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散布もするし、破壊もするらしい [日常]

朝一番に実験室のヤマナメクジたちのミズゴケを洗い、エノキを給餌して、飼育環境を整える。気温が下がってきたので、そろそろ餌の量は減らしても良いかもしれない。生態学会の自由集会でこの子達の発表をする予定だったのだけど、初日の代議員会ともろかぶり。とりあえず発表スライドは準備するけど、自分で話せるかどうかは微妙なところ。でも今年、卒論で取り組んでいるネタでもあり、ナメクジやカタツムリの種子散布に注目した研究の現状はまとめておきたい。この冬に論文、読みまくろう。

昨日、林業試験場で調査しているイチョウの周りをウロウロして、見つけたクマ糞から回収したギンナンを計数。全部で31個の糞をチェックしたけど、2015年に見たときよりも糞あたりの種子数が少ない気がする。あと、今年は明らかに外種皮を食べたのではなく、ギンナンを破壊した糞が2個あったので、こちらは全て回収して、実験室内で洗浄してみた。

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ストックバック中サイズに半分くらい

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割り箸で中身をほぐしたところ

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ぬるま湯で洗浄中

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洗浄後

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バリバリに噛み割ってある

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破壊されていないものもある

イチョウ以外にはサルナシやケンポナシを含んだ糞もあったが、こちらは1個ずつ。今年はやたらとイチョウを食べているらしい。毎晩、親子で撮影されていた個体の糞だったのだろうか。

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見た目はほぼキウイジャム

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ケンポナシがいっぱい

ドングリとかバリバリ食べているので、ギンナンを食べないのはちょっと不思議だったのだけど、食べないわけではなさそう。

週末に新潟で開催される生態学会の中部地区会(http://www.esj.ne.jp/chubu/index.html)で発表する学生のポスターにコメント。実は私も初参加。うーん、研究のまとめを一番右下におくのは見にくいんじゃないかな?多分、鳥の研究者は少ないだろうから、あまり細かく鳥種を紹介するよりは、メインの種子散布者以外はその他にしてまとめて提示しても問題ないんじゃないかな。後は明日と明後日の二日間で発表原稿をしっかり作成して、5分位で研究概要を説明できるように練習してもらう。

マレーシア滞在中にやってきた担当編集依頼とか査読依頼の論文にもようやく目を通すことができた。ちょっと専門が外れているから、ここ数年の論文を読んでみて考えよう。
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キナバタンガン調査10日目 [研究]

昨夜は少し飲みすぎたけど、今朝も6時に起床。メールをチェックして、7時半の朝食時に午前中の予定を確認。みなさん本屋に出かけたいようなので、10時に集合することにする。その間に部屋で干していた服を取り込んで、スーツケースに詰め込んで、チェックアウトの準備。10時にホテルを出発して、1キロほどの距離を歩いて本屋に向かう。それにしても町中は暑い。

ジャングルスクールの時に購入したお店とは名前が変わっていたけど、相変わらずボルネオ関係の書籍は充実していた。Tree Flora of Sabah & Sarawakの新しいものがあれば購入したかったけど、古いものしかなかった。Tree Flora of Malayaがまだ売っていたけど、持っているものなのでスルー。せっかく調査に出かけたので、キナバタンガンのガイド本、ボルネオの甲虫図鑑、サバの低地林の図鑑を購入した。まあ、この程度なら、あまり重くはない。本当はダナムバレーの本が欲しかったけど、大型本だったのであきらめた。

ホテルに戻る帰りにお土産用にマンゴーグミやナマコ石鹸などを購入。まあ、こんなものでしょう。12時前にホテルに戻り、もう一度シャワーを浴びてから、チェックアウト。荷物を預けて、近くのお店でバクテーをいただく。もともとシーフード屋さんのようで、バクテーとしてはいまいち薄味で物足りなかった。ただ、コタキナバルでは夕方から開店するバクテー屋さんが多いらしく、選択肢はなかったんだな。

昼食後にタクシーでホテルから空港に移動。途中、交通事故があったらしく、空港の近くで渋滞していたけど、余裕をもって空港に到着。しかし、肝心のフライトが遅れているらしく、かなり時間に余裕ができた。ところが荷物のチェックイン時にちと面倒なことになる。国内線でチェックインするときは、1人30kgを厳密に適応するとか言われて、まとめてチェックインさせてもらえない。えー、そうなの?オーバーチャージを払うのは馬鹿らしいので、いろいろ荷物を組み合わせてみたところ、一人目が30.0kg、二人目が30.2kg、3人目も30.2kg、4人目は30kgよりもずいぶん少なく、余裕で収まった。たまたまとはいえ、うまいこと配分できた。

