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ヒヨドリの糞内容分析をした [日常]

今日は夕方に会議があるので、回収したヒヨドリの糞内容分析をやってしまうことにする。先週、自宅の畑と大学キャンパス内で回収しておいて、今週、研究室配属の3年生に予備調査として、分析してもらうつもりだったけど、オンライン講義中なので仕方がない。例年だと4年生の卒研調査の手伝いとか、一緒に野外調査に出かけているんだけど、今年度は制約が多くて、ほとんど一緒に野外調査もできていないし、次年度にも影響が出そう。

まずはいつも自宅の畑のハウスに止まっているヒヨドリペアの糞。緑色の糞はキャベツかブロッコリーの葉、赤いのはオモトらしい。マンリョウは少し果皮が黒っぽくなっていて、少し以前に排泄されたものかもしれない。採集時に適当な糞の塊をチャック付きビニール袋に入れていたので、そのまま水を入れて、袋内で洗浄してみる。種子以外の内容物もかなり含まれているけど、簡単に洗えそう。これなら実験室でやらなくてもよさそうなので、自室で作業する。適当に洗浄したら、白バットに広げて、ピンセットで種子を回収する。

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複数種が含まれている糞もあるけど、基本、同じ種子がまとまっている感じ。今はつまみ食い的に食べるのではなく、見つけたものはあるだけ食べているだろう。種子も肉眼で同定できるレベルなので、回収した種子は種ごとにプラケース内で発芽能力を確認する。ヒヨドリが発芽能力ある種子を散布するのはよく知られてはいるけど、カントウマムシグサみたいに真面目に果実持ち去りを調査したときに発芽実験のデータもあると論文化しやすいし。畑に来ているヒヨドリはクロガネモチ、マンリョウ、ニシキギ、シャリンバイ、キウイフルーツ、オモト、ジャノヒゲで自宅周辺の公園や民家の植栽木を食べている様子。

後半は大学キャンパス内のトベラの下で回収した糞。こちらもほとんどヒヨドリと思われる。一番多いのがクロガネモチなのは一緒だけど、畑の糞よりは種子の多様性が高い。お、何やらよくわからない種子も入っているので、こちらは図鑑で確認しよう。トベラの木の下で回収しているので、トベラが含まれたフンがあっても何の不思議もないんだけど、まったく消化されていない様子。これって満腹感だけあるんだろうか?こちらはクロガネモチ、ヒサカキ、トキワサンザシ、マンリョウ、トベラ、センリョウ、モチノキ、アオキ、ハゼノキで、こちらもキャンパス内や周辺の民家の植栽木を利用している様子。トキワサンザシはすぐにはわからなかったけど、この時期にまだ果実が残っていそうで、バラ科っぽいとあたりをつけて図鑑を眺めていたら、ヒット。最後まで悩んだのがセンリョウだけど、このサイズで球形の種子はあまりなさそうだし、実態顕微鏡で観察した表面の特徴もよく似ているのでこれでよいだろう。

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ただ、本当は締め切り仕事を忘れていて、今日はこんなことしている場合ではなかった。
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