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神戸移動日 [学会]

夕方からの神戸行きの準備で荷造り。天気は良さそうだけど、気温はそれほど高くはなさそう。厚手のコートは持っていきたくなので、できるだけ軽装にしておく。昨夜、完成させたポスターをA4サイズでプリントアウトして、文字がずれたりしていないかを確認。一応、PDFファイルにも変換しておく。これで安心。ただ、今回もポスターは張るだけで、ほとんど説明している時間はなさそう。

またしばらくいないので、ヤマナメクジたちにエノキをあげる。しばらく気温は低めなので、それほど活発に活動することはないだろう。ヤマコウラナメクジ?が産卵しているので、こちらは慎重に卵を別のケースに移す。一応、一年間は累代飼育することはできたけど、複数個体を同じケースで飼育していたので、どの個体が産卵したのか不明。林業試験場では、乾燥したのか明らかに個体数が減った気がするので、今年も注意してみておきたい。

午前中に会議を一つ終わらせ、研究室前の廊下がワックスがけに入る前に帰宅して、移動準備。どうも最近、学会事務局あてのメールが遅れてくると思ったら、不調だった様子。まあ、直前で対応できてよかったと思うべきか。夕方の電車に乗って神戸に向かう。天気が良いのは良いけど、花粉が心配。20時ごろにホテルに到着。遅い夕食を食べて、明日の代議員会資料に目を通す。

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タイ調査帰国日 [研究]

離陸直後からグリーンブックを見てしまったので、2時間ほど仮眠をとっただけで朝食の時間になる。まあ、昨日はカオヤイからの移動のタクシーの中でも仮眠をとったので、それほど眠いわけではない。朝食後はVenomを見ている間に羽田に到着。良い天気だけど、花粉がいっぱい飛んでいそう。羽田ではいったん荷物を受け取ってから国内線に移動。ピライさんからお土産にタイ米を1kgもらったのだけど、植物検疫で没収されてしまった。去年から厳しくなったんだった。バンコクにいる間に確認しておけばよかった。

今回、羽田経由を初めて利用してみたけど、短期間の滞在であれば、往復ともに真夜中便でもなんとかなりそう。電車に4時間揺られることを考えれば、小松までの1時間のフライトと自分で車を運転するほうがずっとらく。何よりも小松空港でのチェックインが楽なので、今度、タイに行くときには、また利用を考えてみたい。小松行きは少し遅れた程度で、無事に到着。曇り空だけど、雨は降っていなかったし、何より寒くはない。ほぼ予定通り10時半ごろに自宅に到着。

明日は通常業務に復帰して、ポスターを作らないと。
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タイ調査六日目 [研究]

6時前からうろうろと動き出す人が出てきたけど、まだ暗いのでしばらくは外から聞こえてくるシロテテナガザルの鳴き声が楽しむ。明るくなってきたので、6時半ごろからカメラをもって、キタカササギサイチョウの鳴き声がするほうに向かって散歩する。ゴルフ場方面に向かって移動しているとシワコブサイチョウの羽音。日の出直後の空をオスが飛んできてきれいだったけど、写真は撮れず。止まった先にキタカササギサイチョウが見えたので、ゆっくりと近づいていくと、何羽も飛んでくるのが見えた。群れでいるらしい。驚かさないように近づいて観察してみると、クワ科のツルの果実を食べていた。キタカササギサイチョウ、これ好きなんだよね。まだ熟している果実が少ないので、探し回っている様子。

写真を撮りながらしばらく待っていると何羽もやってきて、最終的には20羽ほどが同じ果実を食べていた。カオヤイに住んでいた頃にもこんな近くで見たことないなあ。まだ薄暗い時間帯だったけど、キタカササギサイチョウが複数羽でいる写真は撮ったことがなかったので、たくさんシャッターを切った。もうちょっとシャッタースピードを上げたほうが与勝他ものもあったけど仕方がない。果実をほうり投げているところはもうちょっとうまく撮影したかったなあ。と、背後で物音がするので振り返ると、大きなオスのサンバーが歩いてきた。泥浴びした直後なのか、かなりドロドロの体をしていた。