コタキナバルの空港で、コーヒーなどのお土産を追加購入。ただ、フライトが遅れ、機内に入ってからも1時間ほど待たされたので、さすがに疲れた。予定よりも2時間近く遅れてクアラルンプールに到着した挙句、成田フライトはどうもさらに遅れているらしい。仕方がないので、スターバックスでコーヒーを飲みながら、メールチェックや査読依頼など。予定通りのフライトの関空組と別れて、成田組はさらに23時過ぎまでスタバで粘ってから、ゲートへ移動。大混雑していたけど、無事に機内へ移動。ただ、最近はマレーシア航空も混んでいるのが当たり前なのか、ほぼ満席だった。明日の朝の成田到着が少し遅れると予定の電車に乗れないが心配だけど、まあ、仕方がないか。無事にキナバタンガンでの調査は終了。
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キナバタンガン調査9日目 [研究]

昨夜は遅く寝たけど、6時に起床して、荷物のパッキング。6時半にはパッキングを終了して、水浴び。朝食はいつものパンと目玉焼きとミーゴレン。毎朝同じメニューが続いたけど、ある程度の量は確保されていたので、こんなものではないかな。今朝は霧が濃くて対岸が見えないほどだけど、テナガザルの声が聞こえてきた。昨日のクルージングでは見ることができなかったのは残念だけど、朝からテナガザルの歌声が響いてくる森は良い。

7時55分に迎えのミニバスが到着。5分前に到着するとはすばらしい。帰りは調査道具が減ったこともあり、余裕で積み込むことができた。8時にコタキナバルへ向けて出発。アブラヤシのプランテーションが続く道を移動していく。2時間半かけて、ミニバスの乗り換え地点に到着。ここでお茶にして、ついでにチマキをいただく。

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乗り換えたミニバスは往きと同じとは思えないくらいスペースがあったので、のんびりと過ごすことができた。往路で見逃したキナバル山の山頂も雲の隙間から見ることができた。標高の高いところ移動している途中、往路で食べ逃したドリアンを食べるために道沿いの果物屋さんをチェック。最初に見かけたドリアン屋台で止まったけど、売り物は残り少ない様子で、私たちが購入した後やってきた客で売り切れだった。入念に選んで2つ購入して食べた。大きい方はちょっと外れで、淡白な味だったけど、小さい方はまあまあのドリアンだった。例年よりも早く雨が降り出し、ドリアンが腐ってしまっているらしい。

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このお店で一人数切れを楽しんでバスに乗って移動後、もっとたくさん売っている場所があったので、そちらでも立ち止まり、追加購入。ここは安いドリアンで1キロ28RM、一番高いものは1キロ48RMもしていた。日本で購入するより高いくらい。いろいろ検討した挙句、自然に割れはじめている1キロ38RMのドリアン1個(2キロ)を購入。最初のお店で食べたものよりもずっとおいしいドリアンだったので、みんな満足。

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8時に出発して、15時にコタキナバルのホテルに到着。お茶を飲んだり、ドリアンを食べていた時間をのぞくと、ほぼ6時間の行程。なかなか大変でしたが、無事に街まで戻ってきた。ホテルでのチェックインにちょっと手間取るが、その後は部屋の中で荷物と調査メモの整理。さすがに座り続けて疲れていたので、のんびりとお風呂と行きたかったけど、あまりあったかいお湯ではなかったので、水浴びになってしまった。ホテルのネットワークにつないで、たまっていたメールに返信。

夕飯はちょっと贅沢にホテルの近くの水族館スタイルのシーフードコート。せっかくなので、たくさん写真を撮影しておく。一部のマングローブガザミにフジツボがついていた。こんなにぎっしりと売られていた。少し早い時間帯にお店に来たせいか、注文した品が次々と運ばれてきて、あっという間に机が埋まった。次々とお皿を平らげて、おいしい夕食をいただきました。デザートのココナッツプディングもおいしかった。

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明日は午後のフライトでKLを経由して帰国予定。

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キナバタンガン調査8日目 [研究]

