二日目 [日常]

6時半に起床して、天気予報を確認。午前中は問題なさそうだけど、午後はちょっと怪しい感じ。7時からの朝食もおいしくいただき、8時半から予定通り植生調査の簡単な説明。去年と同じ調査サイズだけど、今年は人数が多いので、10m四方の毎木調査だけではなく、1m四方で林床植生調査もやってみることにする。

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簡単な調査内容の説明後、宿舎の前でスチールメジャーを利用した周囲長の測定方法と樹高計で電柱の高さをはかってみる練習をしてから、調査地に向かう。尾根沿いの調査区は、比較的密度が高く、あまり大きな木がない場所。去年と同じ基準を使って、周囲長15cmを目安に測定することにする。ガンタッカーの使い方を説明していなかったので、最初の調査対象で一度見本を見せて、使ってみる。ふつうは使ったことないよな。その後は2班に分かれて、毎木調査。去年は現地で同定しわすれや、ナンバーテープの付け忘れなどがあったので、今年は調査対象からすべてサンプリングして、持ち帰って同定することにする。

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天気が心配だったので、できるだけ早めに作業を進めていく。去年よりは人数が一人多いのと最初の調査枠の目印を設定していたこともあり、2時間ほどで最初のプロットの作業は終了。1m四方の枠を作ったので、全天写真も撮影してみればよかったかな。二つ目の谷間のプロットはより暗い環境で、ほとんど林床に植物がない場所。ただ、こちらのほうが大きな木があり、照葉樹林っぽいところ。ヒメアオキ、タブノキ、ミヤマシキミ、ヤブツバキなどが生えている。こちらは本数が少ないこともあり、1時間ほどで作業は終了。残りの時間で自動撮影カメラを一人一台ずつ設定して、宿に戻って昼食。

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午後はまずはサンプルの同定。サンプルをグルーピングして、同種と思われるものを対象として、それぞれに同定を進めてもらう。一番個体数が多かったソヨゴ、対生の複葉のマルバアオダモなどはすぐに同定できた様子だけど、コナラやスダジイなど葉の変異が大きい樹種で悩んでいる様子。あと去年と同じく、ミヤマシキミの同定にかなり苦しんでいたところを見ると葉の形にとらわれすぎて、葉の付き方や葉をつぶした時のにおいをかいでみるなど、葉の家たち以外の情報をうまく使いこなせていない様子。本当は一度、検索してみて、もう一度野外で植物観察する機会を設けるのが良いのだろう。それでも90分ほどで採集してきた15種ほどの植物には名前を付けることができた様子。ただ、翌日になってから気が付いたけど、モチノキをサカキと間違えていた。

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美味しい夕食をいただいてからは、21時まで作業を続けて休憩。今夜も少しだけ交流会に参加して、わたしは22時には就寝。夜は風が強かった。

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能登島実習2019初日 [日常]

昨日のうちに車に荷物は積んであったので、7時45分の集合時間の少し前に大学へ移動。学生たちもほとんど集合を終えていたようだけど、一人遅刻してくるようす。教員が車に乗せていくことになり、残りの23名とTAと教員はバスで予定通りに移動する。わたしはバスの後ろを追走することにする。途中、高松SAで休憩して、のんびりと移動したこともあり、予定の到着時刻よりも少し遅れた10時25分に到着。宿舎に荷物を入れて、11時から周辺を散策して調査地周辺の自然観察。去年はたくさん見られたキノコが今年はあまり見られない。林道整備作業後は宿舎に戻って、いつものカレーで昼食。

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13時からタイドプールで磯の生き物観察。わたしは別行動で明日の毎木調査地の下見。去年と同じ場所を考えていたのだけど、尾根沿いの調査区へ行く途中でオオスズメバチの営巣を確認。さすがにそのままの位置で調査をするのはちょっと危ない気がするので、少し離れた場所に新しく調査区を設定しなおす。調査区の設定にいつも時間がかかるので、とりあえず基準線を引いて、あとも大まかな位置にペグを差しておく。まあ、これだけ準備しておけば、ある程度スムーズに調査に取りかかることができるだろう。

