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ヤマモモ調査二日目 [日常]

6時の放送で起床。タイ南部にいたころに朝のお祈りの時間に目が覚めるようなものか。体温は36.1度で普通。晴れているけど、天気は下り坂。7時に朝食を済ませて、朝はまずは京大のステーションなどを見学。へー、こんなところに長期滞在して、調査していたのか。これくらいの規模があれば、実習するには十分な広さ。立派なアシダカグモが住み着いている。その後、西部林道内のヤマモモ調査地へ。

今日も道端にサルたちがうろうろしている。どうも途中で倒木があって、通行できない様子。先行していた車が戻ってきていた。私たちはその手前で車を止めて、Wさんの案内で道路から森に入って、海に向かって尾根沿いを下っていく。照葉樹林だけあって、林床は薄暗い。尾根沿いだから比較的明るいんだろうけど。林床には実生だけではなく、緑そのものが少ない。よく見かけるのはハスノハカズラとか、いわゆるシカ不嗜好植物が残っている感じ。樹木の萌芽もほとんど食べられている。なるほどシカが増えるとこんな感じになるのか。シカの糞もよく見かけるし、そもそもシカが私たちを見かけても逃げずにのんびりと反芻していたりする。

途中、炭焼き跡や古い住居跡などあり、人の生活感が残っている場所もある。肝心のヤマモモは大きな個体はそこそこ見られるけど、昨夜のプレゼンで見せてもらったように小さい個体がほとんどいない。今年発芽したくらいの非常に小さい個体は時々見られるけど、それより大きくなった個体が全く見られない。ただ、種子ががんがんと散布されている割には、実生が少ない。石川県だとヤマモモは公園や道路際の植栽くらいしか見ないので、森で見かけるとずいぶんと変な感じがする。

ただし、シカ柵内は明らかに緑が多く、さまざまな実生も多い。シカ柵内はヤマモモだけではなく、他種の実生も多い様子なので、シカの採食の影響は相当にありそう。林内では、マテバシイ、マメガキ、シマサルナシ、シロダモなどの採食痕があった。シマサルナシは初めて見たけど、ほぼキウイだな。ただ、ヤマモモの更新がどこでダメージを受けているのかを調べるとなると、たんに実生を探して個体追跡するのではデータになりそうにない。発芽実験とか、うまく組み合わせる必要がありそう。

2時間ほど森の中を歩いた後は車で別の場所へ移動。確かに倒木で道がふさがれていたけど、ちょうど作業を終えるタイミングだったのでラッキーだった。道路沿いのクロマツが倒れていた様子。ワイヤーをかけて、車で引っ張って、うまく路肩に寄せていた。その後は南部林道などを通過して、昨夜の発表で聞いた電気柵などを見学して、昼食を食べる場所に移動。そこでゼミに参加する教員を残して、残りは昼食を食べに出かけたけど、結局、店に入れずにお弁当を購入してきて食べる。海岸で食べるつもりだったけど、小刻みに天気が変わるので、おとなしく小屋に戻って、食事を済ませる。

ゼミの終了後に学生がお世話になっている農園を訪問して、ヒアリング。東京農大の学生がインターンシップで毎年訪問しているらしい。サルの被害は電気柵でかなり軽減できている様子だけど、ヒヨドリの被害は袋をかけるしかないので、なかなか対応が難しい。居ついているヒヨドリがいると、縄張り防衛行動なのか、ほかのヒヨドリを追い払うので、被害がある程度は軽減されるような話もあるらしい。ただ、群れで訪問されると対応できないだろうから、完全に防衛するなら、袋をかけるしかないんだろな。ヒヨドリも爆発音などにはすぐに慣れてしまうようす。同じ株が狙われるようだけど、糖度などは変わらないようなので、皮が薄いとか、アクセスしやすいとか、何か特徴があるのかもしれない。

17時前に宿舎に戻って、少し休憩。部屋のお風呂を使ってみたけど、なかなか気持ちよかった。夕食は焼肉で、ヤクシカも少しだけいただく。夕食後に買い物をして、20時から地元のTさんによる屋久島紹介。わたしはピライさんたちタイのグループのツアーガイドをしたときに初めてお会いして、その後、2004年の釧路の生態学会でたまたまお会いしたのが最後なので、17年ぶり。90分のスライドショーで、過去の学会の招待講演で話した内容を中心として、屋久島の歴史とか最近の動向など。情報量が多すぎて、フォローしきれないところもあったけど、結果的には翌日、種子島を訪れた際にいろいろとためになる情報も含まれていた。
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