5時に起床して、出かける準備を整える。夜はあまり雨が降らず、明け方に少し雨が降った様子。ただ、サンダルをしまい忘れていたのですっかり濡れてしまった。朝食はいつもと同じメニュー。ただ、今日はボート観察終了後にMさんの調査ステーションでも食事をいただく予定なので、軽めにしておく。予定通り6時少し前にボートが到着し、キナバタンガン川沿いを上流へ向かってさかのぼっていく。

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途中、誰かが何かを見つけると少し速度を落として観察するスタイル。川沿いの木にいる動物なのと朝日が昇ってくる時間帯なので、方向によってはとてもきれいに見える。これは楽ちんだなあ。もちろん私たちが乗っているボートの船頭さんが優秀なのもあるけど、テングザルとか、動いていないとほとんど茶色の塊にしか見えないので、慣れるまでにはそれなりに時間がかかる。

2時間ほどのボート乗船中にテングザル、ブタオザル、カニクイザル、シルバールトン、オランウータンの親子を見ることができた。特にオランウータン親子は朝日を浴びてイチジクの果実を食べるところを観察できたのは非常に良かった。ダナムバレーでオランウータンは見たことがあるけど、ほとんど茶色の塊にしか見えなかった。今回はしっかりとイチジクの採食シーンを見ることができた。霊長類以外にもキタカササギサイチョウ、クロサイチョウは複数回観察することができた。ここは両種が比較的簡単に見られるらしい。残念ながら、大型のサイチョウ類には出会うことはできなかった。雲が心配だったけど、雨に降られることはなかったので良かった。

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ボート観察後はMさんのステーションでおやつをごちそうになり、宿泊先へ戻って荷物の整理。5日間のサンプルを整理して、サンプルの保存条件などを確認しておく。調査用具で余ったものはMさんに引き取っていただき、帰りの荷物はずいぶんと減った。30kg以上減っているはずなので帰国便では、超過料金は払わずに済みそう。昼食は初めてのメニューとして、鶏のから揚げがでた。過去の宿泊者リストを見てみると、この時期、あまり観光客は訪れない時期らしい。マレーシアが一番多いけど、シンガポールやヨーロッパ、遠くはチリとかから来ているらしい。

昼食後は休憩して、Wifiを立ち上げてみたけど昨日ほどはうまくは接続できず。ただ、時々、つながっていたので、瞬間にメールをチェックして中身を確認しておく。返信はコタキナバルからだな。15時半頃までそんな感じでメールのチェックと調査メモを記録する。

夕方はこれまで調査してきたキナバタンガン川の支流をボートで移動して、川沿いの霊長類を観察。カニクイザル、ブタオザル、テングザルはいずれも複数の群れを観察することができた。サンプリングしていた時には、ほとんど見かけなかったのだけど、夕方になると川沿いでこんなにたくさん見られるのか。おまけでヒヨケザルが低い位置にいて、じっくりと観察することができた。あとで写真を確認したら、顔は吸血中のカで一杯だった。ただ、写真を撮っていたら、途中で電池が切れてしまった。午前中にたくさん写真を撮影したのに充電するのを忘れてしまって、ウガンダと同じ失敗を繰り返してしまった。Coolpixの予備電池もってこようかどうか迷ったのだけど、持ってきておけばよかった。

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18時ごろに宿舎に戻って、後片付け。いつもの夕食後に宿泊費と調査中の所望品などを清算して、帰国準備。あとはお互いに写真のベストセレクションを交換して、保存。今回採集した植物標本の図鑑ができているのは素晴らしい。明日は8時にここを出発する予定。

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キナバタンガン調査7日目 [研究]

今朝は7時出発なので早めに起床。朝食も6時過ぎにはすでに準備されていた。今日も同じメニューで、パンと目玉焼きとミーゴレン。長くても2泊3日のプランのようなので、3日くらいでメニューが変わればいいんだろうな。

今日はMさんチームのボートに乗って調査に出かける。昨夜は雨が降っていなくて、朝も曇り空。調査を開始する前から雨が降ってきた。さすがに調査5日目になるとほぼ落穂ひろいのような調査になるので、レアな個体を探して歩く。オランウータンがマメの仲間の種子をかみ割って食べた後が落ちていた。こんな固いもの噛み割れるのね。途中、何度か激しく雨が降ってきたけど、調査を継続して歩く。さすがに激しく降ると植物標本採取用のカーボンロッドを伸ばせないので、時間がかかる。しかも途中、対象個体が見つからず、ウロウロと調査路周辺を歩き回ったので、余計に時間を食った。湿地林のような場所ばかりで、かなりぬかるんでいて、今回の調査で一番ハードな道のりだった。雨が多い時期はそもそも森に入れないこともあるそうなので、なかなか大変だ。体力があるときにしかできない調査だなあ。

