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タイ調査2日日 [研究]

7時に起床して、朝食。荷造りを済ませて、一緒に調査地に向かうスタッフの車を待つ。9時過ぎに合流して、車で移動。バンコク市内の一番渋滞する場所は通らないので、スムーズな移動。スタッフと近況などについて話す。ブードーでシワコブサイチョウにつけたGPSデータによると、ムジシワコブサイチョウのグループに合流して、今はマレーシアに出かけているらしい。でも別の調査地のグループは北上しているらしい。移動能力が高いグループで果実が少ない時期にどのような対応をしているのかがようやく見えてきた。

一度、トイレ休憩をはさんで、11時半にパクチョンに到着。昨年、来た時にもずいぶんと建物が増えたと思ったけど、さらにホテルやリゾート施設が増えている。スタッフのなじみの店でチャーハンとセンレックを食べる。昨夜、かなり辛い物を食べたので、今日はかなり慣れてきた。二人合わせて120B。店のすぐ近くの街路樹の1本がSterculia foetidaだったので、果実を撮影しておく。図鑑では見たことあったけど、確かに表面がかなりつるつるに見える果実。カオヤイの道端のSterculiaは毛が多いから、Sterculia pexaで間違いなさそう。

その後、ガソリンを入れて、今日の宿泊先へ移動。先にオーツさん宅でバンコクからのお土産を渡し、代わりに預けておいた調査用具を受け取る。こんなにたくさん残して行ったっけか。今回、帰国するときにはメモよりもデポした荷物の写真を撮影しておこう。宿泊先は去年と同じ部屋だったので、使い勝手がよい。去年、調査に来た時に置いていった雑誌がそのまま残されていた。あんまり使う人いないのかな?明日から3日間は森に通う予定。見逃した可能性のある個体をしっかり確認しておきたい。

タイ調査初日 [研究]

機内ではほとんど眠れなかったので、少し頭痛気味。朝食時に1時間以内で終わる映画を探して見る。ほぼ予定通りの4時40分に空港に到着。今まで入国審査で宿泊先の電話番号を書けと言われたことはなかったけど、今回は全員、書かされている様子。何かシステムが変わったのかな?とりあえず宿泊先の電話番号を書いておく。次回から事前に書いておこう。

その後、荷物の待ち時間の間に両替を済ませてしまう。しばらく行く可能性のない南アフリカと中国の外貨をタイバーツにする。全部で1万バーツほどになったので、今回の滞在には十分な金額。事前にネットで計算した料金とほぼ同じだったので、レシートをきちんとチェックしなかったのだけど、実は換算ミスしていたらしい。なぜか中国ではなく、デンマークのレートで換算されていたらしい。税関を通過して、タクシー乗り場に移動しようとしていたら、先ほど両替してくれたお姉さんに呼び止められて、追加の700バーツを受け取る。

タクシーはシステムが変わったらしく、スタンドでチケットを受け取り、該当するレーンにいるタクシーと交渉するらしい。タイ語で書かれた行先の住所を見せて移動。この時間だと高速道路で移動する必要もないのだけど、大した金額でもないので(75B)、高速道路で移動。30分ほどで目的地に到着(350B)。ただ、到着時間が早すぎたので、ロビーで1時間ほど過ごしてから、ご挨拶。やはり寝ていたらしい。

さすがにまだ眠いので午前中は寝て過ごす。昼食は近くの市場に食べに出かけて、その後はネットにつないで、急ぎのメールにだけ返信して、あとは学生のゼミ資料をチェックして、コメントをつけて返信。参考文献として渡したものと全く同じ解析だけど、独力でここまで仕上げてあるとコメントをつけやすい。ただ統計処理は、帰国後に解析に使ったデータごと再確認しておこう。グラフの見せ方をどうするかですな。今日は大学の研究室にいるのとあんまり変わらんなあ。その後は卒業論文を投稿するべく改訂する作業。結構何度も見直したはずなのだけど、漢字の変換ミスとか、単位のつけミスとか残っているなあ。引用文献のチェックは終えたので、あとは図表を投稿規定に合わせて修正するだけ。タイにいる間に仕上げて、帰国後に確認用のファイルを送付しよう。今年の卒論はもっと投稿規定に厳密に合わせた形でまとめてもらうかな。

明日は9時半ごろにスタッフと合流して、調査地に移動する予定。

タイ調査移動日 [研究]

