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タイ調査三日目 [研究]

日中はものすごく暑いけど、夜はクーラーを切って寝ても問題ないくらいに涼しい。日本では花粉がたくさん飛んでいる時期なので、タイにいる間にピークが過ぎて欲しいところ。今日も7時に朝食を済ませて、調査に向かう。朝からチャーハンと昨日のラーメンの残りのスープでおなか一杯。昨日も昼食のおかずを購入したところでメニューを選んでいると近くで飼育されているアジアゾウが散歩から戻ってきて、バナナとパパイヤをいただいていた。触れるくらいの距離で見たのは久しぶり。

今日はカオヤイの入口ゲートから、いつもの道を登っていく。途中のイチジクにはオオミツバチの巣板がいくつもぶら下がっていた。そんな時期ですか。明日の朝は忘れずに写真を撮る準備をしておこう。最初にカオヤイで修士課程の研究中の学生のために果実を採集するというので、HQで車を降りて、Antiaris toxicariaの果実を拾う。まだ緑色なのにリスが食べているのか、かなりボロボロ落ちている。きれいに赤く熟した果実はほとんど拾うことができなかった。この木も森の中にはあまりないのだけど、HQには結構大きな個体が2本もあるんだよね。食堂の個体は完全に建物を突き抜けているし。

朝はまずMosingto貯水池の周辺の二次林にでかけてみる。20年前から二次林があるのは知っていたけど、ほとんど歩いたことはなかった場所。最近になって新しくトレイルも整備されたらしく、名札もついていた。へー、これがカオヤイ固有種のSyzygium khaoyaienseなのか。フロラ本で名前は知っていたけど、現物を見たのは初めて。でも野外では普通種との違いがさっぱりわからん。まあ、カオヤイのトレイルについている名札が間違えている可能性はゼロではないからなあ。

トレイルは新しいだけあって、説明版も数か所に設置されていたけど、すでにゾウに破壊されているものも見られた。周りはほとんどが二次林で大きな樹木は少ないし、ゆっくりと実生を探して歩いたけど、昨日の場所とは違って、なかなか見つからない。まあ、ほとんど散布される可能性がなさそうな場所なので、0データでも不思議はない。多分、キタカササギサイチョウがふらっと来るくらいだろうなあ。

標高が高いところもまだまだ雨が少ないようで、森の中は乾燥していた。落ち葉も多いし、林床の実生なんかも葉を垂らしているものがちらほら見られる。この時期はダニが心配なんだけど、あんまりズボンについてこないのはありがたい。トレイルにそってしばらく歩き、HQのほうに抜ける道を出てくるつもりが、途中でどうも分岐点を見逃したらしく、HQを通り過ぎて歩くトレイルに来ていた。30haプロットのすぐ近くまで来ていたので、そちらの営巣木の様子を確認してから、HQに戻るルートに変更。朝一番にGPSでマークした場所を目指して、HQに戻る。さすがに3時間半歩き続けて森を抜けると暑い。

昼食を食べてから、次は少し移動して、ゴルフ場の二次林を歩く。カオヤイで調査中の大学院生が観察していたアグライアの結実個体があるらしい。こんなところも初めて歩くなあ。左手が天然林、右手が二次林になっている尾根沿いのトレイルを歩いていく。オーツさんもめったにここは歩かないらしい。二人で少し離れて、私はトレイルを歩き、オーツさんは二次林側を歩いて進む。アグライアが見つかったら、声をかけて、写真を撮ったりする。ほとんどアグライアは見かけないのだけど、時々、数個体が固まって分布している場所がある。サイズからするとほぼ同じ時期に種子散布されたと考えられるのだけど、営巣木でもなく、たまたまキタカササギサイチョウの家族が立ち寄ったか、食べたばかりのオオサイチョウでも滞在していたのだろうか?

こちらも途中でトレイルから外れてしまい、ゾウ道を通ったりして、ゴルフ場のメイン道路に到着。今日はどこかの大学の測量実習が行われているらしく、日差しを浴びながら複数の学生グループが測量していた。途中からうろうろして体力を消耗したので、今日はこれで終了。オーツさん宅で甘いものをいただいてから、宿に送り届けてもらう。昨日と同様に水浴びして、洗濯して、今日の写真を整理して、調査記録をメモしておく。

明日の朝はオーツさんたちの仕事のお手伝いで、営巣木のブラインドの設定。その後は週末のイベントの準備にPak Chongに買い出しに行くらしい。
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