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ESJ60五日日 [学会]

朝食後にチェックアウトを済ませて会場へ。朝から暖かくて、コートが要らないくらい。クロークに荷物を預けて、植物繁殖・種子散布の口頭発表会場へ。最終日は懇親会後ということで、参加者が少ないことがあるけど、わたしが参加した会場はそこそこ埋まっていた。

今回、口頭発表で気になったのは、pptにしてもpdfにしても、全画面表示するのに微妙に時間がかかっていた点。pdfでのプレゼンに慣れていないのか、演者がフルスクリーンモードにできずに戸惑っているようす。それともマックユーザーだから?ショートカットキーをプリントアウトしておくか、会場係がすぐに教えられるようにしておいたら良いと思うのだけど、あまりショートカットキーは使わんほうが良いのか?

クサトベラの話は研究システムとして非常におもしろそう。個体内で多型があるのではないらしい。果実があまり食べられないことから、それほど鳥類に種子散布を依存しているとは思えない。ただし、同じ属内に40種ほどいるので、種間比較などをしてみても面白そう。コルク質の有無は他の種にも見られるのではないかな?海外で見た種は同じような形の果実だったと思うけど、白ではなかったような気がする。

ヤマガキは鳥にだけ着目しているのがもったいないけど、データとしては貴重なものが含まれている。あれだけの数があるのなら、自動撮影カメラなどと組み合わせて、定量的に評価してみると面白そう。ただ、観察時間はそれほど長くないのかな?

果実の匂いはさまざまなものが含まれているようだけど、どれが散布者に効いているのかを明らかにするほうが難しそう。何か実験系を作ることが出来ればよいのだけど、対象にするならヒヨドリか?色覚のほうが進んでいるとは思うけど、それでも色の違いが散布者の果実選択に与える影響をきちんと評価するのは難しいのが現状。

口頭発表後は高校生ポスター発表をいくつか聞いて、静岡へ移動して昼食。ボルネオの自動撮影カメラのデータ整理は大変そうですな。膨大なサンプル数を稼いだからこそ言える点を強調することになるのかな?結局、学会期間中に査読仕事は全く進めることができなかったので、来週はコメント書きに集中する時間を確保せねば。ただ、学会期間中にも関連研究の情報は得ることができたのは良かった。

来週末は予定が埋まっているので、早めにサイチョウ学会の準備を進めてしまいたい。まずは体内滞留時間をしっかり個体ベースで解析してしまいましょう。

ESJ60四日日 [学会]

さすがに2日続けて飲むと朝が遅くなる。今日は総会なので、いつもと同じ時間に会場へ到着。結構、寝耳に水の話があってちょっとびっくり。今月中に色々とML上で議論になりそう。

総会後は授賞式と受賞講演。今回はポスター発表などと時間帯がかぶっていなかったので、久しぶりに受賞講演を楽しんだ。昼食がアンパン一個だったので、さすがに全部を聴き終わった後にはちょっと疲労感を感じてしまったけど、いずれの発表も楽しんで聞くことができた。みなさんしっかり謝辞を述べているなあ。若手向けの奨励賞は初めての試みでしたが、短時間で上手にまとめてあったと思います。

午後は一旦ホテルに戻って昼寝して、夕方から懇親会に参加。会場ではあまりうろちょろせずに色々と情報交換。みなさん元気そうで何より。4月から所属が変わる人もちらほらいるらしい。聞き茶はほとんど外れてしまった。普段、ペットボトルの緑茶はそれほど飲む機会がないからわからんよ。

ESJ60三日日 [学会]

さすがに12時過ぎまで起きていたので今朝はのんびりと起床して、朝食を済ませる。午前中のシンポジウムは、シカとクローンで迷った挙句、散布に関連しているクローン性に参加。移動分散でもクローン植物や動物は種子散布とはかなり異なるシステムなので、切り口の違いが面白い。大河原さんがやたらとコメントされていた。でもあんな所で調査しているとは知りませんでした。途中で抜けだして、人が少ないうちにポスター発表を幾つか見て回る。

