SSブログ

ESJ60三日日 [学会]

さすがに12時過ぎまで起きていたので今朝はのんびりと起床して、朝食を済ませる。午前中のシンポジウムは、シカとクローンで迷った挙句、散布に関連しているクローン性に参加。移動分散でもクローン植物や動物は種子散布とはかなり異なるシステムなので、切り口の違いが面白い。大河原さんがやたらとコメントされていた。でもあんな所で調査しているとは知りませんでした。途中で抜けだして、人が少ないうちにポスター発表を幾つか見て回る。

今日の種子散布関係のポスターでインパクトがあったのは、前回も発表していたホシガラスによるゴヨウマツの種子散布。自分の主な行動圏内の種子を運んでくる場合と全く異なる場所から運んでくる場合があり、その違いはホシガラスの力関係に依存していそう。もう一つ気になったのはモンゴルの草食動物による種子散布。あまり調査地に長期間滞在することができないらしいのが難点だけど、乾燥地の種子散布はシステムが単純なので、発芽実験だけではなく、その先の段階まで追跡できる可能性がある。

口頭発表は動物と植物の相互作用を聞いて、種子散布研究会の自由集会へ。哺乳類の種子散布って10年前だと集会として成立させるだけの人がいなかったと思うけど、随分と時代が変わったものです。参加者も80人を超えるくらいで、会場はほぼ満席。年齢的にわたしより年上だった人は片手で足りるくらいだった。かなり学部生が目立った。哺乳類って人気なのか、たまたま同時多発的に哺乳類の種子散布に興味を持つ人が出てきたのかな。

奇しくも最後の高槻さんのコメントが前日の粕谷さんのコメントと同じで、散布なんて評価するのが難しいシステムを対象とするには、長期間の調査だけではなく、今まで見えていなかったところを新しい切り口で評価することが必要になるのだろう。個人的には、3択の質問はどれに手を上げても良かったのだけど、生態系内における動物の役割に手をあげておいた。

夜の懇親会も過去最高の参加者で30人を超えていた。学生の中に数名がタヌキの研究をすることになりそうなことが判明。これからは中型哺乳類による種子散布がホットになるのか?うちの研究室でも誰かタヌキとかテンとか研究してみたい人がいないかなあ。白山だとテンの糞は結構拾うことができると思うけど。

若手をリクルートするための研究会と既にある程度、種子散布について学んでいる研究者が勉強するための勉強会とは別々に開催するくらいにしたほうが良いのかもしれない。何か本を一冊丸ごと読むとか、特集号の論文の全部読みをするとか。動物による種子散布とは離れた分野の人から、コメントをもらうことのできるような形も良いのかも。胞子散布とか、発芽の生理的なメカニズムとか、理論的な枠組みの話とか。来年度も何らかの形で継続したほうが良いのかな?

夜はぎりぎり終電に間に合わなかったので、タクシーを利用。