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ちょっと論文の宣伝 [日常]

前回、タイに行っていた時にリバイスを手伝っていたピライさんの共著論文がPNASに掲載された。

Chantarat et al. (2011) Index insurance for pro-poor conservation of hornbills in Thailand. PNAS 108(34): 13951-13956.
http://www.pnas.org/content/108/34/13951.abstract

Biodiversity Conservation and Poverty Traps Special Featureという特集の一部らしく、他の論文と合わせてフリーアクセスなので便利。ただ、個人的に問題だと思うのはサイチョウ類の基礎データをsupporting informationにまとめて掲載してしまった点。この辺の情報はまだ論文化されていない情報だから、先に論文化して欲しかったし、ここに掲載されている個体数密度の数値はかなり過大評価している可能性が高いので、数値が独り歩きしないとよいのだけど。

多分、ラインセンサスで調査した時に同じ個体をダブルカウントしてしまっているのだろうな。

どう頑張っても明日までに総説を仕上げるのは無理。かといって1週間で仕上げられるかといわれるとちょっと微妙かも。努力あるのみ。

十分に醸されていた [日常]

この2週間、職場と自宅を行ったり来たりの生活だったので、いろいろな仕事が遅れ気味。朝は弁当箱を探しているとなぜかおかずが入ったままのタッパを発見。3日間で十分に醸されている感じだけど、密閉容器だったので直接の被害は少ない。

今日は午前中に集中してメールの返信や書類仕事を終わらせる。今週は会議の資料作成や自分のセミナーなどがあり、明日以降もいろいろと時間がとられることが多くなりそう。

そんななか総説をまとめるための論文検索中に以下の学位論文を発見。

Impacts of hunting on seed dispersal in a Central African tropical forest

もう学位論文としてまとまっていたとは知りませんでした。カメルーンでサイチョウ類による種子散布を研究していたチームの一員で、2001年のサイチョウ学会では3つも発表していたWangさんの学位論文。サイチョウ類以外のテーマはすでにBiotropicaに掲載されているが、わたしが読みたかった二次林におけるサイチョウ類の食性と種子散布に関する内容はまだ投稿中らしい。

学位論文のPDFファイルを探したけど見つからない。著者の連絡先も不明なので、ProQuest経由でPDFファイルを購入。85ページで37ドル。学位論文としては短いこともあるけど、円高の影響でかなり安く感じる。日本の代理店経由でもPDFファイルは購入できないのかな?

ざっと目を通したけど2001年の学会発表で聞いた内容がきちんとまとめられている。貴重なデータとしてはTockusの果実食の情報。アフリカのサイチョウ類の果実食の大部分はCeratogymnaの情報なので、比較対象として重要な情報。PDFファイルはファイルサイズがかなり小さめで、図表の印刷クオリティーがそれほど高くない。まあ、マイクロフィルムのコピーだと複雑な図はすべて真っ黒になっていたりするので、それよりはましか。

明日は午前中に会議で午後はセミナー準備で終わりそう。総説はいつ仕上げたものやら。

今日も片づけ作業 [日常]

さすがに夏の終わりで涼しい。早朝に小学校の清掃作業に参加。朝早くで涼しい時間ということもあり、気楽に参加した。かなり草ぼうぼうのエリアで結構本気の草むしりになってしまった。毎年の恒例作業らしい。キャベツは完全に草に埋もれていたけど、モンシロチョウとかを観察するにはよさそう。1時間ほどの作業に参加して、帰宅。9時前にすでに汗だくになってしまった。そのまま家の中の片づけを進めて、子供部屋の準備。

昼食は冷蔵庫の中身を減らすべく、前回の滞在の残りの肉や野菜を食べきる。野菜炒めにするつもりが、食用油が切れていたとは気が付いていなかった。通常なら、もう一日のんびりとして、月曜日に職場に戻るのだけど、9月3日のセミナー準備が終わっていないので、今回は2泊のみ。帰りの電車は今月中に返却する必要のある査読レポートを読み直し、おかしなところがないかを確認する。2週間前に仕上げたコメントでだいたいよさそう。問題は今月末が締め切りの自分の総説だけど、こちらは8月10日から全く進んでいない。明日からの3日間でどのくらい仕上げられるかにかかってくる。少し睡眠時間を削るしかないか?