朝はのんびりと起床して、朝食をすませる。先日のあられで畑のホウレンソウがかなり傷んでしまったので、すべて収穫してしまう。ついでにブロッコリーとカリフラワーも収穫。モンシロチョウの幼虫をこまめに取り除いたつもりだったけど、まだ何個体も残っていた。こんな時期にまだ幼虫でいるのか。一部はアオムシコバチにやられたのか、黄色の繭がたくさん葉についていた。ブロッコリーはいまいちだけど、カリフラワーは結構立派に育っていた。ゆでて冷蔵庫に保管しておく。ホウレンソウは茹でて冷凍して、一部は洗って生のまま冷蔵庫で保存。これで1週間の野菜は十分だろう。

昼食後に福岡国際マラソンを見ていたけど、コタツで寝落ちしてしまった。気が付いたらゴールシーンだった。昼寝するならしっかり布団で寝ておきたかった。その後は荷造りの最終チェックをして、荷物をまとめて駅へ移動。途中でサンダーバードに乗り換えて、はるか経由で関西国際空港へ。今日は強風もなくほぼ予定通りの時間で電車が動いていたので、比較的スムーズな移動だった。移動中に先月末が締切だった本の原稿を大幅に修正。3500字のところ、4500字も書いていたので、一部は段落ごと削除する。少し冗長な表現もあったので、適宜削ると3500字まで減らすことはできた。

関空到着後に登山靴からサンダルに履き替えて、コートとともにスーツケースに放り込む。その後、レンタルWifiを受け取り、お土産を買いに3Fへ移動。けど、すでに閉店時間だった。仕方がないので、スーツケースをチェックインして、出国手続きを済ませてしまう。免税品コーナーでお土産用におたべを2箱購入してから、空港ゲートへ移動して、ラウンジで文章修正の続き。この時間帯にラウンジでPC仕事をやりながら待ち時間を過ごせるのはありがたい。予定通りの時間に搭乗。残念ながら満席らしい。お土産を大量に抱えて帰国するであろうタイグループが目立つ。

フィールドの生物学18巻 [本]

17巻のクモヒメバチの著者とは違って、こちらは小さい頃からの生き物オタクっぷりが満載の本。ただ、2冊続けて読むと共通点も多いことに気が付く。

湿地帯中毒 身近な魚の自然史研究
著者 中島淳
体裁 B6判 272頁 並製本
本体価格2000円+税
出版社: 東海大学出版会
刊行 2014/10
ISBN978-4-486-01999-2

わたしも小さい頃に川で捕まえたナマズの稚魚や田んぼで捕まえたドジョウなどを自宅の水槽で飼育していたけど、比較にならない。淡水魚が豊富な環境って、あこがれるなあ〜。湿地帯に暮らす生き物への愛にあふれた一冊です。一般向けの生き物観察会などでもカマツカ布教につとめている様子。魚だけではなく、水生昆虫の情報も満載です。こういった生物好きで、学位を持っている人が生物担当者として関わることができる都道府県が増えるとよいなあ。

あと、小さい頃によい図鑑に出会うかどうかは大事。

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フィールドの生物学17巻 [本]

10月中に手元に届いていたけど、先週末に寝込んでいた時にごろごろしながらようやく読み終えた。対象生物を探すところから、かなり苦労したらしい。特にいきもの好きでもない人が、生態の良くわかっていない生物を探すのは大変だったろうなあ。この辺は同時出版された18巻の著者とは対照的。苦労して調査方法を確立したと思ったら、先行研究にすでに書かれていたとか、本人からするとがっくり感じるようなこともあったらしいけど、考えた挙句、先人と同じ手法にたどり着いたと思えば、ちょっとした自信にもなるだろう。

本の最初にクモ全般の情報が網羅されており、特にクモ好きでもないとここで挫折する人がいるかもしれない。けど、この部分を通読するとかなりクモの知識が増えることは間違いない。とても丁寧な仕事ぶり。わたしは普段、クモの論文とか読むことはほとんどないけど、好きな生き物の一つなので、いろいろと豆知識を仕入れることができて、単純にうれしい。今度クモを見つけたら、寄生されていないかチェックしてみよう。ちなみに実家の庭では、30年ほど前にわたしが近くの神社から連れてきたジョロウグモたちの子孫と思われる連中が今でも巨大な網を張っています。

今年は春から冬まで定期的に大学のビオトープ池で植物の開花・結実フェノロジーを調査していた時に調査地内のクモ相もずいぶんと変化することが見てとれたので、もう少し真面目にクモの撮影記録も残しておこう。自動撮影カメラで越冬したがるクモたちもそれほど種数は多くなさそうなので、記録してみようかしらん。

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大学ビオトープのオニグモ?

クモを利用する策士、クモヒメバチ
身近で起こる本当のエイリアンとプレデターの闘い
著者 高須賀圭三
体裁 B6判 304頁 並製本
本体価格2000円+税
出版社: 東海大学出版会
刊行 2014/10
ISBN978-4-486-01998-5

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