7時に宿舎に戻って朝食を済ませて、7時半に出かけるスタッフたちを見送る。わたしは10時にカオヤイを出発する予定なので、それまでに昨日の調査メモとVijakさんから依頼された関連文献を探しておく。タイにいる間にできることは済ませておきたい。10時に予定通り宿舎を出発して、プラチンブリ方面に向かう。こっち方面の道路に来るのも15年ぶりくらいではなかろうか。この道も何十回とアジアゾウの糞を調べるために通ったのでよく知っているけど、新しく塩場が作られていたり、いろいろと変わっているところもあった。古くからある塩場には真新しいゾウの糞が落ちていた。

プラチンブリ方面のゲートを抜けてからもずいぶんと景色が変わっていた。こちらもリゾート施設が増えたようす。ピライさんのところに2時に到着する予定だったのだけど、ドライバーの方がバードウオッチャーということもあり、バンコクの手前の探鳥地Pak Phliに立ち寄る。Black kiteが有名といっていたけど、それってトビだよなあと思いながらも、バンコクに早くついても仕方がないので、連れて行ってもらう。

昔は湿地帯だったところを土地改良して植林しているようす。その水路とかにいる鳥やトビが飛んでいる様子を車で移動しながら眺める。コサギ、チュウサギ、ダイサギ、ムラサキサギ、インドトサカゲリ、アジアコビトウ、スキハシコウなんかがうろうろしていて、時々、カワセミやアオショウビンが見られた。電線にはミドリハチクイとかオウチュウが止まっていた。オニバスやスイレンの上を歩いている鳥がいると思ったら、アジアレンカクだった。なるほど、こんな環境に暮らしているのか。30分ほどうろうろして、普段、森の中では見ることが少ない鳥たちをいろいろとみることができた。

ところが土曜日だというのにバンコク市内へ入るところで渋滞につかまる。結局、予定よりも30分遅い時間にピライさんと合流。遅い昼食をいただきながら、簡単に今回の調査報告と今後の調査の打ち合わせ。新しく何かを始めるよりも既存のデータをうまく活用したほうがよさそう。実生枠データは解析してみて、4種と1種の場所で比較してみよう。ただ、森の樹種構成がそもそも大きく違うので、どのような形で比較するのかはちと難しい。

18時前から近くのタイ料理屋で夕食。この辺もいろいろと変わっているなあ。ピライさんたちはサラワクで新しく共同研究を行っているのだけど、5年間で自立したシステムを確立できるかどうかはここ数年間の頑張りにかかっている様子。水上ボートで6時間はなかなかしんどいなあ。ただ、サラワクでもいい森にはまだサイチョウたちが暮らしていて、繁殖もしているらしい。

19時過ぎにカオヤイから連れてきてもらったタクシーに迎えに来てもらって、空港まで送ってもらう。わたしがピライさんと打ち合わせしていた4時間ほどの間もタクシーとして仕事していたらしい。土曜日だというのに渋滞していたけど、20時前に空港に到着。さっさと荷物を預けて身軽になってから、ラウンジで調査メモをまとめてしまう。いつものコーヒーをお土産に買い足して、フライト待ち。予定通りの時間に離陸して、帰国の途につく。
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タイ調査五日目 [研究]

今日は宿を移動するので、メールをチェックしてから荷造りを済ませる。7時に朝食を食べてから、残りの調査で使う荷物と日本に持ち帰る荷物に区別してパッキングする。今回は天気にも恵まれたので、多く持ってきすぎた調査服とTシャツは置いていくことにする。前回、カオヤイに置いていった双眼鏡は修理が必要なので、私が今回持ってきたものと交換する。8時に迎えに来るのかと思って、荷造りを終えて待っていたけど、9時だったらしい。1時間ほど写真を整理したりして過ごす。別の部屋には宿泊していた女性も支払いをしていたのだけど、蚊がめちゃくちゃ多かったと言い残して去っていった。確かに私の使っていた部屋でも1階のトイレには蚊がたくさんいた。

道路際でキタカササギサイチョウが営巣木に来ているというので、止めてもらって、写真記録を残しておく。まあ、かなり遠いけど、いるのはわかるかな。かなり高いところなので、道路のすぐ近くでもあまり気にしないのかもしれない。道路際の塩場を通り過ぎたときにDipterocarpus gracilisの巨木が幹折れしていたことに衝撃を受ける。オーツさんに確認したところ、数年前に折れたらしい。こういうのを見ると時間の流れを感じるなあ。シワコブサイチョウとキタカササギサイチョウが営巣したそうなので、もともと中に広い空洞があって折れやすかったのかもしれない。20年前と同じ構図で写真記録を残しておく。