世界陸上をついつい見てしまうので、テレビには注意せねば。仕事がない日は、時差がないとじっくりとみることができてよいのだけど、仕事のある日には不便かもしれない。

無事に終了 [日常]

お盆あたりからドタバタしていましたが、25日の早朝に男の子が無事に産まれました。予定日よりは早く産まれたけど、3キロを超えており、ちょっと出産には苦労した様子。母子ともに健康でホッとした。

今月中に締め切りのある仕事がいくつもあるので、どれを優先的に終わらせるべきか悩ましい。一つ一つクリアーしていくしかないのだけど、まずは投稿論文だろうなと思っているとかなり前に査読した論文がどうなっているかの問い合わせメール。いや、去年の11月に返却してから修正原稿を見た覚えはありませんけど?というか、今までほっておいたわけ?

査読依頼が1件あったけど、自分が共著者に入っている論文。えー、こんなこともあるんですな。担当編集委員に共著者をよく見てから査読依頼を送ってねとお断りのメール。この雑誌のキーワードには自動撮影は登録していないのだけど、どこかで私の自動撮影がらみの論文を読んだことがあるのだろうか?

突然のお詫びメール [日常]

某有名ジャーナルから、突然のお詫びメール。具体的には、氏名、メアド、ログインパス、登録日の情報が流出したらしい。氏名とメアドはHP上で公開しているし、カード情報は登録していなかったので、実害は少ないかな?ログインパスはこの雑誌にしか使っていないし。ただ、ジャンクメールが増えるかも?

HPに何か詳細な情報が掲載されているのかと思って見たけど、何も書かれていない。そのうちネットニュースに掲載された情報から判断するにデータベース全体のうち、流出した1割に満たない人の方に含まれてしまったらしい。でも不正アクセスされたのは7月1日らしいので、情報提供が遅すぎるのではないかな。

2か月前に査読した論文の審査結果が送られてきていた。3人とも同じようなコメントで、提示されているデータそのものの重要性は認めているが、面白みに欠ける。個体数の変動要因に関連したデータを追加するか、種子散布過程にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにするデータを追加することを求めている。私以外のレフリーのうち、一人は知り合いだろうな。この論文の査読者としては、テーマも地域ももっとも適当だし、コメントに指摘されていることもいちいち納得。

午後は来週のプレゼンに向けてファイルを準備。イントロ部分がなかなか難しい。どのくらいの聴衆を想定するかが難しいところ。

200m泳いだ [日常]

朝は畑の水やりでスタート。ミニトマトがかなり熟しているので、さっさと収穫しよう。かなり甘く仕上がっているので、ジャムにするか?草ぼうぼうだけどとりあえず放置。午前中は家の中を整理して、片付けられるものはしまいこむ。昼食はなぜかチヂミを作ることになり、スーパーで適当に買い出し。さすがにお盆シーズンで人が多い。

午後はゆっくりと昼寝をしてから、健民海浜プールへ。日中の一番暑い時間帯は、一番混んでいるので、夕方近くの時間帯をねらってでかける。前回は夕方の雨の中だったのでかなりガラガラだったけど、今日は天気が良いので、まだかなりの人が遊んでいる時間帯だった。ゴムボートはかなりの人が並んでいた。

空いてきた時間帯に50mプールで少し真面目に泳いでみた。100m泳いだ程度で上半身が筋肉痛で、息が上がる。今は1kmとか続けて泳ぐのは無理かもしれない。15年前の体とはずいぶん違うからなあ。ジョギングと水泳は違うということがわかっていてもこんなに泳げない体になっているかな。まあ、ジョギングで追い込んでいないからという理由もあるけど。

残り一時間で帰宅。さすがに人が減ってきたけど、暑さ敵にはちょうど良いくらいで、あまり日焼けせずに済んだ。夕方に墓参りをして、そうめん三昧の夕食を頂く。

明日も墓参り。

古本を眺める [日常]

ボルネオから戻ってきて1週間。体重は元に戻ったけど、朝から暑くてジョギングをさぼり気味。明日はきちんと起きて走らねば。

先週届いた古本は1930年に発刊されたRIDLEY, H. N. 1930. The dispersal of plants throughout the world。種子散布を研究するなら、目を通しておかねばいけないと思いながら、なかなか手に入れる機会がなかった。今回、アマゾン経由で古本を購入。約2万円とかなり高価だったけど、比較的しっかりした古本だった。一部に書き込みがあるけど気にならない程度。でもNHBSで1990年に再販された分が100ユーロで販売されていたと後で知った。1万円くらい損した気分。