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その後、調査区内を一通り歩いて、アシナガバチの巣やイラガの幼虫などがいないか確認。気をつけてもらうのはサルトリイバラ、ヤマウルシくらいか。もう一つの調査区はそのまま使えそうだったので、明日、学生たちに設定してもらうことにする。ただ、こちらもコナラの根元で樹液を楽しんでいるオオスズメバチがいるので、この辺は歩かないようにしてもらおう。

まだ学生たちは海でのサンプリングを続けているようなので、わたしは一足先に宿舎に戻って、明日の調査用具の確認。樹高計の練習に近くの電柱を使うことにして、高さを確認する。ただ、新旧の樹高計で微妙に数値が異なる。まあ、30cmくらいの誤差なら仕方がないか。そのあとレーザー距離計で測定してみたけど、意外と良い数値。電柱が6分の1埋まっているとして、13.3mであればレーザー距離計の数値が一番近い。今度からこれにしようかなあ。明日、持ち出す調査用具を買い物かごにわけて、8人で持ち運べるように準備しておく。

その後は戻ってきた海の生物調査の見学。今年は人数が多かったけど、ゴーグルをつけていた学生や泳いで採集した学生もいたらしく、例年よりも採集した生物の種数が多かった様子。タツノオトシゴは久しぶりに見た。基本的には、あまり動きの速くない生物を採集することが目的だけど、今年はカニや魚を採集してきていた。3班で植物も動物も15種程度は採集できていた様子。

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夕食はおいしい地魚をいただく。夕食後の交流会ではなぜか台湾産の日本酒もいただいただけど、古酒のような味わいだった。わたしは22時ごろに先に休んだけど、元気な若者たちはそれ以降も交流を楽しんだ様子。

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手取川上流のフィールド体験実習 [日常]

今日は1年生向けの手取川上流方面へのフィールド体験実習。例年はほぼ全員が参加する実習だけど、去年あたりから参加者が少なくなり、今日も半分を少し超えたくらいの参加者しかいない。石川県、特に白山市出身の学生であれば、最近はジオパーク絡みで訪問したことがあるかもしれないけど、大学生になってから見るとまたいろいろと違って見えると思うんだけど。

今日は二日目で、砂防科学館、市ノ瀬ビジターセンター、手取川ダムを巡る手取川上流行きのコース。道の駅でトイレ休憩をとり、ほぼ予定通りの時間で砂防科学館に到着。二グループにわかれて、大洪水のDVDを見るグループと砂防ダムの効果を見る実験を見るグループで見学。わたしも毎年のように引率していたり、家族で訪問したりしているので、担当者の方にすっかり顔を覚えられてしまった。

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砂防科学館からの移動の途中で百万貫岩を眺めて、市ノ瀬ビジターセンターに到着。昼食後に白山展望台へのトレイルを2グループにわかれて散策するスケジュール。風が吹くとドロノキの種子がまっていた。先日、ビジターセンターを訪問した際にアカショウマになっていた果実の写真がルイヨウショウマにきちんと修正されていた。今日はミヤマクワガタの頭部はおちていなかった。

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わたしもグループについて、ブナ林を散策。この辺はミズナラも結構生き残っているんだな。去年は結構結実したらしく、実生がたくさん見られた。ただ、キノコが多かったのに購入したばかりのキノコの教科書を持ってくるのを忘れたのは失敗だった。秋の草花では、クサボタン、アキギリ、アキノギンリョウソウ、サンインヒキオコシなどが咲いていた。今年は大学キャンパス内でギンリョウソウが開花しなかったのだけど、それを見に行っていた学生たちが秋のギンリョウソウを見ることができてよかった。予定を少しオーバーしたけど、これまでにないほど良い天気で非常に気持ちよくブナ林を散策することができた。あとで調べてみたら2012年と2013年は天気が良かったけど、2016、2017、2018は小雨がぱらついたりした天気だった。