今日もまずAntiaris toxicariaの果実を拾って、その後、ビルマサイチョウの営巣木の確認。2ペアが使おうとしているところらしく、どちらも繁殖を開始していないらしい。巣に到着したら、ちょうど営巣木の様子を見に来ていたメスがいた。これで今回の滞在中に4種とも肉眼でしっかり確認できた。まだ営巣は開始していないようす。次は今日の宿にまで移動して、その近くの営巣木の確認。この辺もわたしはあまり歩いたことがない。カオヤイに住んでいた頃は自分の調査ルートを歩き回るので精いっぱいだったから、あまり余裕がなかったということもある。こちらも残念ながらまだ営巣は開始していなかった。

昼食時にサイチョウチームの他のメンバーと合流して、午後の仕事の打ち合わせ。明日は営巣木の観察をするグループと営巣木を探すグループが午前と午後にわかれて活動するらしい。わたしは昨日、オーツさんと訪問したテレビ塔周辺の営巣木の下見についていく。昨日とは完全に真逆の順番に歩いたので、位置関係がようやくわかった。ただ、どうも目的地を間違えていたらしく、私たちがブラインドを設置していないほうの営巣木についてしまった。そこからは昨日のGPSの位置情報を頼りに歩いて、目的地に到着。予定よりも時間がかかってしまった。

下見を終えて、ほかのグループと合流するために待っているとゴルフ場にゾウが出ているらしいとの情報で、観光客の車がやってくる。わたしたちも見に行ってみると確かに立派なアジアゾウが芝生から森に入っていくところだった。こんな明るい環境でしっかりと見たのは久しぶりだなあ。1頭だけのようで、しばらくウロウロしたあと森の中へと消えていった。まだ宿の部屋が確定していないということで、木陰でだべっている。Polyalthiaがたくさん果実をつけていたので、その写真をとって、コウラウンの写真を撮っていると目の前の茂みが動く。さっきのアジアゾウが戻ってきた。そのままゆっくりと池に歩いていき、水浴びを始める。といっても水が少ないので、体を完全に横たえて、水につかっているような感じ。じっとされていたら、まったく気が付かんな。

宿舎は2段ベッドが並んだ36人が宿泊できる大部屋。ブタオザルが入ってくるので窓を開けっぱなしにしてはだめらしい。カオヤイだと夜は冷えるので、まだ暑さを感じているうちに水浴びを済ませてしまう。明日からのトレーニングプログラムに参加するグループがまだ到着しないので、夕飯までの時間はブタオザルの写真を撮影して過ごす。HQ周辺に居ついているグループかな?ちょっと近づきすぎたら、オスに怒られてしまった。

夕食後はVijakさんがサイチョウとサイチョウプロジェクトの紹介。国立公園の紹介ビデオはよくとれている映像なんだけど、違う営巣木の映像をつなげてあるのは、見る人が見ると気が付いてしまうなあ。1時間ほどのプレゼンの後はオーツさんが明日のプログラムについて紹介。話しなれているなあ。プレゼンの後、Vijakさんから去年、カオヤイでデータを収集していた修士の大学院生のデータにコメントが欲しいとのことで、図表を見せてもらう。本当は研究を開始する前に相談してくれると助かるんだけど、終わったことは仕方がない。発芽実験は積算発芽率のグラフのほうがわかりやすそうだし、オオサイチョウとキタカササギサイチョウでわけられるのであれば、わけて提示したほうが良いかな。ただ、サンプル数はかなり少なそうなので、難しいか。アグライアのシードシャドウを調べた研究は結実個体の位置情報がどうなっているのか見ないと何とも言えなさそう。ただ、そんなにおかしなデータにはなっていない気はする。ここ数日は22時には寝ていたので、23時になると眠い。

明日はトレーニングに出かけるスタッフを見送ってから、わたしはバンコクへ移動。バンコクでピライさんと今回の調査と今後の打ち合わせをして帰国する予定。
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タイ調査四日目 [研究]

今朝も6時前に起床。7時前にオーツさん宅へ移動して、朝食。今日は週末のトレーニングプログラム用の営巣木での観察に備えてブラインドを修理するお手伝いとその近くのアグライアを見てまわる。山歩き3日目になるとかなり体がスムーズに動くなあ。Khao Kheioに向かう道に来るのは前職で来ていた頃なので、10年ぶりくらい。途中、バードウオッチャーのグループが道路上のセキショクヤケイを観察していたけど、私たちが通過したら森の中に逃げ込んでしまった。