今日は1個体、固いマメをのぞくとすべて成長錐を抜くことができた。ただ、雨の影響とレアな個体を探して歩いての調査だったので、時間をかけた割にはサンプリングできた個体数は多くはなかった。最終日はそんなものでしょう。ほぼ予定のサンプリングはできたようす。結果的には、昨日、ちょっと無理して頑張っておいてよかった。

昼食後はいつものようにサンプル処理。サンプル数が少なかったのでスムーズに終了して、後片付け。データ入力作業や使い終わった調査器具の後片付けなど。植物採集用のロッドは水分をしっかり取り除いておかないといけないらしい。うちの鎌もしっかり整備しておかねば。日本から持ち込んだモバイルWifiが今日になってようやくつながった。どうも時々つながるらしい。いろいろとメールチェックして、査読依頼に返信しておく。ついでにFBにも調査終了の連絡だけ情報をアップしておく。写真は帰国してからだな。

夕食までは、松田さんと明日の打ち合わせと荷物の整理など。明日は予備日なので、朝と夕方にキナバタンガン川沿いで、ボート観察する予定。大資本ばかりではなく、比較的地元資本で運営されているホテルなどもあるらしい。確かに比較的お手軽に動物を観察できる点では便利かも。

夕食後は雑談をして、22時半に就寝。明日は5時半に朝食で、6時からボートに乗る予定。
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キナバタンガン調査6日目 [研究]

昨夜も雨が降ったけど、あまり激しくはなかった様子。6時に起床して、今日の調査準備にとりかかる。成長錐サンプルを入れる際にスムーズに作業ができるようにストローを小分けにしておく。ドローン隊は早朝のクルージングにでかけたらしい。一日くらいはのんびりとテングザル見たり、サイチョウを観察したりしたいところだけど、今日と明日のサンプリング次第かな。今朝もパンと目玉焼きとミーゴレンの朝食。

今日もボートは早めに来て待っていた。このくらい時間に正確に来てくれると仕事もしやすい。昨日と同様に目的の個体を探しながら、途中で見つけた未採集品を採集しながら、Mさんのフェノロジートレイルを歩く。1時間に1本ペースくらいで歩くけど、森の中はぬかるんでいるので、歩くのにかなり苦労する。こんな森の中で定期的に調査しているなんて、すごいなあ。今日は最初に非常に固い個体にあたり、いきなり体力を消耗してしまった。ずいぶんと上達したとは思うけど、まだまだ抜けない個体もいる。明日には抜けるようになるだろうか。

最初は1時に切り上げる予定だったけど、もう1本トレイルを歩いて、結局、2時ごろまで調査を続けた。さすがに最後はほとんど成長錐を抜くにも力が入らず、くたくたになった。予定外だったことは宿舎に戻ってくるとなぜか昼食がキャンセルされていた。どうも同宿の人たちが自分たちの昼飯をキャンセルしたつもりで、私たちの分までキャンセルしていったらしい。仕方がないので、近くのレストラン、シンパンティガまで歩いて出かける。確かに徒歩3分で到着できた。チャーハンとレモンジュースでのんびりとキナバタンガン川を眺めながら過ごす。なかなか料理が出てこなかったので、結構時間がかかったけど、無事にお昼ご飯にありつけた。

昼食後はいつもの通りのサンプリング処理。さすがに4日目で手馴れてきたので、スムーズに作業を進め、夕飯前にはどうにか処理を終えて、就寝。

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キナバタンガン調査5日目 [研究]

今朝はあまり川からテナガザルの鳴き声が聞こえてこなかった。朝食はパンと目玉焼きとミーゴレン。やたらとミーゴレンが多かったのは、昨日の分が含まれていたのだろうか?昨日はボートが来るのが遅くて朝の出発が遅れたけど、今日は7時半にはすでに来ていた。昨日、8時に必ず来るように念押ししたのが効いていた様子。今日はドローンチームの学生も一緒に植物チームと一緒に行動するので、成長錐を抜く作業をしてもらう。