早速、現在まとめているニクズク科の種子散布者に関係する部分を探す。あまり重要な情報は含まれていないけど、サイチョウやミカドバトが食べていると書かれている。サイチョウに果実を食べさせて、体内滞留時間を測定した研究をこの時にすでに行っていたらしい。サンプル数が少ないとはいえ、総説で引用しておくべき内容だったな。ただ、どの種を用いたのかなどの詳細な情報が抜けている。

他人のデータ解析の手伝いをしている場合ではないのだけど、関わってしまったものは仕方がないのでさっさと終わらせる。ざっと作図してみると数値がおかしいところがあるので、そこを確認してもらう。単純な計算ミスでしたか。レフリーに指摘されたようにrarefaction curveを描いて比較するのがわかりやすいと思うのだけど、そこまでデータをさかのぼるのがかなり面倒らしい。その辺をoffset項に入れて、サンプルをランダム要因にして、glmmMLで解析してみる。作図結果からイメージされたものとだいたい同じ傾向だからこれでよいかな?

一つ終わった [日常]

昨夜は帰宅後に簡単に夕食を食べてニュースを見ていたはずが、そのまま寝てしまったらしい。暑くて目が覚めたらすでに7時をまわっており、電気が付いたままだった。一晩中電気をつけていたらしい。さすがに機内の睡眠時間睡眠では、足りていなかったか。今朝になって、肩が多少筋肉痛。朝食前に体操とストレッチで簡単に体をほぐす。明日はジョギングに行こう。この1週間、ついつい子供たちにつられて食べ過ぎてしまって体重は1kg増。熱帯雨林に出かけて森の中を歩いたはずだけど、距離が短いからなあ。

朝はのんびりと洗濯物を片付けて、スーツケースや調査用の靴などを整理してから出かける。それにしても朝から暑い。昨日、重要なメールについてはほとんど目を通したので、今日はNLの編集作業を進める。8月2日以降に編集作業を進めると伝えていたこともあり、依頼原稿のほとんど昨日の夜から今朝にかけて届いていた。催促する必要がなくて助かったのと予定よりも長い原稿だったので、遅れている原稿がなくても今号の原稿は足りそう。午前中に一通りの編集作業を終えて校正原稿を送付。著者校正をお願いしている間に編集後記をざっと仕上げる。Canariumだと思って撮影してきたけど、クリイロリーフモンキーにかじられた断面を見るとDacryodesみたい。もうちょっとまじめに葉を観察しておくのだった。

いったんリジェクトされた共著論文のリバイス原稿とコメントへの返信を読む。コメントへの返信の書き方は参考になるなあ。ただ、私には最初の返信原稿でも十分によく書けていると思うのだけど、共著者の一人が修正した現行の方がずっと柔らかく書かれているらしい。その辺の違いがわかるかわからないかがネイティブとの差なのですな。

明日は週末のセミナーの資料作成。今回のボルネオでの写真も紹介したい。

ボルネオから帰国しました [日常]

さすがにフライト時間が4時間半では、機内でほとんど眠れなかった。朝は5時ごろに起床して、その後は税関書類を書いて、空を眺めて過ごす。窓際に座るのは久しぶりなので、雲の写真を何枚か撮影。

予定よりも少し早く関空に到着。参加者は眠そうな顔をしている子が多い。それにしても頭をテーブルに乗せたまま眠れるなんてすごい。外気は26度ということで、全然真夏の日本に戻ってきた気分にならない。この気温だとさすがに蒸し暑いからボルネオに戻りたいという気分にもならない。入国審査もスムーズに終了し、荷物もすぐに回収できた。搭乗人数が少ないので荷物が出てくるのも早い。

解団式も無事に終了。その後は2階で軽く反省会をして解散。あまり大きなトラブルはなかったけど、来年以降はラマダンと重なるので、どういった形にするのかさっさと検討しておく必要があるのでしょうね。関空からは高速バスで三宮に移動して、電車を乗り継いで下宿へ。さすがに荷物が重い。2回洗濯して、洗濯物を干してから、昼食を購入して職場へでかける。

ボルネオ滞在中に二日間にわたって設置していた自動撮影カメラのデータを確認。現地で見ていた時にジャワマメジカとオナガコミミネズミには気が付いていたけど、オナガコミミネズミが果実を加えて運ぶシーンやツパイの仲間も撮影されていた。大物は撮影できませんでしたが、日中は見ることが難しい動物がしっかり撮影できていてよかった。