車を降りてからは、まずはオオサイチョウの営巣木を目指して森の中を歩く。途中、オオサイチョウやキタカササギサイチョウの鳴き声が聞こえていた。ブラインドが見えて、中に入って巣の様子を写真撮影しようとするとちょうどオスが給餌にやってきた。最大望遠にしてみたら、さすがに手ぶれしていたけど、Coolpixだと余裕で撮影できるなあ。あとで拡大してみたら、イチジクの果実を運んできていた様子。こちらは去年のブラインドを修理するだけなので、それほど時間がかからず、次の調査地へ移動。

巣穴へ移動する前に昨日、歩き疲れて通り過ぎた二次林の中を歩いてみる。数個体だけどアグライアの実生と少し大きくなってから一度刈り取られた個体を発見。こんな小さい森でもあるところには実生があるということか。まあ、キタカササギサイチョウはこの辺でもよく見かけるので、運んでくるのかもしれない。

次の巣穴はカオヤイのテレビ塔のところから森へ入る。たまたまカオヤイで調査を始めた1998年にご近所さんとして暮らしていたサーさんにお会いした。最後にお会いしたのは2002年なので、17年ぶりか。長期滞在していた頃の知り合いということもあり、「今回は何箇月いるんだ?」と聞かれた。そうだよなあ、あの頃の滞在基準は数か月単位だったからなあ。

こちらではビルマサイチョウ(本当は分離されたので、別の和名が必要なんだな)の営巣木でブラインドを設定。先ほどのオオサイチョウの営巣木よりはずいぶんと小さく見えるけど、昨年、オーツさんが修理したらしい。ブラインドを設定中、近くでビルマサイチョウの鳴き声が聞こえていたけど、給餌は確認できなかった。ブラインド設定後もしばらく観察してみたけど、訪問は見られなかった。その後は周辺の営巣木をいくつか確認しながら車に戻る。同じ木にシワコブサイチョウとキタカササギサイチョウが営巣しているらしい。あんな近くでも気にならないんだね。最後に訪問したGH38は1998年に調査を開始したころに何度か通ったので懐かしい。でもWH29のデータと一緒に論文化されずに眠っているんだよね。

テレビ塔で昼食を食べてからは33Kポイント付近へ移動して、アグライアのちょっと不思議な個体を見学に出かける。通常、結実個体の周辺にはほとんど実生が見られないのだけど、この個体の周辺には若い実生がたくさんあるらしい。落下した種子がヤマアラシに食べられないのか、食べつくせないほど落下しないとそんな現象にはならないはずなんだけどな。ただ、実際にその個体の周辺を歩いてみると、今まで見たことがない密度で2年生くらいの実生が見られる。オーツさんによると最初に発芽したばかりの頃には、踏まずに歩けないくらいの密度だったらしい。ただ、大きくなっている個体は全く見られないので、なんらかの密度効果が効いているのかもしれない。経験上、アグライアの実生の葉に食痕は少ないのだけど、ここの個体はやたらと葉に穴が目立つ。いろいろと考えが浮かぶけど、また結実時期が終わったころに見てみたい。

宿舎に戻ってからはいつものように水浴びと洗濯。その後は写真を整理して、調査メモを残す。最近は海外調査の時には野帳を新しくしていたのだけど、今回は普段の続きで使ってしまったのが失敗。新しい野帳なら1冊に収まるくらいの分量だった。

夕方からパクチョンに買い出しに出かけたので、ついでにお土産用のタイ料理のもとを購入。以前、日本語新聞を取り置きしておいてくれた本屋のおじさんは相変わらずだった。お土産用の虫スナックがスーパーになかったので、店員に聞いてみたら、スマホでさっと調べてくれて、コンビニにあると教えてくれた。さっそく行ってみると確かに売っていた。ハイソーというらしい。2種類の味付けを購入して、お土産にする。夕飯のデザートはカオニャオマムアンとカオニャオドリアンを贅沢にいただきました。調査しているけど、食べる量が増えているので、結局、体重はかわらないかな。
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タイ調査三日目 [研究]

