文献あれこれ

今朝も比較的涼しい。下宿は周辺に日差しをさえぎるものがないため、朝はかなり早い時間帯から明るくなり、玄関のドアには直接日光が当たるので、暑くなるのはちと問題。

午前中は昨日ダウンロードしたKonstans L. Wellsさんの学位論文や投稿論文などを読む。最近は個人のHPに学位論文をPDFファイルにしたものまで載せられている人も多く、とても便利。小型哺乳類のカラー写真もたくさん掲載されており、ざっと眺めるだけでも楽しい。サバでネズミ関連の調査をしている人がいるという話は聞いていたのだけど、ここまでいろいろなデータを収集していたとは知りませんでした。6箇所の調査地を合わせたのべ捕獲努力量は40,000trap-nightを超えている。まだ投稿中の論文がいくつかあり、最新のものはJournal of Animal Ecologyに印刷中。基本的には原生林と二次林で小型哺乳類の種組成を比較したり、同所的に棲息する同じ属の種間の行動パターンを追跡するなど、動物側からのアプローチが多い。しかし、ボルネオは同所的に生息する小型哺乳類の多様性が異常に高いなあ。

午後にAmazonで注文していたSukumar R (2003) The living elephants: Evolutionary ecology, behavior, and conservationが届く。今月中に書き上げる予定のゾウの種子散布の論文には必須の文献だけど、NACSISで調べると日本には帯広畜産大学にしかないらしいので、帰国後に即注文。カオヤイで調査をしていた頃には小さいものはネズミから大きなものはアジアゾウまで、さまざまな分類群の動物を対象としていたけど、食性と種子散布に絡んだ文献を読むだけで精一杯で、メインで取り組んでいたサイチョウ以外は基礎的な知識が圧倒的に少ないだけにちと勉強。