今日の種子散布関係のポスターでインパクトがあったのは、前回も発表していたホシガラスによるゴヨウマツの種子散布。自分の主な行動圏内の種子を運んでくる場合と全く異なる場所から運んでくる場合があり、その違いはホシガラスの力関係に依存していそう。もう一つ気になったのはモンゴルの草食動物による種子散布。あまり調査地に長期間滞在することができないらしいのが難点だけど、乾燥地の種子散布はシステムが単純なので、発芽実験だけではなく、その先の段階まで追跡できる可能性がある。

口頭発表は動物と植物の相互作用を聞いて、種子散布研究会の自由集会へ。哺乳類の種子散布って10年前だと集会として成立させるだけの人がいなかったと思うけど、随分と時代が変わったものです。参加者も80人を超えるくらいで、会場はほぼ満席。年齢的にわたしより年上だった人は片手で足りるくらいだった。かなり学部生が目立った。哺乳類って人気なのか、たまたま同時多発的に哺乳類の種子散布に興味を持つ人が出てきたのかな。

奇しくも最後の高槻さんのコメントが前日の粕谷さんのコメントと同じで、散布なんて評価するのが難しいシステムを対象とするには、長期間の調査だけではなく、今まで見えていなかったところを新しい切り口で評価することが必要になるのだろう。個人的には、3択の質問はどれに手を上げても良かったのだけど、生態系内における動物の役割に手をあげておいた。

夜の懇親会も過去最高の参加者で30人を超えていた。学生の中に数名がタヌキの研究をすることになりそうなことが判明。これからは中型哺乳類による種子散布がホットになるのか?うちの研究室でも誰かタヌキとかテンとか研究してみたい人がいないかなあ。白山だとテンの糞は結構拾うことができると思うけど。

若手をリクルートするための研究会と既にある程度、種子散布について学んでいる研究者が勉強するための勉強会とは別々に開催するくらいにしたほうが良いのかもしれない。何か本を一冊丸ごと読むとか、特集号の論文の全部読みをするとか。動物による種子散布とは離れた分野の人から、コメントをもらうことのできるような形も良いのかも。胞子散布とか、発芽の生理的なメカニズムとか、理論的な枠組みの話とか。来年度も何らかの形で継続したほうが良いのかな?

夜はぎりぎり終電に間に合わなかったので、タクシーを利用。

ESJ60二日日 [学会]

ホテルの朝食バイキングは毎日同じメニューでは無さそうなので安心する。朝のシンポジウムは、最先端技術の話を聞く。今まで見えなかったところにどうやって切り込んでいくのか、さまざまな技術開発が進んでいるのは伝わってきた。大規模な菌根と実生の播種実験は結果が面白そうですな。いずれにせよ新しい技術で何を明らかにするのか、これまで以上に調査対象とする生物やシステムの選定が需要になってきそう。

お昼は野外安全委員会のフォーラムに参加。若い学生だけではなく、これから学生を指導する立場になるPDも参加していたので、それなりに需要があったようで何より。ただ、午前中からのシンポジウムが終わる時間と開始時間が同時に設定されていたのは反省。時間的には余裕があったのだから、プログラム編集の段階で、後ろにずらすことは可能だった。忘れないうちに企画委員会のMLに流しておかねば。その後は種子散布関係のポスターを中心に見るつもりだったけど、半分も見ることができなかった。ケンポナシが結構さまざまな哺乳類に食べられているのとシラタマノキがウサギにかなり種子散布されている可能性が高いのが面白かった。これからタヌキの研究が結構進んでいくのか?