日中はものすごく暑いけど、夜はクーラーを切って寝ても問題ないくらいに涼しい。日本では花粉がたくさん飛んでいる時期なので、タイにいる間にピークが過ぎて欲しいところ。今日も7時に朝食を済ませて、調査に向かう。朝からチャーハンと昨日のラーメンの残りのスープでおなか一杯。昨日も昼食のおかずを購入したところでメニューを選んでいると近くで飼育されているアジアゾウが散歩から戻ってきて、バナナとパパイヤをいただいていた。触れるくらいの距離で見たのは久しぶり。

今日はカオヤイの入口ゲートから、いつもの道を登っていく。途中のイチジクにはオオミツバチの巣板がいくつもぶら下がっていた。そんな時期ですか。明日の朝は忘れずに写真を撮る準備をしておこう。最初にカオヤイで修士課程の研究中の学生のために果実を採集するというので、HQで車を降りて、Antiaris toxicariaの果実を拾う。まだ緑色なのにリスが食べているのか、かなりボロボロ落ちている。きれいに赤く熟した果実はほとんど拾うことができなかった。この木も森の中にはあまりないのだけど、HQには結構大きな個体が2本もあるんだよね。食堂の個体は完全に建物を突き抜けているし。

朝はまずMosingto貯水池の周辺の二次林にでかけてみる。20年前から二次林があるのは知っていたけど、ほとんど歩いたことはなかった場所。最近になって新しくトレイルも整備されたらしく、名札もついていた。へー、これがカオヤイ固有種のSyzygium khaoyaienseなのか。フロラ本で名前は知っていたけど、現物を見たのは初めて。でも野外では普通種との違いがさっぱりわからん。まあ、カオヤイのトレイルについている名札が間違えている可能性はゼロではないからなあ。

トレイルは新しいだけあって、説明版も数か所に設置されていたけど、すでにゾウに破壊されているものも見られた。周りはほとんどが二次林で大きな樹木は少ないし、ゆっくりと実生を探して歩いたけど、昨日の場所とは違って、なかなか見つからない。まあ、ほとんど散布される可能性がなさそうな場所なので、0データでも不思議はない。多分、キタカササギサイチョウがふらっと来るくらいだろうなあ。

標高が高いところもまだまだ雨が少ないようで、森の中は乾燥していた。落ち葉も多いし、林床の実生なんかも葉を垂らしているものがちらほら見られる。この時期はダニが心配なんだけど、あんまりズボンについてこないのはありがたい。トレイルにそってしばらく歩き、HQのほうに抜ける道を出てくるつもりが、途中でどうも分岐点を見逃したらしく、HQを通り過ぎて歩くトレイルに来ていた。30haプロットのすぐ近くまで来ていたので、そちらの営巣木の様子を確認してから、HQに戻るルートに変更。朝一番にGPSでマークした場所を目指して、HQに戻る。さすがに3時間半歩き続けて森を抜けると暑い。

昼食を食べてから、次は少し移動して、ゴルフ場の二次林を歩く。カオヤイで調査中の大学院生が観察していたアグライアの結実個体があるらしい。こんなところも初めて歩くなあ。左手が天然林、右手が二次林になっている尾根沿いのトレイルを歩いていく。オーツさんもめったにここは歩かないらしい。二人で少し離れて、私はトレイルを歩き、オーツさんは二次林側を歩いて進む。アグライアが見つかったら、声をかけて、写真を撮ったりする。ほとんどアグライアは見かけないのだけど、時々、数個体が固まって分布している場所がある。サイズからするとほぼ同じ時期に種子散布されたと考えられるのだけど、営巣木でもなく、たまたまキタカササギサイチョウの家族が立ち寄ったか、食べたばかりのオオサイチョウでも滞在していたのだろうか?

こちらも途中でトレイルから外れてしまい、ゾウ道を通ったりして、ゴルフ場のメイン道路に到着。今日はどこかの大学の測量実習が行われているらしく、日差しを浴びながら複数の学生グループが測量していた。途中からうろうろして体力を消耗したので、今日はこれで終了。オーツさん宅で甘いものをいただいてから、宿に送り届けてもらう。昨日と同様に水浴びして、洗濯して、今日の写真を整理して、調査記録をメモしておく。

明日の朝はオーツさんたちの仕事のお手伝いで、営巣木のブラインドの設定。その後は週末のイベントの準備にPak Chongに買い出しに行くらしい。
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タイ調査二日目 [研究]