今日は水路沿いではなくMさんのテングザル調査で利用しているフェノロジー調査路を利用して、目的の植物を狙い撃ちで採集していく。陸路で調査といっても湿地林だけあって、そこら中がびちゃびちゃ。ゾウ道も兼ねているので、途中、古いゾウ糞も落ちていたけど、中身に種子が入っているかどうかをチェックするのを忘れてしまった。今日の採集旅行では、14時ごろまでに500mのトレイルを3往復して、これまでに採集していない植物を中心にサンプリング。さすがに3日目になると普通種はほとんど採集しているので、探さないと見つからない。ただ、今回は強力な助っ人がいたおかげで、探している個体以外の同種個体からもサンプリングできたのは素晴らしい。

くたくたになって宿舎に戻って、遅いお昼ご飯。いつもおいしくいただいているけど、これだけ働くとさらにおいしい。昼食後に手分けしてサンプル処理。途中、ドローンチームが戻ってきた。捜索中の品を無事に回収することができたらしい。さすがに今日はたくさんあったので、休憩しながら18時ごろまでかかって、採集品の処理を終える。夕飯は野菜が2品あったのが、ちょっとうれしいポイント。今日は夕食後に会話が弾んで、いつもよりも遅い22時ごろに就寝。日々、成長錐を抜く技術は上がっていると思うけど、さすがに腕力が落ちてきて、常に掌がむくんでいる感じがする。

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キナバタンガン調査4日目 [研究]

早朝に激しい雨で目が覚める。早朝2時くらいだったらしい。6時ごろに起きて、宿舎の周辺をウロウロしてみる。残念ながらサイチョウは見られなかったけど、ミカドバトらしきものが飛んでいくのを見ることができた。今朝はボルネオテナガザルが近くで歌っていた。今朝はミーゴレンがなくて、パンと目玉焼きだけでちょっと寂しい。

8時に出発予定だったけど、ボートが少し遅れて、8時半頃に出発。Mさんの調査ステーションに立ち寄り、昨日から来ていたNさんと一緒にサンプリング調査。今日は昨日の続きで、川沿いを中心に移動して、時々、森の中を少し歩いて、テングザルが利用する上位種を中心にサンプリング。最初の場所でいきなり調査用具を忘れてしまって、帰りに回収する羽目になった。昨日、採集した樹種は一通り覚えたので、川沿いから見える樹種はちょっと見当がつくようになった。今日はテングザルの群れに遭遇した。尻尾が長いなあ。ムジサイチョウの家族が川の上を飛んでいくのを見かけた。

今日は成長錐を3名で対応したけど、固いものはどう頑張っても難しい。いろいろな場所でサンプリングしているAさんですら、ここは固い木が多いとのコメント。そりゃ、わたしなんぞが対応するのは難しい場所だったか。ウガンダでも成長錐を抜いたけど、ここまで苦労した覚えはない。今日は12時半ごろまでサンプリングを続けたけど、二次林でよく見かける樹種ばかりではなかったので、楽しい調査だった。

遅めの昼食後はサンプル処理を進める。今日は順番に水浴びして、作業を交代しながら、効率よく作業を進める。今日は座り方も工夫したので、腰痛も大したことはなかった。今日は午後から雨になったので、洗濯物が乾かなかったけど、まあ、明日は代わりの服で調査しましょう。明日は森の中へ行くので、また新しい樹種に出会う予定。
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キナバタンガン調査3日目 [研究]

朝は近所のニワトリの鳴き声で起床。朝食は7時だったけど、目が覚めてしまったので、川岸へ散歩に出かけてみる。向こう岸からボルネオテナガザルの鳴き声が聞こえてくる。複数の群れがいるのは間違いなさそう。残念ながらサイチョウたちの鳴き声や姿を見ることはできなかったけど、キュウカンチョウらしき鳥が飛んでいく姿は見えた。7時にパンとミーゴレンの炭水化物たっぷりの朝食後、標本サンプリングの準備で荷造り。

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8時から目の前のキナバタンガン川をボートで移動して、Mさんのステーションを見学。ついでに川沿いのキタカササギサイチョウが営巣していたNauclea subditaも観察。1.5mほどの高さのところで営巣していたらしい。ここで営巣木からもサンプリング。その後はボート2台で、標本採集するグループと成長錐を抜くグループとで、テングザルの主な食性に含まれる植物を中心にサンプリング。ボートでの調査は初めてだけど、日中はさえぎるものがないので、とても暑い。ボート沿いで採集を続けるけど、二次林に生えているような植物が多く、あまり面白くはない。ただ、わたしはボルネオでサンプリングしたことはほとんどないので、Tree Flora of Malayaに掲載されている植物を実際に目にすることができるのは楽しかった。Nauclea subditaとか、タイで見ていたNaucleaとは果実サイズが全く違う。

