SSブログ

フィールドの生物学18巻 [本]

17巻のクモヒメバチの著者とは違って、こちらは小さい頃からの生き物オタクっぷりが満載の本。ただ、2冊続けて読むと共通点も多いことに気が付く。

湿地帯中毒 身近な魚の自然史研究
著者 中島淳
体裁 B6判 272頁 並製本
本体価格2000円+税
出版社: 東海大学出版会
刊行 2014/10
ISBN978-4-486-01999-2

わたしも小さい頃に川で捕まえたナマズの稚魚や田んぼで捕まえたドジョウなどを自宅の水槽で飼育していたけど、比較にならない。淡水魚が豊富な環境って、あこがれるなあ〜。湿地帯に暮らす生き物への愛にあふれた一冊です。一般向けの生き物観察会などでもカマツカ布教につとめている様子。魚だけではなく、水生昆虫の情報も満載です。こういった生物好きで、学位を持っている人が生物担当者として関わることができる都道府県が増えるとよいなあ。

あと、小さい頃によい図鑑に出会うかどうかは大事。はじめに

第1章 研究のはじまり
 はじまりはカマツカ
  カマツカとの思い出
  津屋崎にて
   コラム・投網の投げ方講座
  カマツカの基礎
   コラム・淡水魚とは?
  九州大学水産実験所
   コラム・九州特産の淡水魚たち
  魚採りの日々
   コラム・川で出会う人々
  絶望魚類学会
  卒論発表会
 迷走修士課程
  仕切り直し
  失敗の山
  標識採捕調査
  人工受精
  卵内発生観察プロジェクト
  筑後川流下ネット計画
  紫色の水
  突撃濁流河川
  かすかな手応え
   コラム・潜水観察入門
  週刊潜水観察
  仔魚の走性
  修士課程のおわりに

第2章 カマツカの自然史
 普通種という視点で
  決断
  いる場所といない場所
   コラム・川での魚類相調査の手順
  三二水系一四三地点の魚類相
   コラム・魚類相調査の秘技
  福岡県の純淡水魚類相
  川の長さと分布の関係
   コラム・初のちゃんとした論文
 初期生態の解明
  親と卵は何時に現れる?
  ソーティング祭り
   コラム・実験所の黄金時代
  産卵のひみつ
   コラム・カマツカ亜科の多様な産卵行動
  卵の驚異的な能力
   コラム・同年代の魚類研究者
  成長する体
  謎の毛
   コラム・国際シマドジョウ会議inクロアチア
 生活史の本丸
  上流にも下流にも
  怒濤の解剖
  やはり異なる生活史
  カマツカの生活史
 カマツカはなぜ普通種なのか?
  普通種と希少種
  広い地理分布を可能にする性質
  その流程分布
  普通種は偶然の産物
  博士課程からの卒業

第3章 ドゼウ狂
 スジシマドジョウの夜明け
  ドジョウへの道
  謎のスジシマ
  さらに謎のスジシマ
  炸裂、岡山平野
  出撃、琵琶湖淀川水系
  突撃、濃尾平野
  最後に山陰
   コラム・学位取得後の日々
  いよいよ開始
  変化する模様
  連立スジシマドジョウ方程式
  和名先行の苦悩
  ついに新種記載
 ドジョウ新時代
  歴史の闇に消えたドジョウ
  「大淀川のシマドジョウ」の復活
  オオヨドシマドジョウ爆誕
   コラム・皆森先生とシマドジョウ
  ドジョウの沼は続く

第4章 湿地帯に沈むまで
 自然史の自習時間
  八王子と北浅川
   コラム・知らないおじさんとホトケドジョウ
  神図鑑との出会い
  思春期の淡水魚
   コラム・その他の趣味、そして悪魔と妖怪
 昆虫採集との出会い
  九州大学生物研究部
   コラム・湿地帯の貴公子おいかわ丸とくろむし屋
  水生昆虫との日々
   コラム・採集禁止と保全
   コラム・新種発見(水生昆虫編)
 博士号取得後の展開
  糊口をしのぐ
   コラム・湿地帯生物と戯れる日々
  そして食いつなぐ
  工学部での日々
  佐渡島の湿地帯
  中国・東チャオシー川の多様な魚類
   コラム・九州の川と生き物
  大学を後にして
   コラム・記載的な自然史研究の意味
 いつまでも湿地帯で

あとがき
引用文献
索引
コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0