日本では6時過ぎに起きているので、微妙に時差ボケなのか5時前に目が覚める。この時間帯でも動き出している人はいるので、道路に面している建物だと通行の車がちょっとうるさい。6時半にオーツさんが迎えに来るので荷物を整えて、メールチェック。少し早い時間に部屋から出て、入り口で待つ。昨日の夕方くらいから涼しく感じてきたけど、朝もまだ気持ちの良い天気。これから日中にかけて気温が上がるのだろう。

オーツさん宅で朝食を済ませて、7時にNarongさんと合流して、Kamolさんのまつカオヤイの西側の国立公園サイトに向けて移動。道端でお弁当のおかずを購入して、いつものゲートの手前で東に曲がって、あとは公園の北側を走る道路を進んでいく。カオヤイには長く住んでいたけど、この辺に来るのはほぼ初めて。カオヤイの北側はほとんどが畑になっているけど、そこから見える山の上は乾燥林。こちらはガウルが有名らしく、途中、2か所でガウル像を見かけた。あと観光客用のピサの斜塔もたっていた。

8時過ぎに待ち合わせ場所に到着。駐車場に車を止めて、周辺をうろうろしてみる。カオヤイの標高が高いところではあまり見かけないフタバガキ科のDipterocarpus turbinatus、Dipterocarpus alatus、Hopea odorataとか普通に生えている。乾季の終わりということもあり、森はかなり乾燥している状態だけど、もともとが乾燥林なのだろう。植林された場所で、キタカササギサイチョウのペアを見かける。何かを食べに来ていたらしい。こんな風にやってきて、植林地でもアグライアの実生が増えてきているようす。同じタイミングで、本来ふさふさのしっぽの毛が先端以外ほとんどなくなっていたクロオオリスを見かける。一瞬、ネズミヤマアラシが木に登っているのかと思ったよ。

9時過ぎにKamolさんが到着。お会いするのは多分、タイ南部でポスドクをしていた頃が最後だと思われるので、10年ぶりくらいか。その後、カオヤイで調査中にガウルに遭遇して、かなりの大けがをしてからは以前のような激しい調査はできなくなったそうで、コルセットを常備していた。Kamolさんの設定してある100か所の調査区を適当に案内してもらうことにする。まずはアグライアの個体数が多く、結実木からも近い植林地へ移動。結実個体の位置情報をまとめることができれば、キタカササギサイチョウの種子散布距離を推定することができるかもしれない。この場所であれば、雨季でもアクセスできなくはないので、一度、まじめに検討する価値はありそう。

近くの結実個体に案内していただいてさらに驚く。まだ個体サイズが小さいこともあるけど、結実した果実はほとんどがキタカササギサイチョウに食べられてしまうため、周辺で種子を拾うのは大変らしい。ここではキタカササギサイチョウがおそらくほぼ唯一の種子散布者になるんだろう。去年はあまり結実数が多くなかった様子で、結実個体の周りにも新規の実生はほとんど見られなかった。一方、別の場所の結実個体では、結実数の多かった一昨年に定着したと思われる実生が多数見られた。私が調査していた場所だと結実木周辺だとほとんどヤマアラシが食べちゃうんだけど、ここにはいないわけ?自動撮影カメラをおいてみたら、わかるかもしれないかな。

その後はアグライアの結実個体が近くにはほとんど見られない場所やKhao Laemを越えた先までいかないと結実個体がない場所を案内していただく。この辺は30年位前にアカシアが植林された場所らしい。ここにもいくつか調査区は設定してあるけど、アグライアの実生は見つかっていない。実際にいくつも歩いてみたけど、アグライアの実生を見逃しているとは思えない。ただ、もう少し広い範囲を歩いてみたほうがよさそう。

14時前に森から戻って、屋台で冷たいジュースをいただく。その後はオーツさん宅に戻り、コンビニでシャンプーと替え刃を購入してから宿に戻る。水浴びして、洗濯してから、今日の写真を整理して、忘れないうちに調査記録をメモしておく。

夕食後はポスターを作り始めてみる。明日はカオヤイの二次林を歩いてみる予定。
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タイ調査初日 [研究]

機内ではウトウトした後、朝食を食べてから機内映画(ファンタビ)を見ている間にバンコクに到着。さすがに5時前だと暗い。空港で3万円を両替したけど、あんまり交換率はよくないなあ。まあ、今回の滞在費には十分だろう。入国審査後にすぐに移動しても研究室に人が来ている時間ではないので、空港内カフェでコーヒーを飲みながらメールチェックとかして1時間ほど過ごす。

6時半ごろになって周囲も明るくなってきたのでタクシー乗り場に移動する。すっかり様子が変わっていて、タッチパネルで希望するタクシーの種別を選択して、印字されたレーンに移動するシステムになっていた。大学だとわかりにくいので、病院までとお願いして、タクシーに乗り込む。さすがに早すぎるかと思っていたけど、渋滞していたので、空港から1時間ほどで大学に到着。すでに研究室には人が来ていたのでご挨拶。荷物を置いて、朝食を食べに食堂に降りて、そこでも朝食中の他のメンバーにご挨拶。わたしもおかずかけご飯(25バーツ)をいただく。前に来た時よりもさらに値上がりしているかな?

