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ESJ61四日日 [学会]

今日は少し早くホテルを出て、大会会場となりの施設を見学。前の職場にいたときの癖で、パネルとか、ライティングばかり気になってしまった。ツアーに組み込まれているのか、朝から家族連れなどが結構、見学していた。

その後はポスター会場をざっと眺めて、総会に参加。任意団体としての日本生態学会の解散を見届ける。全国委員から理事に名前が変更になるとなんだかえらそうだ(笑)。授賞式の後は一旦、ポスター会場でいくつか気になっていたポスターを見る。小さいジャングルジムは林業試験場にもあるけど、カタツムリいたかなあ。その後は広島から鹿児島への実行委員会の打ち合わせに参加。鹿児島大会の日程だとうちの大学の卒業式とかぶってしまうので、卒研生を生態学会で発表させるのはどうしたものか。次回大会は鹿児島大学での開催になるので、コンベンションセンターのような場所を利用するのとはまた違った苦労がありそう。

午後は種子散布の自由集会に参加。正直、受賞講演の裏番組として開催されているし、今年の宮地賞や奨励賞はそうそうたるメンバーだったので、参加者がかなり少ないことを覚悟していた。けど、最終的には立ち見が出るくらいの盛況だった。60名くらいの参加者の半数くらいは学生の参加者だった様子。ただ、学生さんには宮地賞や奨励賞を聴いて欲しかった気もするのがなんとも。

最初に企画者の一人である小池さんからイントロとして、自分のツキノワグマの糞に含まれた種子の運命の話題を絡めながら、散布後の種子の運命を評価することの重要性について紹介。その後は、星崎さんのトチノキの種子散布の話題提供。最初に会場の参加者に手を上げてもらっていたけど、星崎さんがこれまでにまとめた種子散布関係の研究をほとんど知らない人が半数程度いた。その大部分が学生だったので、かなり年齢層が若い人たちが多数参加していたのは間違いなさそう。

星崎さんの論文は時々引用するし、種子散布がらみの論文はすべて読んでいるのだけど、プレゼンで話を聞くのは初めて。星崎さんが学位を取得した頃は、ちょうどタイにいたから、話を聞いていない。学位取得後も続けていたトチノキの研究について、かなり詳細に話していただいた。やっぱ10年というのは、ある程度、意味のある調査継続年数なのかもしれない。まあ、学生さんがどう思ったかは別問題。

次は直江さんが小川で取り続けた種子トラップと実生の生残追跡データに基づいた多種間比較の話題提供。わたしは初めて見たデータだけどいろいろと楽しいそうな内容が含まれている。ただ、未入力のデータもかなりありそうなので、そちらをさっさと処理してしまうことが必要かな。わたしもサイチョウの巣穴周辺の実生の成長量データはまったく論文化していないので、あまり偉そうなことはいえんけど。

その次は鈴木さんが愛知県のシデコブシ集団を対象にした分子生態学的手法を利用した花粉散布・種子散布距離の推定とその後の実生の運命。鈴木さんの論文は読んでいないので、きちんと目を通しておく必要がありそう。サンプル数が少ないとはいえ、花粉・種子散布距離を推定した貴重な研究。自動撮影カメラで潜在的な種子散布動物も調査している。確かに林床の果実は数が多すぎるけど、それほどおかしな動物が食べに来ている感じはしなかった。

最後にコメンテータの清和さんが母樹からの距離と病原菌の効果と実生の生存についてを検討した研究内容の紹介と東北での検証実験についての結果を紹介。まったく基礎知識がない人だとちょっと内容的に難しかったのではないだろうか?

その後はもう一度実行委員会の打ち合わせに参加してから懇親会会場へ移動。うーん、あっという間に食べ物がなくなってしまった。懇親会会場でも簡単に別の打ち合わせをしてから、自由集会の懇親会に参加。学会の懇親会の裏なのにかなり参加者がいるなあ。来年度は森林総研に種子散布関係のPDが集まるようなので、とても楽しそう。複数名のPDがいるとその中でいろいろと議論できるし、その環境を有効活用して、バンバン論文かいてください。

うちの研究室は鳥の種子散布の研究者を育てる必要があるのかなあ~。