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最後は手取川ダムの見学。散策が予定よりも時間が遅れたのでちょっと心配だったけど、予定通りに到着。ちょうど定期点検の時期だということで、水量はかなり少なめ。こちらでもDVDを見た後は、実際の設備を見ながら、解説を聞く。ここもだんだんと設備が小型化してきて、解説を聞く部屋もずいぶんとすっきりしてきた気がする。お土産にダムカードをいただいて帰学。
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金沢植物同好会の観察会に参加した [日常]

夏の白山登山が台風直撃でキャンセルになったので、その代わりでもないけど市ノ瀬ビジターセンター周辺を散策する観察会へ参加。雨が降るかもしれないのがちょっと心配だったけど、移動中も少しぱらついた程度で、どうにか持ちそうな感じ。気温はそれほど高くなさそうなので、散策にはちょうどよさそう。現地集合時間よりも少し早く到着したので、ビジターセンター周辺の街灯の下でクワガタ探し。ミヤマクワガタの雄が何頭も落ちていたけど、すべて腹を食べられていた。でもまだ頭部は生きていて、しっかり挟もうとしていた。すでにドロノキの種子が飛び始めていたけど、この辺のドロノキの大木は昭和9年の大洪水の後に定着したものらしい。

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参加者18名でビジターセンターからチブリ尾根方面への道を周辺の植物を観察しながら、のんびりと歩く。去年の11月に調査の手伝いで歩いたコースと同じだけど、今日は観察しながらなので、超スローペース。せっかくの機会なので、カメラをぶら下げたまま、いろいろと写真を撮影しておく。この時期にこの周辺を歩いたことはないけど、ツリフネソウ、クロバナヒキオコシ、クサボタン、オトコエシとか咲いていた。マタタビ、サルナシ、クマシデなどは果実があった。18日に実習の引率で再訪する際には、少しフェノロジーが進んでいるだろうけど、よい予習の機会になりそう。

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今回、初めて見た植物の一つがチョウジギク。こういった湿った岩場とかに生息しているものらしい。一体どうやったらこんなところに種子散布されて、流されずに定着できるんだろうか?ただ、チョウジに似ているかと言われると、どうもよくわからない。周辺にはダイモンジソウがたくさんあったけど、開花個体は少なかった。あまり気にしたことがなかったけど、こんな形の葉をしているのね。タマアジサイもちょうど咲き始めたところで、丸いつぼみと開花した花を同時に記録できたのは良かった。

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昼食前までの散策で、一番衝撃を受けたのは、比較的最近になって記載されたテマリフジアザミの花とそれに訪問していたトラマルハナバチたち。一つの頭花に最大6匹のトラマルハナバチが同時に見られた。あとハサミムシも来ていた。それにしても立派なサイズの頭花。花の蜜がよっぽどおいしいのか、マルハナバチたちの動作が非常に緩慢で花に酔いしれているようだった。ただ、送粉者に興奮しているのは私くらいで、他の参加者は植物よりの興味が強い様子。

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砂防堰堤のところで早めの昼食と休憩。河原で昼食をいただく。河原に転がっている石を少し眺めると爪石がいくつか転がっていた。砂が堆積したところがあったので、歩いてみるとハンミョウらしき動きをする虫を発見。コニワハンミョウか?こういったちょっとした砂のある環境をうまく見つけてくるんだなあ。

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昼食後はチブリ尾根の方を少しのぼり、ブナ林の植物を観察する。ここは立派なトチノキがあるし、林床のヤブレガサはちょうど開花していて、トラマルハナバチも来ていた。現地では、何ショウマか忘れていたけど、ルイヨウショウマが結実していた。これも自動撮影カメラで狙ってみたい植物の一つ。果実サイズが小さいから、どんな鳥でも食べられそう。途中で折り返して、帰り道は登山道を歩いたり、少し違うコースも歩きながら、ビジターセンターに戻る。途中、クロバナヒキオコシに細長いアブが来ていたので、写真を撮るためにしばらく粘る。意外と短時間しか花にいないけど、交尾中のペアは比較的動作が鈍いので、そちらを狙って、何枚か撮影できた。もうちょっと近寄りたかったけど仕方がない。

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9時から15時までのんびりと植物観察を楽しむことができた一日だった。
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