午後の企画シンポジウムは人工林の話を聞く。来年度は調査地でスギ間伐が予定されているので、先行研究としてどんなことが調べられていのかを知ることができてよかった。ただ、林齢がかなり異なるので、間伐の影響は随分と異なる可能性が高いだろう。シンポは途中で抜けだして、早めに自分がしゃべる企画集会の部屋へ移動。随分と広い会場で、スクリーンも巨大だった。

会場の参加者を見る限り、動物の移動分散を扱っている人が多い感じだったけど、植物の種子散布関係の人もチラホラ。企画者の入谷さんのイントロの後喋りはじめた頃には会場はかなり埋まっていた。これだけの研究者を前に話しをするのは久しぶりだなあ。持ち時間30分くらいでと言われていたのに40分以上話してしまい反省。最終的に企画者の入谷さんの講演と総合討論の時間を大幅に削ってしまった。昨日、練習した後にちょこちょこ修正して、スライドを追加したのと余計な話をしてしまったのがまずかった…。すみません。個人的にも入谷さんの話はもう一度しっかり聞いてみたい。

夜は静岡駅周辺で懇親会。普段、あまり話をすることのない人とゆっくりと話をすることができてよかった。ナメクジの話が印象に残っていたようだけど、あんまり種子散布者としては貢献していない可能性もあるので、なんともなあ。若いと思ったら学部生が数名懇親会まで参加していた。学部生の参加費を無料にした効果がそれなりにあったようで何より。

終電で東静岡に戻って就寝。

ESJ60初日 [学会]

企画委員会に合わせて会場へ移動。会場から最寄りホテルとはいえ、歩くと微妙に距離がある。天気が悪いと大変なところだった。今日の昼食はお弁当を予約してあるけど、おやつ用にコンビニでアンパンを購入して、会場へ移動。確かに広い会場ですな。東静岡駅からは濡れずに歩いてくることができるので、便利。

午前中は大会企画委員会、お昼は野外安全管理委員会に参加して、さまざまな打ち合わせ。来年度、広島大会は今回ほど会場が広くないそうなので、いろいろと検討しなければいけないことが多いらしい。大会内容の英語化にともなう作業がどの程度発生するのかが読めないのがなんともなあ。来年度は野外安全管理委員会の任期が切れるはずなのだけど、誰か適当な人がいれば、交代してもらおうかしらん。

午後の自由集会は送粉サービスに参加。種子散布と比べると研究者数は圧倒的に多くて、国内の各地に拠点があるのだけど、あまり地域間比較のような形での共同研究は進んでいないらしい。研究会を立ち上げるような話をしていたけど、類似した研究会の成功例ばかりではなく、失敗例にも学ぶところは多いと思います。

夕方の自由集会は参加せずにホテルに戻って夕食。10年ぶりくらいに大学のクラスメートに遭遇。生態学会の自由集会で話していたらしい。明日の企画集会の発表練習。35分くらいかかったので、そんなものかと思っていたけど、もうちょっとシッカリ時計を見ながらやっておくべきだったと翌日に反省。

アリの巣の生きもの図鑑 [本]

既にいろいろな所で話題になっている「アリの巣の生きもの図鑑」が届いた。

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10年以上前にカオヤイでサイチョウたちを観察していた時、森の中で双眼鏡をのぞいていた私の足元でも、同じような世界が広がっていたのかと思うと当時、これらの生きものたちのことをほとんど知らなかったのはちと残念。望遠レンズを使ってサイチョウたちが果実を食べる瞬間を狙っているとなかなか双眼鏡で見えるような写真を撮るのは難しいと思うのだけど、この本には肉眼で見ることすら難しい一瞬を捉えた写真が多数掲載されているのではないかしらん。

ただ、生態学会のプレゼンファイルの準備中に読むのは、危険過ぎると判断して、まずは職場の同僚の方へ貸し出し。わたしは来週、生態学会から戻ってきてからじっくり眺める予定。

大会プログラムは忘れずに [日常]

午前中は生態学会へ出かける準備をして、その後は実家での法事に参加。33回忌なので、結構な数の親戚がたくさん来ていた。その後はのんびりと昼食会。みなさん適度に酔っ払って楽しそう。わたしは二人分に近い量を食べたので、食べ過ぎた感じ。

明日の夕方から静岡へ移動するけど、生態学会へ参加されるみなさん、郵送済みのプログラムを持っていくのを忘れずに!とまあ、こんなトコロに書いてもあんまり意味は無いか?