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IHC2013三日目 [学会]

今朝も6時に起床。ホテルからの眺めはなかなかよろしい。

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朝食後は早めに会場に移動。フィリピンに来る前に発表ファイルやプロフィールを送付したはずなのだけど、何故か受け付けられていないらしい。どうも今回は色々と手続きに二度手間が多い。そんなこともあるかと思ってUSBに最新のファイルをコピーしておいてよかった。

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私が話したセッション

8時スタートのはずだったけど、参加者がなかなか集まらず、結局、10分遅れでスタート。途中、詰まりながらも17分ほどで発表を終える。ほぼ、練習通りの時間だったけど、どのくらい正確に研究の意図が伝わったのかは微妙な感じ。体内滞留時間のデータがどう種子散布距離の推定に使えるのかうまく伝わらなかったかも。確かに飼育個体を利用した研究なんだけど、内容的には基礎生態の話だよなあ。質問は飼育個体を利用した場合と野生個体で体内滞留時間に違いはないのか?とまあありがちな指摘。少なくとも一部の大型種子をつける樹種については、数例の観察記録があり、そのデータとは変わらないので、同じくらいだと期待したいと返答。でも飼育個体は、消化に集中できるので、早くなる可能性もあるし、普段、種子のある果実を食べ慣れていないので、遅くなる可能性もあるかもなあ。

昼食前にポスター発表。各ポスターの内容を参加者に全員に向けて、3分程度で説明し、その後は自由な質疑応答時間。

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タイの修士課程の院生

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フィリピンのサイチョウが食べている果実

午後のセッションで一番インパクトが大きかったのは、カリマンタンでのオナガサイチョウの密猟の現状の報告。少なくとも今年3月までの一年間で数百羽のオナガサイチョウが密猟されて、それらの頭骨がシンガポール、マレーシア、台湾などを経由して中国に輸出されているらしい。こんなペースで密猟が続いたら、あっという間にカリマンタンのオナガサイチョウは絶滅してしまうのではないだろうか?オナガサイチョウの頭骨が何十個も並んでいる写真は衝撃的だった。カリマンタンでの卸値は1つ500ドルだが、中国での末端価格は34,000ドルになるらしい。最初はゼロを一つ読み間違えたかと思ってしまった。問題は最近になってなぜそれほど急激に需要が増えてきたのかという点。

次のソロモン諸島を経由したパプアシワコブサイチョウの取引の話もインパクトのある話だった。2005年に数十羽のパプアシワコブサイチョウが飼育個体から繁殖した第二世代として合法的に輸出されている。しかし、ソロモン諸島には飼育施設は一箇所もなく、それらは野生個体を捕獲したものが輸出された可能性が高い。オウム類を含むと相当数の野生鳥類が違法に捕獲され、合法的な手続きを経た個体として取引されているらしい。

午後の最後はワークショップ形式で、サイチョウ類の個体数をどうやって推定するのかというもの。Stuart Marsdenさんというインドネシアでオウム類やパプアシワコブサイチョウの個体数推定などの調査を行なってきた人の話し。Occupancy modelingとDISTANCEを利用した個体数密度推定の長所と短所について、紹介していた。基本的には、DISTANCEを利用できるような形で調査を行うほうが良いとの話だったけど、サイチョウ類を調査対象として、前提条件をクリアーするのは結構大変ではないかな。参加者からもその辺に関する質問が多数出ていた。

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夕食は昨夜とは別のBBQの店。ただ、昨日と似たり寄ったりの内容でいまいちだったかな。

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