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インドネシア調査五日目~スマトラ編 [研究]

今朝は朝食前にホテルに面した海岸のようすを見に行く。漂着ゴミが多く、水もかなり濁っているので、ちょっと泳ぐ気にはなれない。ホテルのプールから海を眺めるというのが賢明だろう。今朝もちょっと食べすぎそうだったので、デザートを減らして対応。

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7時半にホテルを出発して、今日はGadut山方面のプロットの見学へ向かう。ウィルソンさんの運転する車で移動して、途中でお弁当を購入。いつも日本人グループが利用しているお店らしい。5人分1200円で、かなり充実した量のご飯。一瞬、5人分をまとめて一つの袋に入れているのかと思ったら1人分だった。あれは半分で十分だったな。

1時間ほどで入口に到着して、車を降りる。ここでドリアンを2個購入して、帰りにいただくことにする。一つ150円くらい。プロットまでの道のりは未舗装道路で、その両脇は果樹園として利用されていた。一番高いのはドリアン、続いてネジレフサマメ、マンゴスチンなどが目立った。間にはバナナやカカオが植栽されていた。ときどきパパイヤやキャッサバなどが植えられていた。シナモンもかなりたくさん植わっているのを見かけた。この辺がタイ南部とは違うところだな。あそこでキャッサバやカカオはほとんど植えていない。カカオはかなり激しく上部を刈り混んで、下の方に花をつけるように育てるらしい。

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ドリアン

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シナモン

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こんな道

1時間ほど歩いた一番奥には養鶏場があり、そこに移動するための道路らしい。たくさんのツバメの仲間が飛び交って虫を捕まえていた。ただ、結構うるさくて臭うなあ。ここから急斜面に植えられているバナナ畑を通過した尾根に目指すプロットがある。かなりの急斜面で昨日の雨でよく滑る。ここを調査地に選んだのはどういった理由なのだろうか?村から近いのはよくわかるのだけど、その辺の背景を何かの機会に聞いてみたい。

10時半ごろにプロットの入口に到着。Hill dipterocarp forestと呼ばれる森で、標高は600mほど。フタバガキ科はあるけど、優先しているわけでもなさそう。プロットのすぐぎりぎりまで伐採されて果樹園になっている。大きなCastanopsisが落ちていたが、後で確認したところCastanopsis rhamnifoliaらしい。これはタイ南部でも見たことあるな。尾根沿いの道をゆっくりと歩きながら、プロット内で進行中の調査について説明していていただく。リタートラップが100個も設置されており、2週間おきに回収しているらしい。壊れかけのトラップもあったけど、そんなに頻繁に集めたデータはどうなっているのやら。

プロットの一番下まで案内していただいて、優占しているSwintoniaなどを見た。そこからRafflesia gadutensisのポイントを訪れて、花を探してみたが、黒く腐りかけの花が残っていただけだった。周辺を捜すとつぼみがあったので、しばらくするとまた咲くのだろう。ラフレシアって同じポイントで咲き続けるらしい。まだ一度もきれいに開花している様子を見たことがないので、なかなかチャンスに恵まれない。果実があるなら、種子散布の調査をしたいところですけどね。

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枯れたRafflesia gadutensis

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Rafflesia gadutensisの蕾らしい

その後は尾根で昼食を食べていると雨が降ってくる。天然林でかなり林冠が覆われているとはいえ、尾根だとかなり雨が落ちて来る。傘をさしながら急いで昼食を済ませて、山を降りる。短い間だったけど天然林を見ることができて余かった。帰りはサクサクと歩いたけど、それでも30分以上かかって車まで到着。購入しておいたドリアンを食べてから、街へ戻る。

ホテルへ戻る途中でパダンの中華街や海岸沿いを案内していただく。ウミガメの卵が普通に売られているのはちょっと衝撃だった。何か所もの屋台で販売していたので、かなり頻繁に採集しているのではないだろうか?

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パダンの街周辺

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カツオ

夕食前に洗濯を済ませて、スマトラ滞在中のメモを整理する。今日、訪れたプロットで行われた研究論文にも目を通したけど、一度でも訪れたことのある場所の論文を読むのはずいぶんと理解度が違いますな。今夜もあまりお腹が減っていなかったので、近くでロティを食べて、ホテルでビールをいただいて就寝。明日はジャカルタへ戻ります。