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タイ調査二日目 [研究]

日本では6時過ぎに起きているので、微妙に時差ボケなのか5時前に目が覚める。この時間帯でも動き出している人はいるので、道路に面している建物だと通行の車がちょっとうるさい。6時半にオーツさんが迎えに来るので荷物を整えて、メールチェック。少し早い時間に部屋から出て、入り口で待つ。昨日の夕方くらいから涼しく感じてきたけど、朝もまだ気持ちの良い天気。これから日中にかけて気温が上がるのだろう。

オーツさん宅で朝食を済ませて、7時にNarongさんと合流して、Kamolさんのまつカオヤイの西側の国立公園サイトに向けて移動。道端でお弁当のおかずを購入して、いつものゲートの手前で東に曲がって、あとは公園の北側を走る道路を進んでいく。カオヤイには長く住んでいたけど、この辺に来るのはほぼ初めて。カオヤイの北側はほとんどが畑になっているけど、そこから見える山の上は乾燥林。こちらはガウルが有名らしく、途中、2か所でガウル像を見かけた。あと観光客用のピサの斜塔もたっていた。

8時過ぎに待ち合わせ場所に到着。駐車場に車を止めて、周辺をうろうろしてみる。カオヤイの標高が高いところではあまり見かけないフタバガキ科のDipterocarpus turbinatus、Dipterocarpus alatus、Hopea odorataとか普通に生えている。乾季の終わりということもあり、森はかなり乾燥している状態だけど、もともとが乾燥林なのだろう。植林された場所で、キタカササギサイチョウのペアを見かける。何かを食べに来ていたらしい。こんな風にやってきて、植林地でもアグライアの実生が増えてきているようす。同じタイミングで、本来ふさふさのしっぽの毛が先端以外ほとんどなくなっていたクロオオリスを見かける。一瞬、ネズミヤマアラシが木に登っているのかと思ったよ。

9時過ぎにKamolさんが到着。お会いするのは多分、タイ南部でポスドクをしていた頃が最後だと思われるので、10年ぶりくらいか。その後、カオヤイで調査中にガウルに遭遇して、かなりの大けがをしてからは以前のような激しい調査はできなくなったそうで、コルセットを常備していた。Kamolさんの設定してある100か所の調査区を適当に案内してもらうことにする。まずはアグライアの個体数が多く、結実木からも近い植林地へ移動。結実個体の位置情報をまとめることができれば、キタカササギサイチョウの種子散布距離を推定することができるかもしれない。この場所であれば、雨季でもアクセスできなくはないので、一度、まじめに検討する価値はありそう。

近くの結実個体に案内していただいてさらに驚く。まだ個体サイズが小さいこともあるけど、結実した果実はほとんどがキタカササギサイチョウに食べられてしまうため、周辺で種子を拾うのは大変らしい。ここではキタカササギサイチョウがおそらくほぼ唯一の種子散布者になるんだろう。去年はあまり結実数が多くなかった様子で、結実個体の周りにも新規の実生はほとんど見られなかった。一方、別の場所の結実個体では、結実数の多かった一昨年に定着したと思われる実生が多数見られた。私が調査していた場所だと結実木周辺だとほとんどヤマアラシが食べちゃうんだけど、ここにはいないわけ?自動撮影カメラをおいてみたら、わかるかもしれないかな。

その後はアグライアの結実個体が近くにはほとんど見られない場所やKhao Laemを越えた先までいかないと結実個体がない場所を案内していただく。この辺は30年位前にアカシアが植林された場所らしい。ここにもいくつか調査区は設定してあるけど、アグライアの実生は見つかっていない。実際にいくつも歩いてみたけど、アグライアの実生を見逃しているとは思えない。ただ、もう少し広い範囲を歩いてみたほうがよさそう。

14時前に森から戻って、屋台で冷たいジュースをいただく。その後はオーツさん宅に戻り、コンビニでシャンプーと替え刃を購入してから宿に戻る。水浴びして、洗濯してから、今日の写真を整理して、忘れないうちに調査記録をメモしておく。

夕食後はポスターを作り始めてみる。明日はカオヤイの二次林を歩いてみる予定。
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