朝食後、9時から車で移動することになったので、今回の滞在中のスケジュールを確認。わたしが見たいと思っていた植林地はいままでの調査地からはかなり遠いところにあるらしい。まったく訪問したことがないカオヤイの西側だなあ。アグライアもたくさんあるようなので、ぜひ見ておきたい。あとは報告書用の実生枠データを受けとったので、今回の訪タイの目的の半分は達成された。ピライさんのスケジュールに合わせて、カオヤイから7日に戻ってくるか、フライト直前の9日の午後に戻ってくるのかになりそうなので、実質、森をうろうろできるのは明日からの3日間。うまくいけば、推定した種子散布距離をサポートするようなデータが得られると思うのだけどなあ。

オフィスから車でNarongさんの運転する車でPak Chongを目指す。えーと前回、こちらに来たのは、アグライアの生存を調べに来た時だから2015年12月か。移動中はNarongさんがでかけたサラワクやフィリピンの調査の話を聞く。ピライさんがもう72歳なんだけど、Narongさんも来年には60歳になるとのこと。そんな年齢だったっけか。60歳でまだまだフィールドワークをバリバリやっているのは元気で何より。途中、トイレ休憩をはさんで11時40分ごろにPak Chongに到着。さすがに暑い。豚肉チャーハンをいただき、オーツさん宅へ移動。いつもの宿に部屋をとってもらっていたけど、今日は新築された新しい部屋だった。

夕食までの時間は日本で終わらなかった査読仕事に専念して、レポートをほぼ書き上げる。明日は7時に出発して、2時間ほど移動した場所にあるカオヤイの西側の森を見てくる予定。
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タイ調査移動日 [研究]

朝は大学に出かけてヤマナメクジの体重測定。3月になったのをすっかり忘れていた。孵化していなかった卵は何かキノコバエのようなものが発生してしまい、みんな食べられている様子。うーん、卵を移動させたときに付いたのかもしれないけど、こいつらの卵はどこから来たのだろうか?ほぼ密閉してある容器だから、この容器に移動させてから卵を産まれたとは思えないのだけどなあ。2時間ほどで作業を終えたので、調査用の双眼鏡とGPSをもって帰宅。東京マラソンはちょうど30キロ手前くらいから見ることができた。

今回は小松から羽田経由でバンコクに移動するフライトを初めて利用してみた。夕方に自宅を車で出発して、国際線専用駐車場に車を止める。入り口から一番近いところが1台分空いていたので、ラッキーだった。それでも空港の入り口までそこそこ距離があるので、雨が降っていなくてよかった。レンタルWifiを回収して、荷物をすぐにチェックインしてしまう。羽田でもANAで乗り継ぐので、バンコクまでそのまま移動できるので楽。ちょっと余裕をもってきすぎたので、保安検査前にあるラウンジで時間をつぶす。せっかくのカードだから有効活用せねば。

定刻よりも少し早い時間に離陸して羽田に向かう。今日は能登のほうへ飛んでから羽田に向かうルート。ちょっと揺れていたみたいだけど、ニュースを聞きながらウトウトしているうちに羽田に到着。こちらも雨。国際線ターミナルへの連絡バスに乗って、夕食を食べる場所を探す。ちょうど混んでいる時間帯だったので、空いていた洋食屋さんで、エビグラタンで夕食にする。あとは出国審査を済ませて、出発ゲートで待機。

夜中のフライトは手続きにかかる時間が少ないのは便利。あとはバンコクについてからの体力の問題か。まあ、夕方から電車で4時間かかけて関空に移動するよりはずっと楽ちんかな。明日も早朝にバンコクに着くから入国審査はそれほど時間がかからないだろう。ただ、明日の間にカオヤイまで移動する予定なので、そちらのほうが結構大変かもしれない。



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