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ジャワマメジカ

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果実を運ぶオナガコミミネズミ

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ツパイの仲間

職場のアドレスに届いていたメールは140通。このうち学会関係が70通で残りがJeconetなどのMLと職場関係の仕事メール。今日中に重要なメールには返信することができた。さすがに眠くなってきたので早めに帰宅。明日は代休ですが、学会仕事をします。

BJS2011七日目 [日常]

今朝も裏山のウツボカズラを見に行こうかと思っていたけど、疲れていたのかのんびりと起床してしまった。子供たちはみんな元気で予定時間には既に朝食を食べに集まっていた。今日からラマダンらしいけど、ホテルにいたのであまり実感がない。

朝食後はバスでサバ大学へ移動。9時に到着して、去年と同じように収蔵庫を一通り見せていただく。去年は子供たちに勝手に昆虫標本の棚を開かせていたのでちょっと驚いたけど、今年はコレクションマネージャーの人が自らきちんと管理していたのでちょっと安心。ただ、収蔵品数は急激に増えているわけでもなさそうで、収蔵スペースにはかなり余裕がありそう。サバ大学内を1時間ほどうろちょろして、水族館に移動。

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パンフレットはとても素晴らしいできだけど、実際の展示はちょっと薄暗い感じ。それほど広くはないのだけど、生き物がいると眺めているだけでも飽きないので面白い。貝にもFicusという属名が使われているんですね。確かにイチジク型だけど、混乱するなあ。30分ほど館内の展示を見た後は、船着き場へ移動。

泳ぐ人はフィンをかりて、島へ渡るらしい。わたしは海に入るつもりはなかったので、そのまま船に乗り込む。今日は島へ渡る人が多いらしく、マヌカン島と聞いていたのが、サピ島へ変更になっていた。全然無人島ではないですな。船着き場から島までボートで15分ほど。船着き場周辺の海底にはたくさんのガンガゼが転がっていた。

島に近づいたころに別の方向からキタカササギサイチョウの鳴き声が聞こえてきた。おっと、この辺の島にも分布していたのか!島の建物に飾られていた写真にはキタカササギサイチョウのペアが飛ぶ姿をとらえたものがあった。へー、島に棲むとは聞いていたけど、こんな小さな島にもやってくるらしい。ちょっと楽しみ。

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昼食付きのコースで人数分のテーブルが用意されている。完全に観光客のパックツアー向けですな。まずBBQ形式の昼食を済ませて、海外付近で適当に及ぐ子供たちを見ながら、近くの島でキタカササギサイチョウが見えないか双眼鏡で探す。何度か鳴き声は聞こえたけど、結局、姿は見えず。海岸でマレーオオトカゲの子供がごみをあさっていたけど、別の場所では大きな大人が何頭も格闘していたらしい。さすがスカベンジャー。1時間ほどの海水浴中にヤドカリやシャコガイなどを拾ってきた子どももいた。シュノーケルでも十分に南の海を満喫できた様子。

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海での体験は早めに引き上げて、15時ごろにコタキナバルの街へ戻る。去年と同じ場所でお土産を探す時間。今年は昨年買い逃したTree Flora of Sabah & Sarawakを発見したので両替して3冊購入。円高が進んでいたので、1週間前よりもかなり良い交換率になった。これでTree Floraの既刊本はすべてそろったし、ニクズク科の情報もまとめられる。ついでにテングザル本を購入。帰りの空き時間に読む予定。その他にもバードガイドや別の植物の本を勧められたけど、これ以上重たい荷物を持って帰りたくはありません。ここ、Malayan Nature JournalやSabah Parks Nature Journalが売っていたのだけど、欲しいものがなかったのは残念。それにしても海での活動の後だと言うのに子供たちは買い物に夢中で、元気ですな。

夕食はかなり豪華なバイキング。ラマダン時期なのでホテルの夕食も豪華らしい。生ガキまであったので、ちょっとチャレンジャーかなと思いながら、安間さんと一緒に食べた。どうも水っぽくていまいちな味でしたが、お腹は問題なし。デザートには、アイスカチャンをおいしく頂きました。この1週間、運動の割には食べていたので体重が増えたのではないかな?

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夕食後は、今回の滞在中のメモを作成。直行便で夕食後に汗を流すことができて、ホテルでのんびりできるのは便利だけど、夜中の飛行機はなかなかつらい。さすがにコタキナバルの空港についた時間帯には、お土産屋は締まっているところばかり。とにかく特に体調を崩した人もおらず、無事に帰国できそうで何より。