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途中、ズグロサイチョウが近くに止まったのを見ることができた。以前、ハラバラで撮影したのは、かなり遠くにいるのがわかるくらいの写真だったけど、今回はしっかりまつげが見えるくらいの写真になった。あとキタカササギサイチョウの鳴き声も聞こえてきたけど、姿は見ることができなかった。わたしは成長錐を抜く担当だったけど、いくつかの樹種は固すぎて力及ばず、Aさんの助力で抜けたものが多かった。ただ、最終的にはCratoxylonとかは成長錐を抜くことができず、葉のサンプリングだけになってしまった。もうちょっと腕力つけておかないといけなかったか。

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40サンプルほど採る予定だったけど、雨が降ってきたので少し早めに撤退。12時ごろにロッジに到着して、水浴びと洗濯をすませて、ロッジの前のTerminaliaの枝に干しておく。昼食後、買い物に出かけたメンバーと合流してサンプル処理。食堂のスペースを利用して、採集した植物標本の作製と機能形質の測定。さいわい、今回は強力な助っ人がいるので、植物標本の処理はすべて対応してくれた。サンプル数が少なかったこともあり、16時前に終了。ただ、床に座っての仕事だったので腰痛気味。しっかりストレッチしておこう。昼に洗濯した服も夕方にはほとんど乾いていた。

今日の夕食は昨日よりもしっかり量が確保されていたので、お腹いっぱい。ビールもいただいて、夜は日記メモを書き上げる。明日も前半は川沿い、後半はすこし陸地を歩いてサンプリングする予定。明日はサバ州で調査中のポスドクが休暇を過ごしにやってくるらしい。

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キナバタンガン調査2日目 [研究]

日本時間で目覚ましを設定してしまい、7時に起きたつもりが6時だった。朝のうちにメールチェックして、急ぎのものにだけ返信しておく。朝食後、予定通り8時にチェックアウトして、移動用のミニバスを待つ。荷物がすべて乗るかちょっと不安だったけど、無事に積み込むことができた。

最初はKK市内で、順番にお役所巡りをして、調査許可手続き。新しいお役所はリゾート施設と見間違うような外観だった。1時間ほどで無事に終了して、今回の調査の目的地のキナバタンガンへ向けて移動。標本採集用の古新聞や保存用のプラスチックケースなどを探したけど、なかなか見つからず、車で探しながら移動する。途中のホームセンターで古新聞以外の必要なものは一通り購入することができた。

途中、尾根沿いの道を移動し、1,600mくらいの標高帯まで通過した。残念ながら、道端ではあまりおもしろそうな植物は見ることができなかった。途中からはアブラヤシのプランテーションが延々と続いていた。前にボルネオジャングルスクールでKKからラハダツにフライトした際に見えていた景色だろうか。キナバル山は残念ながら雲に覆われていて、はっきり見えなかった。途中、尾根沿いの道をかなりのスピードで移動したけど、大型ダンプを追い越すのに苦労して、バスの乗り換え地点には14時過ぎに到着。遅めの昼食をとり、ここでも古新聞を探して見たけど、見つからないので、今日の新聞をありったけ購入。

ミニバスを乗り換えてから、目的地まで2時間半ほど車で移動。途中、30分ほどうつらうつらしたけど、アブラヤシのプランテーションが続く中、デラマコットのあたりはちょっとだけ高木が見えた。日が暮れた18時ごろに目的地のスカウ村に到着。思っていたほど田舎ではなかった。私たちの宿泊先は、村から少し入った場所でEvergreen Lodgeという比較的新しいロッジだった。こちらで先に調査に来ている別チームと合流。部屋割りを決めて、水浴びをして、夕食。ネットにつなごうとしてみたけど、わたしが持ってきたWifiでは接続できなかった。ここではダメなのか?別メンバーの海外SIM経由で、ネットにつながせてもらい、メール確認して、無事に調査に到着したことを連絡しておく。

明日は川沿いにサンプリングする予定なので、あまり森の中には入らない予定。まずはボートでキナバタンガン川を移動するようなので楽しみ。
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